【この2.5次元がすごい】常に進化し
続けるテニミュの世界 3rdシーズン
最終決戦を振り返る

(c)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト(c)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会 2.5次元ミュージカル(ストレートプレイも含む)を代表する作品ともいえる「テニミュ」ことミュージカル「テニスの王子様」。テニミュが初めて上演されたのは2003年ともう17年も前です。テニミュ以前にも漫画を原作とした舞台はありましたが、男性のみのキャストたちが人気スポーツ漫画を原作にしたミュージカルを行うという点も新しく今では2.5次元ミュージカルのことを知らない人にも高い認知度がある作品です。
 1stシーズン、2ndシーズンを経て、先日最後の本公演の千秋楽を迎えたのが3rdシーズンです。今回はミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン_全国大会_青学(せいがく)vs立海_後編にフォーカスを当てていきます!
2014年から始動した3rdシーズンがついにフィナーレを迎える
 テニミュはそのシーズンごとにただ同じ物語をなぞっているだけではないのが大きな特徴。今までテニミュには登場していなかったキャラクターの出演や、学校ごとのイベントや文化祭の開催など継続してワクワクと応援することができ、私も新しい情報が発表されるのが楽しみな作品です。
(c)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト(c)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会 15年2月の「青学(せいがく)vs不動峰」から始まった3rdシーズンの本公演。今回がついに最後の戦いということで結末を知っていても期待が高まります。決勝戦の試合開始時刻が近づいても阿久津仁愛さん演じる青学(せいがく)の1年生・越前リョーマの記憶が戻らないというところから舞台は始まります。そこに現れるのが今までリョーマと試合を繰り広げてきた他校のライバルたちです。ライバルたちと試合をすることでリョーマは記憶を取り戻していきます。今までの熱い試合を思い出した人も多いのではないでしょうか? ライバルたちと向き合うリョーマ。そんななかでも華やかな試合と伸びやかな歌声を聞かせてくれたのが、三浦宏規さん演じる氷帝テニス部部長の跡部景吾です。原作でも高い人気を誇る跡部とリョーマが向き合い、歌い上げる姿は圧巻でした。三浦さんは公演前の会見で「関東大会氷帝公演から全国大会立海公演まで1人のキャストが跡部を演じたということが今までないので、最後まで演じられたことを自分にとって誇りにできるように、最後まで頑張っていきたいと思っています」と話していました。長く続くシーズンの中でキャラクターを演じるということへの特別な思いを感じながら演じきっているように感じました。
楽しむテニスと王者としてのプライドが舞台上で交差
(c)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト(c)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会 試合シーンではテニスボールを光や映像で表現し、超人的なテクニックを舞台上で表現しているというのも特徴。テニスボールの弾むような音とキャストのスピード感のある動きで試合が進んでいきます。この臨場感はやはり舞台の醍醐味。記憶を取り戻し決勝戦で戦うリョーマはもちろん、常勝チームとしてのプライドを持ち戦う立海の部長・幸村精市も勝利へ強い思いをもちコートに立っています。幸村を演じた立石俊樹さんは、絶対王者の立場として命がけで役に向き合っていたと言います。「“テニスを楽しむテニス”の“リョーマ対負けてはならないテニス”の幸村の戦い」と決勝戦を位置づけ、「身体だけではなく、精神的な戦いも繰り広げられるので、そういうドラマチックな部分も伝えたい」と話していました。どちらの戦い方もそれぞれの正義があり、どちらにも負けて欲しくない、という気持ちになりながらついつい手を握りたくなるようなシーンの連続でした。
(c)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト(c)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会 テニミュは主人公とライバルという立場はありつつも、どちらにも感情移入できる描かれ方をしているのでそれぞれのプレイヤーへの気持ち、推しの学校を応援したいという気持ち、そしてキャラクター間の絆などとにかく見所がたくさん。青春をテニスにかける彼らの姿を見ると、自分がいかにぼんやりと学生生活を過ごしていたのかとすら思わされました。
 もちろん、ミュージカルということで新曲5曲を含む楽曲をたっぷり楽しむこともでき、後半のライブパートも大満足でした。テニミュ3rdシーズンはこの後ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン_Thank-you Festival 2020を今月末に、ミュージカル「テニスの王子様」コンサートDream Live 2020を5月に控えています。今作の大千秋楽を終えて、今まで出演していたキャストの皆さんがSNS上で青学(せいがく)の優勝をお祝いしているのを見ると、長く続いている作品を通して絆を感じることができました。そしてこれからも進化し、続いていくであろうテニミュに引き続き注目していきたいと思います!

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