梶裕貴「旅の思い出を、星空と一緒に
体感して」完成披露試写会レポート 
『梶100!』プラネタリウム企画がつ
いに実現(写真18点)

声優・梶裕貴がプロデュースしたプラネタリウム作品『Starry Globe 世界をめぐる星の旅』が、本日2020年7月17日(金)より、東京・有楽町マリオン9階の『コニカミノルタプラネタリア TOKYO』にて上映される。それに先立ち、7月16日(木)に同会場にて実施された完成披露試写会のレポートをお届けする。
加藤ちあき(監督)、梶裕貴、林ゆうき(作曲家)
完成披露試写会には、プロデューサーである梶と、音楽を担当した作曲家の林ゆうき氏、加藤ちあき監督が登壇。カンボジアの友人から梶に連絡が来たエピソードや、梶の「星を降らせちゃう声」が林を救ったエピソードなど、制作裏話で盛り上がった。
トークイベント後の試写会では、梶と林氏も客席でプログラムを鑑賞。上映後には拍手が起き、梶は改めて林氏や制作スタッフに感謝と感動を伝えていた。
念願のプラネタリウムプロデュースが実現
この企画は、CS「日テレプラス」チャンネルで好評放送中の番組『梶100!~梶裕貴がやりたい100のこと~』と、コニカミノルタプラネタリア TOKYOのコラボレーションで実現したもの。
Starry Globe 世界をめぐる星の旅
同番組で梶が「やりたいこと」のひとつとしてあげていた「プラネタリウム プロデュース」という夢が叶い、自身初のプロデュース作品『Starry Globe 世界をめぐる星の旅』(約40分)が誕生した。原案やナレーション、音楽、コラボメニューなど、梶の想いがたっぷり詰まった企画となっている。
『梶100!』フォトスポット
会場には『梶100!~梶裕貴がやりたい100のこと~』のパネルが設置され、フォトスポットになっている。番組のオープニングが思い浮かぶ。
「旅の思い出を、星空と一緒に体感してほしい」
梶裕貴/自身がプロデュースする『en.365°』の服に身を包み登壇
梶がプラネタリウムのプロデュースに興味をもったきっかけは、幼稚園時代の初プラネタリウム体験にあるそう。「実際にはこんなにも星空が広がっているんだ!とすごく感動した」と当時を振り返り、劇場含め特別な空間への憧れが原動力だったという。
以前にもプラネタリウムのナレーションを担当することはあったが、今回は企画・原案の段階から梶自身が手掛けている。“世界の星空旅行”というテーマを選んだ理由も、「自分がプロデュースさせていただく意味として、自分らしさって何かな?」と考えた際に、思い浮かんだのが「旅の思い出」だったことから生まれたそう。
これまでに世界20ヵ国を旅してきた梶は、「そのときの思い出を、星空と一緒に皆さんに体感していただけたらという思いがあって、自分がいままでに足を運んだ観光名所をピックアップしていきました」と語った。
カンボジアからの連絡にびっくり
梶裕貴
梶のなかでも印象的な旅のひとつに、2016年に初めての“ひとり海外旅行”となったカンボジア旅行がある。そのとき知り合った現地ガイドと連絡先を交換していたそうで、「ちょこちょこ連絡はとっていたものの、久しく途絶えていたんです。でも今回『梶100!』でプラネタリウムをプロデュースさせていただくというニュースが、カンボジアにも伝わったみたいで。そのガイドさんから、『今度プラネタリウムをプロデュースするんだね』という連絡が来ました。うれしくないですか!?」と、興奮気味に語ってくれた。
ちなみに、作品に登場するカンボジアの風景は、本作のための撮りおろし。ただ新型コロナウイルス感染拡大の影響で監督が直接現地に行けなくなってしまったため、代わりに現地のスタッフに安全を確保したうえで撮影してもらったのだとか。いろいろな苦労や人との繋がりを感じさせるエピソードが詰まった作品だけに、梶も監督も感慨はひとしおだ。

