L→R 白山治輝(Ba&Cho)、小川真司(Gu&Cho)、田中駿汰(Dr&Cho)、森 良太(Vo&Gu)

L→R 白山治輝(Ba&Cho)、小川真司(Gu&Cho)、田中駿汰(Dr&Cho)、森 良太(Vo&Gu)

【Brian the Sun インタビュー】
心のパーセンテージを
多く占めるのは、やっぱり音楽

前シングル「パラダイムシフト」から3カ月という早いペースでリリースするミニアルバム『orbit』は、混じりっけなしのBrian the Sunが感じられる作品に。全曲の作詞作曲を手掛ける森良太(Vo&Gu)が語ってくれたのは、ますます研ぎ澄まされてきた音楽に対する想いだ。

独占欲や分かり合いたいという
気持ちは音楽に対してもある

ひょっとしたら「パラダイムシフト」のインタビューをさせてもらった時には、今回の作品のレコーディングはすでに終わっていたのですか?

いえ、まだ1曲もできてなかったです(笑)。昨年11月のメキシコ・ツアーに出掛ける前にデモを作って、メキシコから帰ってきてからプリプロをやって、12月の中旬にレコーディングっていうスケジュールでした。

じゃあ、短期間で一気に曲を書いたわけですね。

書いたようです(笑)。記憶があんまりないんですよ。メキシコに行ったことも含め、いろいろありすぎて。でも、書こうと思えば、いつだって書けるんです。出てきたものをコントロールする余裕はないですけど。だから、今回は“出てきたそのまま”っていう曲になっていて。でも、粗削りでカッコ良いものができたと思います。短いタームで書いているから、歌詞の内容はどの曲もなんとなく近いものがあるのかな。

混じりっ気のないBrian the Sunという感じがすごくいいですね。

迷いもなく書いたので。

さらに自然体になってきたというか、肩に力が入っていないというか、そんな印象もありました。

その通りですね。頭を使いすぎずに書きました。歌詞も出てくるままで、“こうしたほうがいいんじゃないか”なんて考えることなく書けたのが良かったですね。小細工はしていない。だからこそ、すごくプレーンな状態で曲が生まれてきて、プレーンな状態でレコーディングをしたから、これからライヴでやっていく中でどうなっていくのかが楽しみですね。まだ癖が出切ってない状態で、みなさんには聴いてもらうので、ライヴで聴いてみたら意外にロックだったとか、思ったよりやさしかったとか、そういうこともあるかもしれないです。ライヴでやるにつれて深みが増していく気はしますね。2曲目の「サーチライト」と5曲目の「スローダンサー」だけは、レコーディングする前にライヴでやっているんですけど。

お客さんの反応はどうでしたか?

初披露なのでノリノリではなかったですけど、Brian the Sunらしい曲を書いてくれたって思ってくれたんじゃないかな。

歌詞は出てきたものをそのまま書いたそうですが、男女の関係を歌った曲が3曲あるじゃないですか。いや、2曲なのかな。曲数はともかく、もともとそういう曲は歌っていましたけど、しばらくバンドのステートメントだったり、個人的なことにしても、森さんの人生観や死生観を歌うものが多かったことを考えると、また男女関係を歌うようになったのはどんな心境の変化があったのですか?

確かに、書いてから自分でもめっちゃそうだなと思いました。ただ、男女の関係というよりは、むちゃくちゃ恥ずかしい言い方をすると、音楽に対して書いているのかな。種明かしはあまりしたくないんですけど、女性に対してというよりは、音楽あるいはバンドに対するジレンマですね。心のパーセンテージを多く占めている事柄は、やっぱり音楽なんですよ。それを恋愛で比喩表現してしまった…みたいなことかもしれないです(笑)。

じゃあ、『MEME』(2019年3月発表の3rdアルバム)から歌っていることというか、常に心にあることはずっと変わらないと?

より真面目に考えていますね。それが良いことかどうかはちょっと微妙なんですけど、思い入れが非常に強いです、音楽に対しては。誰かの音楽に対してってことではなくて、音楽という文化に対しての思い入れがめちゃくちゃある。それが時に足枷にもなっているし、面倒臭いとも思うし。でも、考えずにはいられない…それって恋愛に似たところがあるのかもしれない。

それにしても、なぜ音楽の比喩が女性になったのでしょう?

音楽の神様ってギリシア神話では女性ですもんね。そういうイメージはちょっとありましたし、やっぱり恋焦がれるものって、それが音楽であれ、人間であれ、何かひとつの軸でつながっている気はするし。独占欲だったりとか、分かり合いたいという気持ちだったりとかは恋愛に限ったものではなく、音楽に対してもあるものだと思うし。一生振り向いてもらえないかもしれないし、振り向いてもらえるかもしれないしと思うとワクワクしますね(笑)。

周りからは“今回は恋愛の歌だね”と言われませんか?

いえ、まだそんなには。“Brian the Sunの王道だね”みたいなことは言われますけど、それは恋愛の歌を書いているという解釈で聴かれているからなのかな。そういうふうに感じてもらうのは全然いいんですよ。根底には音楽に対する思いがあるってことは、こういう話をしなきゃ誰も紐解けないじゃないですか。でも、それでこそ音楽だなと思うんですよ。

ミュージシャンは誰しもそういう気持ちがあると思うのですが、それだけではなかなかやっていけない時代じゃないですか。その中で、こんなに混じりっ気なしのBrian the Sunを押し出せるところが頼もしい。

ははは。ある意味、何も背負ってないからできるのかもしれないですね。毎回、何万枚もCDが売れて、“今回も頼むよ”って言われてたら、全然そういうことにはならないだろうし、こうしたほうがいい、ああしたほうがいいんじゃないか、誰かゲストを入れてっていろいろなことを考えるかもしれない。幸いそういう状況ではないので(笑)。それはそれで、たぶん今のうちしかできないことだし、この先、売れようが売れまいが、そういうことをやっておくのはすごく大事だと思うし、結果的にこうなりました(笑)。
L→R 白山治輝(Ba&Cho)、小川真司(Gu&Cho)、田中駿汰(Dr&Cho)、森 良太(Vo&Gu)
ミニアルバム『orbit』【初回生産限定盤(DVD付)】
ミニアルバム『orbit』【通常盤】

OKMusic編集部

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