【令和に輝け!】新時代を駆ける注目
のアーティスト紹介 #2 DJ moe

令和のダンスミュージックシーンを牽引する、平成生まれの新世代アーティストをピックアップ! TREKKIE TRAXに続く第二弾は、国内外で活躍するDJ moe。彼女の意外なルーツ、そして今、さらには今後についてたっぷりと聞いてみた!

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2019年はTomorrowlandに出演!

——2019年はヨーロッパツアーを敢行し、「Tomorrowland」にも出演と素晴らしい1年だったのでは?
DJ moe:ヨーロッパには1カ月くらい行っていたんですけど、長いようで短いようで長くて(笑)。オランダ、ポルトガル、ベルギー、ドイツに行っていろいろな経験ができました。ただ、もはや修行というか……楽しむという感じはほとんどなく(苦笑)

——どこの国が良かったですか?
DJ moe:個人的に好きなのはオランダですね。とても居心地が良くて、食事も一番美味しかったし。あとはポルトガルも。リスボンはスゴく都会で、私は都会が好きなんだな〜って再確認しました(笑)
——「Tomorrowland」はどうでした?
DJ moe:ある種の集大成のつもりで、私の思いが少しでもお客さんに伝わったらいいなと思ってプレイしました。早い時間でしたけど、楽しんで踊っている方もいたので良かったです

——「Tomorrowland」と言えば世界中のトップアーティストが出演していますが、刺激的だったアーティストはいました?
DJ moe:Netsky(ネットスカイ)がヤバかったですね。初めて見たんですけど、かなり衝撃的で。ドラムンベースのイメージですが、最近はポップスも作っていて、それをセットに結構取り入れていて。ただ、後半はメチャクチャ飛ばしていて、それがすごくカッコ良くて、日本に帰ってきてからちょっとマネしてました(笑)

——ドラムンベース好きなんですか?
DJ moe:好きですよ。もともとジャングルとか好きだったんですけど、ネットスカイ見てからは特に(笑)。日本でもドラムンベースのパーティーに遊びに行ったことありますし、もしかしたらそれが一番踊ったパーティーかもしれない。ただ、海外では日本以上にドラムンベースが盛り上がっていますよね。あとはハードスタイルも

——ネットスカイ以外ではどうですか?
DJ moe:Young Thug(ヤング・サグ)やAlison Wonderland(アリソン・ワンダーランド)、あとはJauz(ジョーズ)とか……たくさんいます。スゴかったことが1つあって、会場内では出演者は裏からボートで移動できるんですけど、そこでヤング・サグと同じボートに乗ることになって……。でも、圧倒的なカッコ良さで結局話せず……あれは超貴重な体験でした(笑)
——ヨーロッパツアーで影響を受けたことはありますか?
DJ moe:向こうではハウスやテクノが人気で、もともと私も好きでしたけど、より一層興味を持ち始め最近よく聴いています

——どんなアーティストを聴いているんですか?
DJ moe:最近はFloating Points(フローティング・ポインツ)とか……いろいろ聴いていて、辿り着いたのがそこだったんですけど、すごく前衛的でカッコいい。ただ、フェスではかけられないかもですが(笑)。私、基本的に音楽は全部好きなんですよ

DJ moeのルーツ…高校時代はギャルサー
で活躍!?

——小さいころはどんな音楽を聴いていたんですか?
DJ moe:小学生の頃は普通にアイドル系が好きでしたし、同時に父がギターをやっているので家ではThe Beatles(ビートルズ)とかがよく流れていて、そういったのも好きでした。あとはクラシックもやっていて……当時から何でも聴いていましたね。それで中学生のときにEDMが流行して

——完全にEDM世代ですね。
DJ moe:そうですね。きっかけはLMFAOの“Party Rock Anthem”。あれは本当に衝撃的で。最初はポップスが中心でしたけど、徐々にNicky Romeroニッキー・ロメロ)やMartin Garrix(マーティン・ギャリックス)とかを聴くようになって……昔から音楽を掘るのは好きでした
——高校時代にはギャルサークルに入っていたと聞いていますが。
DJ moe:入ってました(笑)。漠然と音楽に関わることがしたいなって思っていたときに、とあるミュージックビデオでDJの姿を見て“これだ!”って思ったんですよ。それで、友達からサークルに入るとDJを教えてくれるよって言われて(笑)

——周りにDJをやっている人とかいました?
DJ moe:サークルの中にはいましたけど、その他は全然でしたね。でも、その頃から渋谷とかではTREKKIE TRAXの人たちがDJしていて。今さらですけど、その世界を早く知っていれば……とは思います

