首振りDolls(ナオ)、THE BOHEMIANS(平田ぱんだ、ビートりょう)

首振りDolls(ナオ)、THE BOHEMIANS(平田ぱんだ、ビートりょう)

首振りDolls、
THE BOHEMIANSとの
酒呑み対談を公開

自分が憧れてるバンドって、
やっぱり売れてる

ナオ(首振りDolls)

ナオ(首振りDolls)

――前に、りょうが辞めたいって言い出したことがあるって言ってたよね?
平田ぱんだ:そう。突然。2013年に全体メールに、ビートりょうから“俺、バンド辞める”って連絡があって。メジャーじゃなくなったあたりだったかな。幕張でラジオ収録があったときに、必死で止めて。忘れもしない。ちょうどこの辺り。幕張だった(この日、3人は渋谷すばるの幕張メッセライヴにお邪魔していました)。
ナオ:(りょうにビールを注ぐ)
ビートりょう:もう大丈夫だよ、明日俺、弾き語りあるし(笑)。ありがとうね、ナオくん。
平田ぱんだ:もう大丈夫でしょ?
ビートりょう:大丈夫じゃないんだよ。
平田ぱんだ:え? 現在進行形!?

――過去形にしないと心配になるよ。
ビートりょう:大丈夫じゃないんだよ。
平田ぱんだ:大丈夫じゃないの!? そうなんだ……………。

――どういうこと? 大丈夫じゃないって。
平田ぱんだ:(ボソッと)心配………。
ビートりょう:え? なんの話!? ん? あ、大丈夫じゃないのは、ビールのことね(笑)!
平田ぱんだ:あ、ビールもう要らないって話ね! 良かった〜。ビックリした。辞める話がまだ大丈夫じゃないのかと思った!
ナオ:私も! びっくりした!
ビートりょう:あぁ、そういうことね(笑)。違うよ、そこは過去形。もう大丈夫。でも、辞めるって言ったときは、もう俺要らないんだなって思ったんだよね。本当に。あのときはそう思った。
ナオ:なんでーー! なんでそんなこと思うの!? やめて! これ、私の声でもあるけど、ファンの声です。

――何かあったの? 
平田ぱんだ:分かんない。
ビートりょう:バンドとして何かがあった訳ではなかったけど、きっとすばるくんならそのときの俺の気持ち分かってくれるんじゃないかな。
ナオ:ボーカルであるぱんださんはもちろんですけど、りょうさん、バンドの中で異常な輝きを放ってますよ!
ビートりょう:うん。それは知ってる(笑)。
ナオ:他のメンバーさんもそれぞれすごく個性が引き立っててカッコイイのがTHE BOHEMIANSですけど、ぱんださんとりょうさんは二枚看板だなって。
平田ぱんだ:良かった〜。こっち(自分)も褒めて!
一同:(爆笑)

――そうね。ヒロト・マーシー(甲本ヒロトと真島昌利)よね。
ビートりょう:自分でもそうでなくちゃいけないっていう想いもあるんだよね。でも、そう言わなくちゃならない気持ちになったというか。
平田ぱんだ:最初に辞めたいって言った2013年から、何回もあったの?
ビートりょう:ううん。ないよ。一回だけ。
平田ぱんだ:良かった〜。さっき、大丈夫じゃないって言ったとき、まさに今もそうなのかと思ってびっくりした。
ビートりょう:あははは。それはないそれはない。嫌だよ。まだちゃんとギャラ貰ってないんだから、辞めれる訳がない(笑)!

――あははは。また生々しいことを(笑)。でも、とりあえず安心した。ぱんだは、ここ2、3年で売れたいっていう思考になったのは、どういう気持ちの変化からだったの?
平田ぱんだ:めちゃくちゃ売れたことがないから。そこを体感してみたいなって。俺が今やってるのはロックン・ロールごっこだからね。めちゃくちゃ売れた景色を見てみたい。今日見たすばるくんのライヴくらい人が入っていたら、きっと、俺はそこで本当のスイッチが入ると思うから。俺、ライヴをするときはいつも、とにかくお客さんのことを考えていて。1人でもつまんなそうにしてると、その人が楽しむまでとことんやってやろうと思うのね。売れて、あれだけの大人数の人たち全員を自分たちの音で楽しませてみたい。今、THE BOHEMIANSをやっていて、手にしていないことは、そこだけだから。あとは本当に全部ある。やりたいことは、全部THE BOHEMIANSでやれているから。THE BOHEMIANSやってて楽しいから。やれているだけでしあわせだから。自分が憧れてるバンドって、やっぱり売れているバンドで。The Rolling Stonesだって売れてるからカッコイイんだし。売れたい。売れなきゃカッコ悪いって思ってる。
ナオ:すごく共感できます。でも、一つだけ、俺は売れてないバンドもカッコイイと思うバンドは居るから、必ずしも売れてなくちゃカッコ良くないとは思わないかな。矛盾してるかもしれないけど、自分は売れたいですけどね。

ビートりょう:俺も、売れてる売れてないにかかわらず、俺は、自分が好きと思える音を出してるバンドをカッコイイと思うから、ナオくんと同じ考えではあるんだけど、今、平田くんが言った“売れてるからカッコイイ”っていうのは一理あって、そこは共感するんだよね。今、平田くんは、自分への戒めとしてそう言ってるところもあると思うからね。
平田ぱんだ:さすがビートりょう。分かってる。売れてないバンドだってカッコイイバンドはたくさんある。それは分かってる。でもね、売れてるからこそ成り立ってるバンドってあるんだよね。The Rolling Stonesだって売れてるからロックスターなんだよ。
ビートりょう:本当にそうだね。うん。ホントホント。人は、そこに憧れるんだから。それに、ロックン・ロールって、自分にしか分からない、“俺だけのもの!”っていう感覚もあるからとことんのめり込めるんだと思うしね。
平田ぱんだ:そう。その“俺だけのもの!”っていう奴らが、今日のすばるくんのライヴくらい集まったら、めちゃめちゃ最高のロックン・ロールSHOWが出来ると思うんだよね! おー、お前ら、本当に分かってんの!? 分かってんの!? ロックン・ロールのこと分かってんの!? すげぇじゃん! 最高じゃん! って。

――そうだね。“自分への戒め”かぁ。本当にそうだね。ぱんだの言っている言葉の意味はすごく分かるよ。それを理解してるりょうもさすがだね。
ナオ:(真剣に聞き入って)なるほど。自分はまだ知らない領域というか。でも、すごく分かる気がします。

OKMusic編集部

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