加藤ちあき(監督)、梶裕貴、林ゆうき(作曲家)/頭上に広がるのは、プラネタリウムのドーム
「振り返れば梶がいる現象」が作曲オファーのきっかけ

作曲を担当した林氏には、梶が直接オファーした。これまでも、『僕のヒーローアカデミア』、『ハイキュー!!』、『アオハライド』、『DIVE!!』、そして2020年放送の『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』など、梶が出演するアニメ作品に林が作曲家として参加しており、林曰く「振り返れば梶がいる現象」と呼ぶほどご縁のあるふたり。
梶裕貴、林ゆうき(作曲家)
梶は、「林さんはいろんな表情を音楽で魅せてくださる方。もちろん“林ゆうきの音楽”というものが芯にありながら、作品によって全く印象が違う音楽を作られている」と林氏の音楽の魅力を語り、「だからこそ、今回のいろいろな国を巡るというテーマに沿って、その土地土地の音楽を作ってくださる方は、林さんしかいない」と、オファーの決め手を語った。
「星を降らせちゃう声」が林ゆうきを救う
すると林は、楽曲制作の裏話として「作曲家失格だと思った」という“プチ事件”を告白。作曲するための資料として林が受け取った仮のナレーションがプロによるものではなかったため、作品のイメージがわかず「これでは星が降ってこない……」とすっかり頭を抱えてしまったそう。
梶裕貴、林ゆうき(作曲家)
そこで、「梶さんの声の質感や間に合わせて(音楽を)描きたかった」という林は梶に連絡。梶も、「そこまで本気に(作品と)向き合ってくださったことがうれしかった」そうで、自宅で仮ナレーションを録音し、林に送ったという。
梶裕貴、林ゆうき(作曲家)
「梶さんの声をいただいて音を乗せた瞬間、星が降ってきた」と林が言うと、梶も「星を降らせちゃう声ですね(笑)」と乗っかり笑顔に。ふたりの仲の良さとノリの良さ、なによりも信頼関係が伝わるエピソードだった。
「他のナレーターには絶対にできない」という自信
プラネタリウムという空間ならではのナレーションについて、普段よりも読むスピードやバランスを意識したという梶。また、それぞれの土地の温度や湿度、記憶を蘇らせながら読むことは、「自分がプロデュースしたからこそできることであり、他のナレーターには絶対にできない部分」と自信を込めて力強く語った。
梶裕貴
最後に、作品を楽しみにしている方へのメッセージが3人から贈られた。
「私たちがいつかまた自由に世界各国を行き来できるまでは、この番組で旅を味わっていただければうれしいです」(加藤監督)。「映像プラス梶さんの声の質感に合わせて作曲したことはいままでなかったので、まさにオートクチュール。ぜひこの空間で味わっていただけたらと思います」(林氏)。
そして梶は、自由やエンタメが限られたコロナ禍について憂慮しつつ、「それでも作品の上映はスタートします。皆さんのタイミングで楽しんでいただけたらうれしいです。素敵なチームで作品を作らせていただくことができました。自分が経験した内容で(プログラムを)プロデュースできて、音楽も自分の好きな人にお願いできて、それがプラネタリウムで体験できる。なんて幸せなことなんだろうなと感じました。その喜びを、ぜひ皆さんにも共有していただきたいなと思います」と語った。
加藤ちあき(監督)、梶裕貴、林ゆうき(作曲家)
●梶さんのカンボジア旅行の思い出は?
「アンコールワットで朝日を観るのが旅の目的のひとつだったので、その景色は焼き付いています。日本にいるときはまず行かないクラブにも、ガイドさんに引っ張られて行ったのですが、改めて僕には向いてないな……と。横にいた背の高い外国の方がリズムに乗って踊っていて、その方のグラスが僕にぶつかりビショビショになって帰ったという思い出があります(笑)。それも含めて楽しい思い出です」
●旅エピソードから感じた梶さんの印象は?
