この夏は、その歌声に酔いしれよう…
TJO厳選! 注目の女性R&Bシンガー

この夏オススメ! 今後、より一層の活躍が期待される女性R&BシンガーをTJOが解説付きで紹介。

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TJOが気になる女性R&Bシンガーとは?

2020年も様々なジャンルにおいて面白い才能が続々登場。それだけに新しいアーティストを探したり、知らない音楽をディグるのは本当に楽しい! ってことで今回はR&Bシーンに焦点を当て、ここ数年気になっている女性シンガーを10組紹介!

◆Teyana Taylor(テヤナ・テイラー)
リリースする曲全てハズレなし! さらには、新時代のオピニオンリーダーとしての風格もバッチリ!
ニューヨーク出身のテヤナ・テイラーは、2006年に弱冠16歳にしてBeyonce(ビヨンセ)のミュージックビデオの振り付けを担当し、シンガーとしてもKanye West(カニエ・ウエスト)作品に参加するなど華々しい経歴の持ち主だが、何より2018年にそのカニエ・ウエストが全面プロデュースを手がけた2ndアルバム「K.T.S.E」を初めて聴いた時の衝撃といったら……。カニエ節炸裂のサンプル早回しや独特の音使いながらもソウルフルなトラックを乗りこなす彼女の歌声にすぐに魅了された。

そして、今年のR&Bシーンの重要アルバムの一枚に必ず入ると断言できるのが彼女の最新アルバム「The Album」。前作とは打って変わってTimbaland(ティンバランド)やMurda Beatz(マーダー・ビーツ)などプロデューサーも様々で、さらにMigos(ミーゴス)のQuavo(クエイヴォ)、Rick Ross(リック・ロス)、Erykah Badu(エリカ・バドゥ)など多くの豪華ゲストを迎えながらも一貫したソウルネスは健在。カニエ・ウエストのプロデュースで前作に収録されるはずだったが、サンプリングのクリアランス問題でお蔵入りになっていたとされるMs. Lauryn Hill(ローリン・ヒル)参加の”We Got Love”は、およそ2年の時を経ても古臭さを全く感じさせないフレッシュな1曲に聴こえるし。

そんな彼女はミュージシャン、ダンサーだけでなく女優業やビデオディレクターまでマルチな才能を発揮。なかでも自身が監督の”Made It”のミュージックビデオは、コロナ渦において卒業式を行えなかった学生たちのために作られたもので、実際の卒業生たちをリモートでビデオに参加させるなど彼女の力強いメッセージが表現された作品としてBET Awardsで最優秀映像監督賞を受賞する快挙に。また、夫でNBA選手のIman Shumpert(イマン・シャンパート)と娘も出演した”Wake Up Love”のミュージックビデオではラストに自身の妊娠を明らかにするサプライズを盛り込むなど、その発信力が常に大きな注目を集めている。リモート卒業式で温かくもポジティブなヴァイブスに溢れた”Made It”のビデオは一見の価値ありなのでぜひ。
◆Celeste(セレステ)
前回のチルアウト・プレイリスト記事でも紹介したJorja Smith(ジョルジャ・スミス)好きなら絶対にハマるのが、同じくジャマイカ人の血を引くイギリス人ネオソウル・シンガーのセレステ。あのElton Johnエルトン・ジョン)や「カープール・カラオケ」でもお馴染みの人気テレビ番組司会者James Corden(ジェームズ・コーデン)、さらにはジョルジャ・スミスまでもがファンを公言し、その実力は折り紙付き!

僕が初めてその歌声を聴いたのは昨年のシングル”Strange”。ソウルだけでなくBillie Holiday(ビリー・ホリデイ)やElla Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)などジャズやブルースの影響も強く感じさせる、新人とは思えない成熟した歌声に一聴して心奪われた。彼女の躍進は目覚ましく英国BBCが選ぶその年最も活躍が期待される注目の新人「BBC Sound of 2020」で1位を獲得、英国ブリット・アワードの批評家賞も受賞し、最新作はBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の兄であるFinneas(フィニアス)がプロデュースした”I Can See The Change”と話題性も充分。秋にはデビューアルバムも控えているという事で待ちきれない。

