【内田雄馬 インタビュー】
限界を超えて
挑戦し続ける姿を見せていく
内田雄馬として伝えたいメッセージも
たくさん込められている
そして、カップリングにはバスケの試合が浮かぶような「Loser」と、タイトルがバスケ用語の「Buzzer Beater」を収録した、バスケ尽くしの一枚になっていますね。
アニメ『あひるの空』への出演をきっかけにバスケに興味が湧いて、試合を観に行かせていただける機会もあり、そこからインスピレーションをいただきました。バスケの試合って会場にDJがいてダンスミュージックがガンガンに流れていて、試合中も観客が“オフェンス! オフェンス!”と掛け声を送ったりして、ライヴっぽい要素がたくさんあるんです。そこで流れていたバスケミュージックがカッコ良くて、自分でもやってみたいと思って作っていただきました。
「Loser」は激しいギターとラップから始まる曲ですが、これはどんな曲をイメージして?
「Loser」はバスケのオフェンス(攻撃側)をイメージしていて、自分が勝負を挑んでいる側で、相手に対して“お前がLoserだ!”と叩き付けるようなイメージですね。敵に勝負を挑む時って“今から戦いましょう”みたいな丁寧な口調では言わないじゃないですか。荒々しく“いくぞ! オラ!!”みたいな、そういう剥き出しの闘志をニュアンスとして出せたらいいなと思いました。それに、目まぐるしく展開する試合の中、頭で考える部分もあるけど、一瞬の判断とか反射的に身体が動いて攻めていく…そういう瞬間の衝動みたいなものを「Loser」に込めることができたんじゃないかと思います。
ラップもすごくカッコ良かったです!
ラップ自体は「NEW WORLD」で初チャレンジしたんですけど、とにかく大変でした。ラップって声優とアプローチがまったく違うんですよ。
どんな違いがあるんですか?
声優には声を出す時のポジション(口のかたち)がいくつかあって、自然と一番声がきれいに聴こえるポジションを取るんです。でも、ラップは…例えば日本語と英語の両方で韻を踏むところでは、口のポジションは違うのに、同じように聴こえる響きにしなくてはいけなくて。
口のかたちとは違う響きをさせないといけないんですね。
そうなんです。そういうアプローチは声優とはまったく違うものなので、やっていてとても楽しかったです。
間奏でいろんなリズムが出てくるのもカッコ良いです。
ストンプがしたいと思って、デッキブラシを使ったり、クラップやボディパーカッションの音なども取り入れています。ここも聴きどころのひとつになっていますね。
もう1曲の「Buzzer Beater」では、また「Loser」とは違ったイメージのラップを聴かせていて。ワイルドなシャウトも出てきますしね。
あまり僕がシャウトするイメージはないかもしれないですが、シャウトは全然しますよ(笑)。この曲はディフェンス(防御側)のイメージです。試合でも観客やチームメイトがみんなで“ディーフェンス! ディーフェンス!”と声を掛けるのですが、あの感じを出したくて作りました。歌詞でも同じ言葉を繰り返していて、そこがバスケの掛け声っぽいですね。
ラップも歌もチャレンジしたものになっていますね。
今までとはかなり違った楽曲の作り方をさせていただいています。Aメロ、Bメロ、サビで声のアプローチの仕方がまったく違うので、これまでの仕事で積み重ねてきた経験値が、この曲にはかなり詰まっていますね。ぜひじっくり聴いてほしいです。
一枚を通してチャレンジが詰まったものになりましたが、ご自身での実感はいかがですか?
アニメ『あひるの空』に携わることで得たインスピレーションと内田雄馬のチャレンジというテーマ性が、ばっちり合った一枚になりました。このシングルは内田雄馬として伝えたいメッセージもたくさん込められていますし、『あひるの空』をきっかけに聴いてくださった方も楽しめるものになったと思います。声優はいろいろな声質を操る職業なので、普段声優としてやっていることを活かして表現することができました。
では、最後に2020年の展望を教えてください。
個人的な今年のテーマは"シェイク"です。久しぶりにバナナシェイクを飲んだら美味しくて、それで今年はバナナとシェイクだなと思い至りまして…(笑)。昨年ツアー『YUMA UCHIDA 1st LIVE TOUR 「OVER THE HORIZON」』を回らせていただいて、地平線を越えたその先に何が待っているか…きっといろいろなものが待っていると思うので、それらと今まで培ってきたものとシェイクして、何か新しいものを表現できたらいいなって思っています。
具体的に何か考えていることはありますか?
例えば、素晴らしいアーティストの方と同じ場所で歌ったり、いろいろな人とコラボレーションしたり、そういうチャンスをいただけるように頑張っていきたいです。一点だけにとらわれるのではなく、いろいろな可能性を自分の中で見つけられるように、いろいろなものに目を向けてシェイクしていきたいですね。たくさん本を読んで知識を蓄えて、これとこれをシェイクしたら面白いんじゃないかとか、そういうことが考えられる人になっていきたいです。
取材:榑林史章
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シングル「Over」2020年2月19日(水)発売
- 【期間限定盤(DVD付)】
- KICM-92028
- ¥1,800(税抜)
- 【通常盤】
- KICM-2028
- ¥1,300(税抜)
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『YUMA UCHIDA 1st LIVE TOUR「OVER THE HORIZON 〜&Over〜」』
2月24日(月) 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
ウチダユウマ:2013年に声優デビューし、数々の人気作で存在感を発揮。その一方で自身の出演作品のライヴイベントでは高い歌唱力も披露。歌の活動に期待が高まる中、さわやかにどこまでも突き抜ける声とキレのあるダンスを武器に、18年5月にシングル「NEW WORLD」でアーティストとしてデビュー。19年3月に『第13回声優アワード主演男優賞』を受賞、同年秋からは初の単独ライヴツアーを開催し、追加公演をパシフィコ横浜にて行なった。そして、21年10月には幕張メッセイベントホールにて『YUMA UCHIDA LIVE 2021「Equal Sign」』公演を成功させた。内田雄馬 オフィシャルHP
「Over」MV (Short ver.)