武藤彩未

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【武藤彩未 インタビュー 2】 約5年
ぶりのリリースに至るまで「留学から
戻って1年は自分でライブハウスをお
さえて歌っていました」

さくら学院」の初代生徒会長を務め、グループ卒業後はソロで活動している武藤彩未さんが4日にミニアルバム『MIRRORS』をリリースした。今回は、このアルバムが発売されるまでの約5年間のことについて語ってくれた。

■ミニアルバムについて詳しく語ったインタビューPart.1
--ソロ歌手活動も順調だった中で、10代のおわりから海外留学をされたわけですが、それは歌手としてステップアップしようという思いから?
「いえ、留学前にすべてリセットして行きました」
--当時の事務所も退所したようですね。
「はい。戻ってきてから何があったわけではなく、でも歌いたいという気持ちはあったので、自分で何かできることはないかなと考えていたときに、自分でライブをしようと思って、会場も自分で探していました。自分で電話して会場を予約して、完全に自分主催で……」
--今の事務所が決まる前でずっとそう?
「そう、1年間はその形でライブをしていました」
--それはすごい!
「でもライブを重ねるうちに、自分一人でやるにはライブまでが精一杯だなと思って、次のステップとして曲をリリースしたいなと考えたときに、ご縁があって今の事務所でお世話になるようになりました」
--一人で活動している時代の告知などは?
「当時twitterだけはやっていたので、それで『ライブをやります』という発信をしてお客さんがそれをみつけて来てくださいました。チケットの発券も自分でやったり、グッズ販売は幼馴染の友達が手伝ってくれたり、お母さんもいろいろと手伝ってくれたり、全部自分の身内でやっていました」
--そのバイタリティは海外経験も大きい?
「そうですね。行動力はつきました。自分から何か動かないと何も始まらないので、語学もそうだし、友達もゼロのところから始まったので、自分から輪を広げていかなければならないし。いったん音楽から離れて、自分を見つめ直すことで、改めて歌をやっていきたいという気持ちが強くなったので、その気持ちがあったから帰ってきてからも自分だけでできたのかなと思います」
--それにしても留学に行く前に完全リセットとは、思い切った決断でしたね。
「そうですね。音楽の世界に絶対に戻ると決めていたわけではないので。行ってみて決めようと。そしたら仕事に関係なく、毎日歌っていたので、“歌が好きなんだ”ということを確信できて、戻ってきたからもう一度歌おうと思いました。今はこの判断が良かったなって思います!全てが繋がっていて、無駄なことは何もないと思います」
--留学中は音楽面で勉強したことは?
「現地でライブはよく見に行きました。また英語の勉強を1年くらいやって慣れてきたところで、現地でボイストレーニングにも通いました」
--留学期間中にファンの人に向けての発信は?
「ちょこちょこツイートして、たまに曲もアップしていました。でも1、2本くらいかな(笑)。ファンの方にはただただ待たせてしまいました」
--歌手・武藤彩未としての今後の目標は?
「ライブをしながら新曲をどんどん作っていきたいです。私には『武道館に立ちたい』という目標があるので、そのためにはもっと輪を広げていかなければならない。ワンマンライブももちろんなんですけど、フェスとかイベントとか対バンとか、私のことを知らない人にもどんどん見てもらえる機会を作っていきたいです」
--アイドル系の対バンイベント出演なども?
「はい。もしお話があるなら、スタッフさんと相談して決めたいと思います」
--前回もうかがいましたが、“アイドル卒業”というわけではないんですね。
「アイドルをやめましたということではなく、シンガーとして認めてもらえるようになりたいという気持ちが一番強くあって。でもアイドルって決めるのは私じゃないと思っています。見てもらっている人にとってアイドルかアイドルじゃないかということなので、私自身は歌をしっかり届けられていればそれでいいと思います。逆にいえばどっちでも通用する存在になりたい。今まではアイドル色の強い活動をしていたので、いろんなことに挑戦したいです!」
--尊敬する松田聖子さんも自分で“アイドル”と称していたわけでなく、その年代に合わせた歌を歌い続けて、若い年代のときに周りがアイドルと呼んでいたわけですからね。ところで聖子さんと会ったことってあるんですか?
「実は昔一度あるんです。その頃はまだ歌をやる前、キッズモデル時代に、松田聖子さんがプロデュースされていた着物のファッションショーのモデルを募集してて、お母さんが松田聖子さんの大ファンだったので応募したら受かって、聖子さんがデザインされた着物を着て一緒にランウェイを歩きました」
--そのときはどちらかというと……。
「お母さんが興奮しちゃって。私は『この人がお母さんの好きな人か』くらいにしか思ってなかったです。改めて歌のステージに一緒に立てるように頑張ります!」
--5月22日に久々のホールワンマンライブが日本橋三井ホールであります。
「今回は『MIRRORS』をリリースし、新たな出発点という意味合いのライブ。今リリースイベントも続々中止になってしまいましたが、その分このライブを盛り上げたいと思います。生バンドで、音がきれいなので、いいライブになると思います」
--今後の音楽の方向性としては?
「シティポップス寄りな音楽は、ファンの人も気に入ってくれているようなので、そっちを極めていければと思います。シティポップスがメインであるんですけど、いろんなジャンルの曲があるので、その路線は変わらずに、いろんなタイプの曲を歌っていきたいと思います」
--趣味で聴く音楽は今も1980年代のものが多い?
「最近は勉強のためにいろんなジャンルの曲を聴くようになりました。80’sに偏りすぎず、同世代の人の曲だったり、洋楽も……」
--その他プライベートで凝っていることは?
「アナログ盤のレコード集めをしています。レコードプレーヤーを買ったので。持ってるのはやっぱり聖子ちゃんのものが多いです。聖子ちゃんのシングルはほとんど持ってます。日本橋三井ホールのライブでは私の『MIRRORS』もアナログ盤で発売することが決まりました。自分の音源もアナログ盤になるのが嬉しいです!」
--アナログ盤に凝るようになったきっかけは?
「お父さん、お母さんの影響が大きいですね。最初はかけ方、針の落とし方もわからず、雑にやって怒られていました(笑)」
--最後にファンの方に改めてメッセージを。
「今回ミニアルバム『MIRRORS』を発売できました。約5年待たせてしまったので、ここからはその分を埋めるくらい走っていきたいと思います。新曲もたくさん聴いてください! よろしくお願いします」
武藤彩未(むとう あやみ)
1996年4月29日生まれ、茨城県出身。幼少期からキッズモデルとして活躍。2010年からは女子小・中学生によるユニット「さくら学院」の初代生徒会長(リーダー)として活動。卒業後はソロ活動を行い、ライブやCDリリースを行ってきたが、2015年末で芸能活動を休止。海外留学へ。昨年末に活動を再開。12月にライブを再開するとともに、5年ぶりの新曲『雨音』をリリースした。

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