ちなみに、デビュー以前2015年にAvicii(アヴィーチー)のアルバム「Stories」収録の”Touch Me”でもヴォーカルを担当しているので気になる人はぜひ。
最後に本国イギリスに比べてアメリカではまだ無名だったもののジェームズ・コーデンの番組で披露され一夜にして大絶賛の嵐が巻き起こったライブ映像をどうぞ。
◆Chloe x Halle(クロエ x ハリー)
今後の2020年代をリードする姉妹デュオになるでしょう!
出会いはDisclosure(ディスクロージャー)プロデュースの、どこか往年のR&Bを感じさせる懐かしさと彼らの持つ先進性が合わさったトラックに、美しいコーラスワークがハマった”Ungodly Hour”。どの時代でもあり、どの時代でもないようなタイムレスで不思議な魅力に溢れた作品はクロエとハリーのベイリー姉妹によるもの。

10代の時YouTubeにアップしたビヨンセのカバー動画が注目を集め、そのビヨンセが率いるParkwood Entertainmentと契約するという夢物語を経て、2016年のデビュー作「Sugar Symphony」は、主要音楽メディアから前大統領夫人ミシェル・オバマから大絶賛。2018年アルバム「The Kids Are Alright」はグラミー賞で『最優秀コンテンポラリーアルバム』と『最優秀新人賞』にノミネート。僕が彼女らを知るキッカケとなった最新アルバムではディスクロージャーの他にもMike Will Made-It(マイク・ウィル・メイド・イット)やScott Storch(スコット・ストーチ)など大物プロデューサーを迎えてはいるが、個人的に感じる一番の魅力は姉妹で作り上げるというメロディやコーラスワークの巧みさではないかと。下で紹介する”Do It”のライヴ映像でも姉妹だからこその見事なハーモニーと圧倒的存在感を観せつけてくれる。

さらに妹のハリーはディズニー映画『リトルマーメイド』の実写版で主役のアリエル役に抜擢されたというニュースも話題になったので、今後音楽シーンのみならずエンターテイメントの世界でも彼女達の姿を見る事が多くなりそうな予感。

 

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dream come true… 🧜🏽‍♀️🌊 #thelittlemermaid