旅の楽しみ方は人それぞれ。だからこそ、その人らしさが出るのが旅である。梶の20ヵ国の思い出を聞いたという加藤監督が感じた梶の印象は、「素朴な方」。「カンボジアのクラブでのエピソードなど、小さな出来事の積み重ねや、その土地に寄り添った楽しみ方をしている印象」とその理由を語った。すると梶が、「言い方を変えれば地味ってことですよね……自覚あるので」と笑ったが、実は林氏も同じ地味タイプだそう。「林さんと僕は、名前以外にも似ていることがわかりました(笑)」と、Wゆうきの共通点をかみしめていた。
梶裕貴
●癒されすぎて眠くなる?
YouTubeの“梶裕貴チャンネル”で披露している梶の朗読動画が、その声に癒されすぎるあまり眠くなってしまうと、ファンの間で話題になっている。プラネタリウムでもその心配がないか聞かれた梶は、「本当に大自然や星空に包まれているような感覚を楽しむことができますし、横になって鑑賞できるカップルシート(『銀河シート』)や、リクライニングできるシートもある環境なので、正直眠くなってしまうだろうなとは思います。ただ、もうそうなったら“上質な眠り”ということで、ここでしか味わえない睡眠を(笑)。その代わり、元気のあるときにもう一回観に来ていただければ」と見事な切り替えでアピール。
すると加藤監督が、「制作裏話的には、“ここで眠くなるだろうな、でもこのシーンで目が覚めるだろうな”っていう箇所があるんです。そうやって作品全体の温度感を出しています」と打ち明けたため、「どこですか?! 声大きめにナレーションすればよかったかな(笑)」と梶もびっくりしていた。
加藤ちあき(監督)、梶裕貴
【レポート】本当に眠くなる?世界をめぐる星の旅へ
『Starry Globe 世界をめぐる星の旅』は、フランスのモン・サン・ミッシェル、カンボジアのアンコール・ワット、アメリカの自然豊かなハワイと大都会ニューヨークの、4つの旅の記憶をテーマに、その土地の美しい景色と星空を、ナレーションと音楽で楽しむことができるプログラムだ(約40分)。
「まさに海外旅行!」と実感したのは、贅沢な時間の表現。夕暮れから夜へ、夜から朝へ。刻一刻と表情を変えていく世界の美しい景色を、ただただ眺めるという幸せなひとときが体験できる。旅先ならではのくつろぎと満足感に満ちており、監督が語っていた梶の素朴さとは、つまりこういう時間を楽しめる人であるということにつながるのかもしれない。ほかにも、出会い、ハプニング、エネルギー…梶が旅先で何に感動したのかが、確かに伝わってくる。
穏やかなナレーションは、そのまま満点の星空旅行へといざなってくれる。見慣れない星々の下にいるというだけで、開放感に心がほぐれていく。その土地ならではの雰囲気を感じさせる音色は、夜空さえも鮮やかに彩る。プラネタリウムだからこそ見ることができる美しい演出の数々を、思う存分楽しもう。
また、旅好きの梶がこれまで語ってきた様々な旅エピソードを知っているファンであれば、別な意味でも楽しめるだろう。ついクスッと思い出し笑いしてしまうような見覚えのある景色や演出に、眠くなるどころかワクワクしてしまうはず。自分自身が行ったわけではないのに、なぜか知っている……という不思議な感覚もこれまた面白い。
コラボドリンクやオリジナルグッズの販売も。ドリンクの黒いジュレはマスカット味。夏らしいトロビカルなジュース(左)と、爽やかなカクテル(右)
「旅の思い出を、星空と一緒に体感してほしい」という梶の思いが確かに伝わってくるプラネタリウム作品『Starry Globe 世界をめぐる星の旅』は、7月17日(金)よりコニカミノルタプラネタリア TOKYO プラネタリウムドームシアター(DOME2)にて上映中だ。
取材・文=実川瑞穂 撮影=小森大輔

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