嵐、選曲にみる伝えたい思い 中居正
広との久々下剋上コントも

<今聴きたい名曲たち 『音楽の日』を振り返って:嵐>

 TBS系音楽特番『音楽の日』(TBS系)が18日放送された。新型コロナウイルス禍で、より強く感じる音楽の力。今回は、同番組で披露された、今だからこそ聴きたいジャニーズの名曲をピックアップ。楽曲の魅力とともにこの日のステージパフォーマンスを振り返っていく。今回は、番組のトリを飾った嵐のステージを分析。「PIKA★★NCHI DOUBLE」に焦点を当ててその魅力を深掘りする。

いつまでも終わらない嵐の青春の日々

 「PIKA★★NCHI DOUBLE」は、2004年に発売された12枚目シングル。メンバー全員が主演を務めた映画『ピカ☆☆ンチ LIFE IS HARDだからHAPPY』の主題歌で、青春の青臭さや儚さを繊細に描いた楽曲である。なかなか地上波歌番組での披露がなかったため、この選曲は大きな反響を呼んだ。

 「ご存知ない方もどうぞお付き合いください」と言いながら始まった「PIKA★★NCHI DOUBLE」のパフォーマンス。青春真っ盛りの楽曲を歌っていても、全く違和感がないのは、彼らの青春がずっと続いているからなのか。あるいは、当時の純真な心をいつまでも持っているからなのか。<自分を探して孤独に怯えて/共に過ごした/最高の退屈な日々>では、櫻井翔がメンバーを指差す。阿吽の呼吸のように、手を挙げるタイミングまでピッタリだ。そうしたパフォーマンスから、彼らが約20年間積み上げて来た「絆」が感じられる。

 同曲は、ファン投票で楽曲が決まるコンサート『アラフェス』でいつも上位にランクインしている。<いつまでも語り続ける/永遠と希望の歌を/たとえ今だけと分かっていても>など、今の嵐の儚さに合致するフレーズもたくさんあり、彼らがいま、ファンに伝えたい想いをこの曲に託したのではないか。

 <動き始めた列車の中に/いつでも君はいるから><あの時あの場所で また会えるかなぁ>とカメラに向けて歌う彼らの、力強くどこか優しい眼からは伝わってくるものがあった。いつも、“みんなの嵐”だった5人が、この曲の間は“ファンだけの嵐”になっていたのかもしれない。そんなことを感じたパフォーマンスだった。

お決まりの下剋上コントも

 司会の中居正広とのトークも、話題を集めた。中居がMCを務めていた『うたばん』(TBS系)でおなじみとなっていた、大野智が繰り広げる「下剋上コント」。中居が、「色んな人の歌を聞いて自分も元気もらうのと同時に、僕も久しぶりに歌ってみようかなと思っちゃったんですよ。大野くん、どうですか?」と振ると、大野が「お前は歌うな」とお決まりの返し。それを慌てて嵐のメンバーが止める。昨年の『音楽の日』でも披露されたこのやり取りは、多くの反響を集めた。

 活動休止が約半年後に迫っている嵐。ともに司会を務めていた安住紳一郎TBSアナウンサーが、「これが(来年は)見れなくなると思うと寂しいなぁ」と呟くシーンも。パフォーマンス後には、5人へ向けて「濃密な日々をお送りください」と声を掛けた中居。その言葉にうなずく彼らの姿が印象的だった。

 終わる時間が分かっているからこそ、儚い。<限られた愛と時間を両手に抱きしめる/せめて今日だけは消えないで>。嵐と過ごせる限られた時間こそが、いつか振り返った時に最高の青春の日々だったと思うのかもしれない。【文・かなぴす】

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