【Helsinki Lambda Club
ライヴレポート】
『Helsinki Lambda Club
「Good News Is Bad News」
release tour "Good News For You"』
2020年7月27日 at 渋谷CLUB QUATTRO
2月に音源付きTシャツとしてリリースしたシングル「Good News Is Bad News」のレコ発ツアーファイナル公演。当初は3月に予定していたが、コロナ禍の影響で中止となり、7月27日に渋谷CLUB QUATTROで有料配信ライヴというかたちで実現した。
初めての有料配信ライヴを行なう経緯について、橋本 薫(Vo&Gu)は事前に“現在素晴らしいフルアルバムも作っていてバンド自体はとても前向きであり、このバンドのストーリーを停滞させずに進めていきたいと思ったからです”とコメント。思うように活動ができない歯がゆさは大前提にあるとして、その中でもバンドは良いマインドで動いていたことが伝わる。この配信ライヴには“こんな時だからこそ音楽を”という想いもあったかもしれないが、観終わって心に残ったのは、すでに次のフェーズへと動き出しているHelsinki Lambda Clubの姿と、彼らはニューアルバムで何を企んでいるのだろうかという期待感だった。
背景にさまざまな気持ちがある挑戦的なライヴとはいえ、奇をてらったパフォーマンスは一切なし。メンバーの様子もいつも通りという印象で、“無観客だから最初からアゲていく”ということもなく、ミドルナンバーの「しゃれこうべ しゃれこうべ」でじっくりと幕を開ける。客席のアングルで映される映像も相まって、まずはクアトロの空間を共有するように肩の力を抜いたステージを見せた。
シングル「Good News Is Bad News」は“初期のヘルシンキのサウンドにもう一度アプローチしてみよう”という構想から始まった作品で、それに通ずるのかこの日に披露された新曲にも“原点に立ち返る”ことを意識したであろう楽曲がいくつかあった。特に初披露だった「ミツビシ・マキアート」のNYパンク感や、配信ジャケットのアートワークからしてVan Halenをオマージュした「午時葵」、彼らのルーツのひとつであるUKロックを覗かせた軽やかな「Shrimp Salad Sandwich」など、各曲に発見があったことで「Good News Is Bad News」がヘルシンキに新たな流れを生んだ一曲だったように思える。
そして、MCではニューアルバムが11月にリリースされることと、そのタイトルが“Eleven plus two / Twelve plus one”であることを発表。収録曲ではバンドの過去・現在・未来を表現しているそうで、橋本がタッピングやラップを披露するサイケな「IKEA」を“未来の曲”と称していたことには納得感も。SEでは打ち込みや謎のヴォイスを使った民族音楽っぽさのある「Mind The Gap」を使用しており、この曲もアルバムに収録されることがアナウンスされたが、言われるまで彼らの楽曲だと気がつかないくらいの新鮮味があった。また、新曲を聴いて感じたのはサウンドのことばかりではなく、世の中に対する皮肉や、死生観を表現した歌詞を踊れるナンバーに乗せることで、ごく自然に耳に入り、ひとつの楽曲としてより奥深いものに仕上がっていたことも特筆しておきたい。
ツアーは中止になってしまった公演もあり、ファイナルの日程も後ろ倒しになったが、このタイミングだったからこそシングルとアルバムのストーリーが感じられたように思う。ファンから集っていたリクエスト曲ランキングの1位がデビューシングル「バンドワゴネスク」だったことにもある意味“原点”を感じ、次作のアルバムだけでなく、その先の彼らの歩みを想う一夜だった。
初めての有料配信ライヴを行なう経緯について、橋本 薫(Vo&Gu)は事前に“現在素晴らしいフルアルバムも作っていてバンド自体はとても前向きであり、このバンドのストーリーを停滞させずに進めていきたいと思ったからです”とコメント。思うように活動ができない歯がゆさは大前提にあるとして、その中でもバンドは良いマインドで動いていたことが伝わる。この配信ライヴには“こんな時だからこそ音楽を”という想いもあったかもしれないが、観終わって心に残ったのは、すでに次のフェーズへと動き出しているHelsinki Lambda Clubの姿と、彼らはニューアルバムで何を企んでいるのだろうかという期待感だった。
背景にさまざまな気持ちがある挑戦的なライヴとはいえ、奇をてらったパフォーマンスは一切なし。メンバーの様子もいつも通りという印象で、“無観客だから最初からアゲていく”ということもなく、ミドルナンバーの「しゃれこうべ しゃれこうべ」でじっくりと幕を開ける。客席のアングルで映される映像も相まって、まずはクアトロの空間を共有するように肩の力を抜いたステージを見せた。
シングル「Good News Is Bad News」は“初期のヘルシンキのサウンドにもう一度アプローチしてみよう”という構想から始まった作品で、それに通ずるのかこの日に披露された新曲にも“原点に立ち返る”ことを意識したであろう楽曲がいくつかあった。特に初披露だった「ミツビシ・マキアート」のNYパンク感や、配信ジャケットのアートワークからしてVan Halenをオマージュした「午時葵」、彼らのルーツのひとつであるUKロックを覗かせた軽やかな「Shrimp Salad Sandwich」など、各曲に発見があったことで「Good News Is Bad News」がヘルシンキに新たな流れを生んだ一曲だったように思える。
そして、MCではニューアルバムが11月にリリースされることと、そのタイトルが“Eleven plus two / Twelve plus one”であることを発表。収録曲ではバンドの過去・現在・未来を表現しているそうで、橋本がタッピングやラップを披露するサイケな「IKEA」を“未来の曲”と称していたことには納得感も。SEでは打ち込みや謎のヴォイスを使った民族音楽っぽさのある「Mind The Gap」を使用しており、この曲もアルバムに収録されることがアナウンスされたが、言われるまで彼らの楽曲だと気がつかないくらいの新鮮味があった。また、新曲を聴いて感じたのはサウンドのことばかりではなく、世の中に対する皮肉や、死生観を表現した歌詞を踊れるナンバーに乗せることで、ごく自然に耳に入り、ひとつの楽曲としてより奥深いものに仕上がっていたことも特筆しておきたい。
ツアーは中止になってしまった公演もあり、ファイナルの日程も後ろ倒しになったが、このタイミングだったからこそシングルとアルバムのストーリーが感じられたように思う。ファンから集っていたリクエスト曲ランキングの1位がデビューシングル「バンドワゴネスク」だったことにもある意味“原点”を感じ、次作のアルバムだけでなく、その先の彼らの歩みを想う一夜だった。
取材:千々和香苗
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