——人前で初めてDJしたのはいつですか?
DJ moe:サークルのイベントですね。年に2回、ファッションショーと一緒にイベントをやっていて、1000人ぐらい集まっていたのかな。そこで初めてDJしたんですけど、最高に楽しかった記憶しかないです(笑)

——何をかけたか覚えてます?
DJ moe:それは覚えてます。“Party Rock Anthem”はもちろん、Chris Brown(クリス・ブラウン)やNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)とか……ギャルがアガる曲ばっか(笑)。ただ、そこ以外にDJをできる場所がなくて、とりあえず日々練習していました

——そこからどうやってクラブでDJすることに?
DJ moe:きっかけは私にDJを教えてくれた先輩がクラブでもDJをするようになって、私もたまにやらせてもらって。頑張って集客とかもして

——最初はやっぱり大変でした?
DJ moe:大変でもあり、楽しくもあり、ですね。ただ、オンナだから……みたいな気持ちになったことも正直あったし、私の居場所じゃないかも……って思ったこともあったんですけど、そんなときにTREKKIE TRAXのSeimeiさんに会って、ちょっと変わった気がします

——それはどんなふうに?
DJ moe:高校を卒業してずっとEDMだったんですけど、その頃ダブステップやフューチャーベース、トラップとかを聴き始めて、そのミックスをMixcloudにアップしたら、Seimeiさんが聴いてくれてブッキングしてくれるようになったんです。そしたら、ベースミュージック界隈のコミュニティと繋がって、こういう世界もあるんだって気付くことができて。そこからまたDJにハマり出したんで、今の私があるのもSeimeiさんのおかげ(笑)

——ベースミュージックのどんなところに魅力を感じたんですか?
DJ moe:昔からメランコリックな感じが好きで、あとはフューチャーベースやトラップの少しダークな感じに惹かれました。そもそものきっかけはFLUME(フルーム)。Disclosure(ディスクロージャー)の“You & Me”のリミックスを聴いて、そこから掘り下げていった感じです

海外フェスでもプレイするDJ moeの一番
の思い出は…

——DJを始めたときに不安はなかったですか?
DJ moe:最初は好きなことがしたいって思いだけで全然なかったかもしれない……というか、何も考えていなかったのかも(笑)。逆に今の方がいろいろ考えるようになって、例えば将来のこととか……当時の無敵状態が信じられない(笑)

——将来に悩んでいる?
DJ moe:最近いろいろな音楽を聴いて、知識も増えてきて、DJ以外にも興味が沸いてきたんですよ。音楽を続ける=DJだけじゃないというか、プロデュースや曲作りももっと勉強したいと思っていて

——目指しているアーティストとかいますか?
DJ moe:参考にしている人はいますけど、誰かのようになりたいとかはないです。見せ方がうまいなって思うのはGrimes(グライムス)。自分自身のプロデュースが上手で、ポップスをやりながらアンダーグラウンドなこともする、その中間的な立ち位置はいいなって思います。ただ、私は欲張りなので、どっちも違和感なくできるのが最高。何でも絞ることが苦手で、好きなものとかやりたいことも増えていくばかり。それが悩みでもあります(笑)

——まだまだそれでもいいと思いますけどね。
DJ moe:そうなんですけど……1つのことにこだわるのも魅力的だなって思うんですよ。テクノならテクノとか突き詰めている人は強い、でも私にはそれがなかなかできなくて

——DJとしては昨年のヨーロッパツアー、その前には「ULTRA JAPAN」に最年少で出演しています。
DJ moe:あのときは何も怖がることなく、ただただ好き勝手やらせてもらった感じ(笑)。でも、お客さんの反応がスゴくよくて、手応えを感じたのを覚えてます
——ULTRAはKOREAやEUROPE、「EDC CHINA」などにも出演されていますが、やっぱり日本とは違いました?
DJ moe:基本的にはそんな変わらないと思いますね。DJのやりやすさで言えば、やっぱり日本ですけど、違いというと……お客さんのお酒を飲む量ぐらい(笑)
——今までで一番印象に残ってるいるフェスやパーティーは?
DJ moe:う〜ん……渋谷のLOUNGE NEOで初めてDJをしたときですかね。Masayoshi Iimoriさんと一緒にゲストで呼んでもらって、その他にもMaruちゃんとかHerbalistekも出てて、そのパーティーがスゴく良かったんですよ。ベースミュージックでこんなに踊ってくれる人がいるんだ、共感してくれる人がいるんだって気付くことができたのがそのパーティー。ここが居場所だ〜って思ったんですよね。ただ、当時Iimoriさんは全然目を合わせてくれなかったですけど(笑)

DJ moeの理想…DJでオーディエンスと自
分を泣かせること!?

