【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#150
ミュージシャン・横山剣の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

結局自分が好きか嫌いかしかない

より

2018年11月16日に発行された横山剣の著書『僕の好きな車』(立東舎)。インタビューでは、この本で貫かれている彼の“グッドセンスの源泉”を探っている。横山は、「大事なのは今の世の中に響くこと。現代と互換性のあるものだけを過去から持ってきたい。それで僕なりにカスタマイズするんです」と語っている。インタビュアーは、「剣さんは、いろんなことを参考書的にインプットしているのではないところが面白いですね」と指摘すると、「だって何が正解かなんてわからないですからね」と答え、それに続く言葉が今回の名言。そして、「誰かのために何かをインプットするなんて馬鹿馬鹿しいじゃないですか。〈中略〉今の時代に通用する過去のカッコいいことを、脳内で都合よく作り変えちゃう。クレヨンしんちゃんみたいに」と横山。クレヨンしんちゃんとは、アニメ映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』のこと。映画が終わる頃には、「涙も鼻水もダーダーに出ちゃってましたね」という意外なエピソードからも、感受性の豊かさ伺える。

横山剣 (よこやまけん)
1960年7月7日生まれ、神奈川県横浜市出身。ミュージシャン、クレージーケンバンドのボーカル、作曲家、プロデューサー、レコード会社ダブルジョイレコーズの代表取締役。1978年、ロックバンド クールスの第2期とされるクールス・ロカビリークラブのローディーとなる。1981年、クールスの第3期とされるクールスRCのボーカリストとして参入。自らが作曲した「シンデレラ・リバティ」がデビューシングルとなる。1984年、クールスRCを脱退し、元ラッツ&スターの山崎廣明らとダック・テールズを結成するが、約1年半で事務所から解雇される。1990年、ZAZOU(ザズー)を結成。1991年、CK’sを結成。このバンドが後のクレイジーケンバンド(以下、CKB)の原型となる。1995年、自社レーベルのダブルジョイレコーズを設立。1997年、CKBを結成。1998年、アルバム『PUNCH!PUNCH!PUNCH!』でCKBデビュー。2002年、「タイガー&ドラゴン」をリリース。2005年に、同名テレビドラマの主題歌に採用されスマッシュヒットとなる。作家としても、和田アキ子をはじめ、八代亜紀松崎しげるSMAPTOKIOなど、多くのアーティストに楽曲を提供している。横浜市資源循環局のプロジェクト『ヨコハマはG30』のテーマソング「いいね!横浜G30」と横浜市立みなと総合高等学校の校歌の作曲も担当している。2020年6月24日、「IVORY」「だから言ったでしょ」など新録曲を収録したシングル『IVORY ep』を発売予定。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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