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◆Melanie Faye(メラニー・フェイ)
“It’s A Moot Point”での圧倒的なメロウネスとグルーヴを描くギターのフレージングに一発KOされました。
アメリカ・テネシー州ナッシュビル出身のメラニー・フェイは歌声だけでなく、ギタープレイも世界中から注目され、その特徴的なタイム感やコード感は一度聴いただけで強烈なインパクトを残す事間違いなし。Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)やMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)の影響を受け、R&Bからネオ・ソウル〜ファンクを自由に行き来するスタイルはR&BシンガーのSZA(シザ)やJohn Mayer(ジョン・メイヤー)などからも絶賛されている。まるで歌とギターが彼女の中で一体となったような素晴らしいプレイ映像をぜひ彼女のYouTubeチャンネルで見て欲しい、永遠に聴いていられるから。
◆UMI(ウミ)
インディーR&Bの期待の星!
ローファイ・ミュージックを通過したネオ・ソウルを聴かせてくれるのは、アメリカと日本の血を引く20歳のシンガーソングライター。日本語の「海」を意味するアーティスト名からも伺える通り、昨年リリースされた「Love Language」収録の”Sukidakara”では、ほぼ全編日本語詞で歌い上げ、さらには最新作「ntrospection」のフィルムでは日本語で演技をする場面も見せるなど、母親のルーツである日本への想いも強く感じさせてくれるところは日本人としてもとても嬉しい。伸びやかであり、内省的なニュアンスも同時に感じさせる憂いを帯びたメロウな歌声、ぜひ一度聴いてみて。
◆Jenevieve(ジェネヴィヴ)
彼女は、日本人好み間違いなしの逸材。
まだ2曲しかシングルがないものの、デビュー作”Medallion”は往年の90’s R&Bを彷彿とさせ、続く”Baby Powder”でサンプリングされているのは、なんと1982年に日本人シンガー杏里がリリースした角松敏生プロデュースの”Last Night Whisper”! さらには正規リリースはされていないものの90’s R&Bの名曲Groove Theoryの”Tell Me”のカヴァーも最高で、涼しげなレゲトン・ビートにMary Jane Girls(メリー・ジェーン・ガールズ)のクラシック”All Night Long”がマッシュアップされるサプライズもあって、この曲は聴いてすぐに先日作ったDJ Mix “SUMMER CHILLIN 2020 by TJO“に収録したほど。ノスタルジーを今に昇華させたR&Bを聞かせてくれる彼女の曲を聴いて、どこか懐かしさ感じませんか?
◆Summer Walker(サマーウォーカー)
次のElla Mai(エラ・メイ)となるのか!?
まだアルバム一枚のみのリリースなのに、次世代を代表するR&Bシンガーとして俄然注目を集めているのがサマーウォーカーだ。最近リリースされたPARTYNEXTDOOR(パーテイーネクストドア)との”My Affection”は、個人的2020年の夏のサントラ入りが決定するほどのお気に入りで、キャリア的にも2018年にDrake(ドレイク)が参加した”Girls Need Love (Remix)”が全米トップ40入り、翌2019年デビューアルバム「Over It」で早々にも全米アルバム・チャート初登場2位を記録し、数々の賞レースにも登場するなど大躍進真っ只中。Destiny’s Child’(デスティニーズ・チャイルド)の “Say My Name”を引用した”Playing Games”やUsher(アッシャー)の”You Make Me Wanna”のサンプリングのみならず、本人も招いた”Come Thru (with Usher)”など温故知新なスタイルからコンテンポラリーな現行R&Bなど楽曲ごとに見せる表情も実に多彩で豊か。まさに今のR&Bのムードを象徴する存在として語られていくのではないだろうか。
◆Arlo Parks(アーロ・パークス)
まだ19歳とは思えない歌声や表現力は、セレステと共にUKを代表する新たな才能になるでしょう。
ナイジェリアやフランスの血を引くロンドン出身の彼女、他のアーティストに比べて詩的な世界観が印象的で、調べると1950年代のビート・ジェネレーションや現代詩人、ポストモダン映画やビバップなどからも影響を受けているとのこと。個人的にはどことなくThe Internet(ジ・インターネット)のSyd(シド)と似た温度感を感じさせる。セレステも選出された「BBC Sound of 2020」に選ばれ、数々のメディアでもピックアップされるなど大きな注目を集めているが、イギリスの新鋭オルタナティヴ・ロック・バンドEasy Life(イージー・ライフ)への客演や最近ではRadiohead(レディオヘッド)の”Creep”をカヴァーするなど他のR&Bシンガーとまた違った垣根を飛び越えた独自の動きもまたユニークで面白い。
◆Victoria Monét(ヴィクトリア・モネ)
Doja Cat(ドジャ・キャット)の”Say So”と並ぶ、2020年型ディスコを代表する1曲として推薦したいのがヴィクトリア・モネが歌う”Experience”だ。
人気シンガーKhalid(カリード)とUKエレクトリック・ソウルの旗手であるプロデューサーSG Lewis(SG・ルイス)とのコラボレーションは一度聴いたら忘れられない人懐っこいキャッチーなメロディが印象的で、それもそのはずヴィクトリアは優秀なソングライターとしても知られていて、その名を知らずとも彼女の手掛けた楽曲は聴いたことがあるはず。なかでもAriana Grande(アリアナ・グランデ)にはデビューアルバムから携わっていて、グラミーノミネート作品にもなった”Thank U, Next”や”7 rings”にも参加。”7 rings”の歌詞で描かれる七つの指輪の一つを友情の証としてプレゼントされた親友の1人がまさに彼女なのである。他にもFifth Harmony(フィフス・ハーモニー)、Chris Brown(クリス・ブラウン)諸作品でも才能を発揮、この夏には待望のデビューアルバムとなる「JAGUAR」がリリースされることに。裏方としてのイメージが強かった彼女がどんな作品を聴かせてくれるのか楽しみ!
◆Kiana Ledé(キアナ・レデ)
これまた今年リリースされたアルバムの中で1曲たりともハズレがなかった最高な1枚「KIKI」。
2019年にリリースされたFrench Montana(フレンチ・モンタナ)を迎えた”Ex”のリミックス・バージョンでのTotalの”Can’t You See”使いからその存在が気になり、そこからアルバムのMtume(エムトゥーメイ)“Juicy Fruit”使いの“Labels”で一気にどハマり。アルバムの中では他にもOutkast(アウトキャスト)“So Fresh, So Clean”使いの“Mad At Me”など90’s R&B黄金期を彷彿とさせながらも、Lucky Daye(ラッキー・デイ)やAri Lennox(アリ・レノックス)など新世代の才能とも非常に相性の良いコラボレーションを聴かせてくれ、過去の焼き直しだけではない今のムードもしっかりと見据えた見事なR&Bアルバムを作り上げてくれた。彼女もサマーウォーカーと並んで今後のシーンを担う存在になっていきそうな予感。

以上、注目の女性R&Bシンガー10組を紹介しましたが気になるアーティストはいましたか?
今回取り上げたアーティストの楽曲は僕TJOのSpotifyプレイリスト「TJO Crates」でも展開中なのでぜひ記事と合わせて楽しんでくださいね。
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