——普段DJをするときに意識していることは?
DJ moe:単調になりすぎないこと。ダブステップやトラップはメロディもあまりないし、一辺倒になりがちなので。あとは、もともとエモーショナルな音楽が好きなので、気分や感情に響くように……というか、泣きそうになるようなプレイを心掛けています。私、音楽を聴いて泣くんですよ……その思いをDJにも反映させたくて

——DJでオーディエンスを感動して泣かせたいと。
DJ moe:そういうわけではなく……むしろ自分が泣きたいのかもしれない(笑)

——どんな曲で泣くんですか?
DJ moe:The xx(ザ・エックス・エックス)とかThom Yorke(トム・ヨーク)。あとは宇多田ヒカルさんとかでも泣きます、“忘却”とかで。泣く基準としては鳥肌がたつ音楽ですね。EDMでも泣いたりしますよ、それこそCalvin Harris(カルヴィン・ハリス)とか

——最近注目しているアーティストは?
DJ moe:注目というか……よく聴いているのは日本のラッパーのTohji君やイギリスのslowthai(スロウタイ)。あとはRex Orange County(レックス・オレンジ・カウンティ)とか……Tohji君とスロウタイはDJでもプレイしてます
——ダンスミュージック系では?
DJ moe:Ship Wrek(シップレック)とかかな。ベースハウス系なんですけど、最近Wuki(ウキ)とかとやったりしていていい感じです。あとはフローティング・ポインツやMija(ミハ)。彼女は私のやりたいことと似ているというか……すごくジャンルレスで自分のバックグラウンドやそのときに好きなものを自由にかけていて、それを違和感なくできるところは見習いたいです
——DJの魅力とはなんでしょう?
DJ moe:あまり考えたことなかったですね……もう当たり前のように、ただただ楽しいと思ってやっていたので。しいて言うなら、他人の曲で自分の世界が作れたり、繋ぐことで新しいものができること。それってスゴイことだと思います

これからのDJ・アーティストへ…DJ mo
eからのアドバイス

——今のダンスミュージックシーンについてはどう思ってます?
DJ moe:前よりお客さんが増えて、若い人も増えた印象があります。それでもまだ日本ではジャンルによって偏っているというか、カテゴライズされ過ぎている感じもします。ハウス・テクノのパーティー、EDMのパーティー、カルチャーっぽいパーティーとか。しかも、日本人のお客さんが遊びに行くときの選択肢って、クラブかアーティストがほとんどだと思うんです。それだけにパーティーがもっとごちゃ混ぜになって、いろいろな人が自由に遊べればもっと楽しくなるのかなって思います。以前に比べれば、そういったパーティーも増えたと思いますけどね

——音楽人生に影響を与えた1曲を選ぶとすると何でしょう?
DJ moe:やっぱりフルームの“You & Me”ですかね。全てのきっかけの曲なので。あとはダンスミュージックじゃないですけど、Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)の「Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not」。20代になって初めて聴いたときに衝撃を受けて……当時スゴく煮詰まっていたときにこれを聴いて初期衝動が蘇ったんです
——普段はどんな曲を聴いているんですか?
DJ moe:ダンスミュージックも聴きますけど、ヒップホップやポップスの方が多いですね。やっぱり違う刺激が欲しくなる(笑)

——音楽以外に趣味とかは?
DJ moe:最近はギターで、実は今練習しています。ヒップホップのシーンとかでもちょっと流行ってますけど、ギターサウンドってスゴく効くなって思って。ギターが弾けるようになれば私の音楽性の幅も広がるかなと。あとは、ちょいちょいランニングしています。無になれるのがいいんですよ。それにDJって体力も必要、ヨーロッパに行って実感しました。パフォーマンスも体力があるかないかじゃ全然違う。海外のDJってみんな体力あって、マッチョですよね。私はあそこまで頑張ろうとは思わないけど、体力はあるにこしたことないなって思います

——今後の展望を教えてもらえますか。
DJ moe:今までDJとしてやってきて、今後ももちろん続けていきたいですけど、やっぱりアーティストとしても活動したい。そのために今努力しているので楽しみにしていてほしいです

——最後に、これからDJ・アーティストを目指す人たちにアドバイスをお願いします。
DJ moe:私自身にも言えることなんですけど、やりたいことはやってみること。何でも始めることが大変で、始めてしまえばなんとかなったりするので、まずはやってみる。DJもそう。始めたらきっと没頭しちゃうと思うので。あとは、自分のスタイルや軸を決めること。あるかないかじゃ大違いなので、まずは自分でそれを見つけることが大事だと思います
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