【インタビュー】劇場版『ONE PIECE
STAMPEDE』田中真弓&山口勝平 離れ
ていても心は一つ「しゃべり方や間の
取り方が自分の中に入っている」後編

 前編では映画本編の話を中心に、収録時の裏話や原作、そしてアニメシリーズの楽しみ方を知ることができた。後編ではアニメシリーズの振り返りや、収録中の裏話に加えて、麦わらの一味とスタッフの仲だからこそ起こるハプニングなどを、ルフィ役の田中真弓とウソップ役の山口勝平に聞いた。
-アニメシリーズ20年の中で特に印象に残っていることはありますか。
田中 (ロビン役の)山口由里子さんって本当に変なことを言う人なんですよ。
山口 すごく真面目なシーンで「巨大兵器の設計図」を「きょだいせいきのへっけいず」ってロビンの声で言ったり。
田中 最近だと「大衆浴場」のことを「大衆食堂」とか言い出すんですよ。
山口 間違い方が天才的だよね(笑)。
田中 何をしでかすか分からないから、由里子から目が離せない。
山口 「20年も演じてきたら、それぞれキャラクターに似てきますよね」って話をしようとしたのに、全然違う話になっちゃった(笑)。
-やはり長く演じていると似てくる部分は出てきますか。
田中 (ナミ役の)岡村明美ちゃんは一番若いのに一番しっかりしている。ちゃんと決めなきゃいけないことがあるのに、ふざけちゃうのが2人(田中・山口)いても上手に軌道修正してくれます。
山口 幼稚園の真面目な子みたいにね。(サンジ役の)平田(広明)さんは料理がすごく上手だし、メンバーの誕生日を覚えていてプレゼントをさりげなく贈ってくれたりします。
田中 サンジみたいな人だよね。でも中井(和哉)くんはゾロみたいではなくて、マイクの前に立つと堂々と立つのに、出番が終わっていすに座ると内股で消え入るように「僕に触れないで」ってオーラを出しています。
山口 でも、役に対してストイックなところはゾロみたいだよね。やっぱりどこか似てきます。
田中 矢尾(一樹)ちゃんとフランキーは完全に同じ。いつもパンツ一丁な感じ。
山口 (笑)。矢尾さんは夏になると裸族に近い格好をしていますから。チョーさんもすごくブルックっぽいよね。
田中 いつもひょうひょうとしているよね。育ちゃん(大谷育江)は「前に子ども時代のサンジを演じたからもう自分は他の役で出られないって思っていたから、チョッパー役に抜てきされたときはびっくりした」って言っていました。
-では、一番印象に残っている話はありますか。
山口 僕はやっぱりメリー号をめぐってルフィと言い争うところです。
田中 あのとき、一番最初のテストの演技が採用されたんだよね。
山口 そう。テストの段階で2人の言い合いを録音してくれていて、スタッフから「それでOKです」って言われました。
田中 すでに出来上がっていた絵と演技が合わない部分があったけど、そこは「絵を書き直します」って言ってくれて。
山口 でも、最後のゾロの「迷うな」ってせりふに全部持っていかれたよね。
-ワンピースのキャストの皆さんは、尾田栄一郎先生や制作陣と距離が近い印象がありますが、ネタバレなど聞こえてしまったりすることはありますか。
山口 予期しないところでネタバレがあったりするよね。
田中 聞きたくないことね。たまたま聞いちゃったことはあったよね。
-最後に、ファンの皆さんに一言お願いします。
山口 僕たちも先の展開を知っているわけではなくて、ファンと同じ目線でずっと物語を追い掛けているので、原作ではワノ国に入って少し物語の核心に触れる部分が見え出してきているので、この先はどうなるんだろうとドキドキしています。でも、それで演技が変わるわけではないので、今まで通り面白い作品作りができるようにしていきたいです。
田中 東映さんにはペラペラの実の能力者がいっぱいいるので、よく「(展開を)言おうか?」って言われますが、私自身どういうふうに物語が展開していくのか楽しみにしていますので、ファンの皆さんも一緒ドキドキしながら楽しみましょう!
(取材・文・写真/丸山有咲)

エンタメOVO

新着