長い時間をかけて制作された
グレッグ・オールマン
初のソロアルバム『レイド・バック』
ブッチ・トラックスとの邂逅
このザ・31st・オブ・フェブラリーはドラマーがブッチ・トラックスで、他スコット・ボイヤー(この後、カウボーイを結成する)、デビッド・ブラウン(この後、ボズ・スキャッグス・バンドやサザンロック周辺で数多くのセッション活動を行う)の3人組で活動していた。
デュアンはサザンソウルのスタジオミュージシャンとして活動しながら、新しいグループのメンバーを探していた。そして、ロスにいるグレッグをデュアンが呼び寄せる頃には、オールマン・ブラザーズ・バンドのメンバーは決定していた。また、ちょうど同じ頃、ロジャー・ホーキンスやデビッド・フッドを擁するマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオも始動している。その第一弾アルバムはシェール(後にグレッグと結婚する)の『3614ジャクソン・ハイウェイ』(‘69)である。
69年11月には記念すべきオールマン・ブラザーズのデビューアルバム『ザ・オールマン・ブラザーズ・バンド』をリリースし、ロックに新たな歴史を刻むことになった。翌70年になると、デュアンはデラニー&ボニーのレコーディングをはじめ、デレク&ザ・ドミノスの『レイラ』のセッションに参加するなど精力的に活動を行ない、またオールマンズの2ndアルバム『アイドル・ワイルド・サウス』をリリース、このアルバムでサザンロックは完成したと言っていいだろう。
グレッグは折を見てソロアルバム向けのリハを行なうものの、なかなか自分の思ったサウンドにはならず、やり直しの日々が続いていた。