山口淳太監督「この作品の仕組の何か
ら手をつけていいのか分からなかった
」 ネタバレ厳禁映画『ドロステのは
てで僕ら』を語る

2020年6月26日(金)、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」の最新回に、『ドロステのはてで僕ら』を手がけた山口淳太監督が登場し、本作が制作されるに至った経緯や撮影秘話などを語った。MCを務めたのはライター・折田侑駿。
映画『ドロステのはてで僕ら』は、劇団「ヨーロッパ企画」の短編映画『ハウリング』をリブートした、劇団初となるオリジナル長編映画。これまでにミュージックビデオやテレビドラマの演出を務めてきた山口監督としても、本作が初めての長編映画への挑戦となった。この映画で描かれているのは、2台のテレビを介して映し出される“2分後の未来”。“時間”や“SF”をメインテーマとして扱ってきたヨーロッパ企画が手がけた、まさに“時間SF映画”だ。合成を一切使用せず、全編長回し撮影で“タイムトリップ”を映像化している。
本作で長編デビューを飾ったことに関して、「ヨーロッパ企画の代表であり、本作の原案と脚本を手がけた上田誠さんからも『頼むぞ』と言われ、クラウドファンディングも思いがけず一日で目標額に到達したので、プレッシャーしかなかったです」と語る山口監督。続けて、「上田さんが監督した『ハウリング』をご覧いただいたうえで本作を観ると、演出の違いなどが分かると思います。僕は明るく可愛らしい世界観が好きなんです。この2分の時差で繋がる“タイムテレビ”というものがすごい発明なので、そこがより伝わりやすい作品になるよう意識しました」と語っている。
配信番組「活弁シネマ倶楽部」
本作に対して、「説明するのが難しい……」と口にしているMCの折田。彼は「すごく面白かったのですが、僕自身が物理系に弱く……本作で描かれる過去、現在、未来の関係に混乱してしまった」とも正直に述べている。いち映画を語る者として、恥じらいもあるようだ。これに山口監督は「僕もまったく一緒です。上田さんの書いた脚本を初めて読んだとき、そこには“ストーリー”があるので、なんとなく理解はできるんです。でも、『これを作らないといけない』となると、この作品の仕組の何から手をつけていいのか分からなかった」と苦笑しながら告白している。その後、まず上田が山口監督に“ドロステ塾”を開講し、次にメインスタッフ、そしてキャスト陣と、講義が何度も行われたようで、そこでの様子も仔細に語っている。
そのほか、本作の大きな見どころである“長回し”や、“劇団で一丸となって映画を作ることの強み”、バレーボウイズによる主題歌『タイトルコール』の起用理由についてまで、つまびらかに監督は語っている。「“ドロステ”の魅力のヒミツを探るためには、間違いなく必見の収録回」だというが、ネタバレ全開で語られているので、「必ず先に映画を観てから」動画を見るのがおすすめだという。

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