【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ
曲~あの人のルーツはこの10曲~】1
月度ヘビーローテーションアーティス
ト FAITH編

2019年、大阪のラジオ局、FM802は開局30周年の節目を迎え、2020年新たな節目に向けて進み出す。そこでSPICEで以前行っていた連載【FM802✕Meets ヘビロな店と人〜ヘビロ中のあの人をFM802で捕まえた】もリニューアル。今回からはFM802が自信を持って1ヵ月間毎日、特定の楽曲をOAするヘビーローテーション。そのアーティストに、自身のルーツとなる楽曲のアンケートを取り、その話を交えながらFM802DJがインタビューする企画がスタートする。初回となる今回は2020年1月のヘビーローテーションアーティストFAITH。1月15日(水)に発売されたメジャーデビューアルバム『Capture it』の新曲「19」が今回のヘビ―ローテーションに選ばれた。今回の対談はFM802で毎週月曜日~木曜日24:00~放送中の『Night Groomin'』で月曜、火曜を担当し、毎週金曜日の18:00~放送中の『AWESOME FRIDAYS』も担当しているDJの深町絵里を迎え、アルバムリリース日が誕生日で20歳になったばかりのアカリ ドリチュラー(Vo)に自身のルーツから「19」に込めた想い、今後のFAITHについても話してもらった。
アカリ ドリチュラー(FAITH)、深町絵里(FM802)

●FAITHは巡り合わせのように集まった●

深町:FAITHというバンドについてお話を色々聞いていきたいと思います。改めてどういう経緯で結成されたのでしょうか?
アカリ:FAITHのメンバーは長野の上伊那地域の出身なんですが、私以外の4人にはみんなお兄ちゃんがいるんです。そのお兄ちゃん同士がバンド組んでいて、そのライブを見に伊那グラムハウス(伊那市にあるライブハウス)に行き始めたヤジマレイ(Gt.Vo)、レイ キャスナー(Gt.Vo)、ルカ メランソン(Dr)が3人でバンドを組んだのがFAITHの原型です。当時はヤジマのお兄ちゃんがサポートベースだったのですが、レイ(キャスナー)と中学の同級生だった荒井藤子(Ba)を、藤子のお兄ちゃんもベースをやってるからっていうかなり強引な理由でレイが誘って、一緒にやることになって。私はそのお兄ちゃんたちがやっていたバンドの、ギターの方と知り合いだったのでライブを観に行っていたのですが、そこで偶然幼馴染だったレイ、ルカと久々に再会したんです。ちょうどその時、当時ボーカルだったヤジマとレイが声変わりの時期で声が出なくなってて、声楽を学んでた私がボーカルをやることになったというのが結成の経緯です。
深町:巡り合わせのような経緯ですね。家族がいた縁で繋がったというのは素敵です。
アカリ:そうですよね。レイ、ルカとは物心つく前から遊んでたんですが、小学校高学年くらいから再会するまで会う機会が少なくなって。それが再会した途端トントンと結成まで進んだので、まさに巡り合わせですね。
アカリ ドリチュラー(Vo)
深町:本当にすごいと思ったのはそうやって導かれたように集まった5人全員、華があるビジュアルという所なんですよね。ハーフの方が3人もいますし。長野県からこんなにグローバルな印象のあるバンドが生まれてくるとは。
アカリ:そもそもハーフ同士で幼馴染になった経緯は私も分からなくて。親が外国人同士、仲良くしていこうっていうコミュニティがあったからじゃないかなと思っています。
深町:その環境もあってなのかFAITHの音を聴くと、洋楽からすごい影響を受けているんだろうなというのが垣間見えます。
アカリ:藤子はルーツが邦楽で色々聴くタイプなんですが、他の4人は洋楽で。私も小学生の頃から海外の音楽がすごく身近にあったので、テイラー・スウィフト等の洋楽を聴いてましたし、ディズニーチャンネルが好きで海外のミュージカルにも興味がありました。レイとルカはポップパンクが好きでオール・タイム・ローとかブリンク182をずっと聴いてて、ヤジマはレッド・ホット・チリ・ペッパーズやブルースが好きだったりとルーツが洋楽にあって。だから作る音楽も自然と寄るのかもしれません。
●意識していないのにルーツを感じてもらえるのはすごく嬉しい●
深町絵里(FM802)
深町:今ちょうどお話が出たので、そのルーツについても聞いていきたいのですが、今回事前にアカリさんのルーツとなった10曲を選んでもらっています。先ほど仰っていたようにディズニーチャンネルはもちろん、海外ドラマやミュージカルにすごく影響受けてるんだろうなというのが見える10曲ですよね。
アカリ:そこからしか影響受けてないんじゃないかなというくらいずっと聴いてました。小学生、中学生の時に好きだったのがテイラー・スウィフト、セレーナ・ゴメス、マイリー・サイラス、デミ・ロヴァートで、その4人が写ってる画像があるんですよ、どこで見つけて来たのか忘れてしまったんですが、大好きな人が詰まってるからずっとパソコンのホーム画面にしていて。
深町:歌手でもあるけど女優さんとしても活躍されているような方々ですね。
アカリ:そうですね、私は元々お芝居をやっていたので、女優さんにもすごい憧れがあって。
深町:そうなんですか! いつ頃からですか?
アカリ:小学生の時から演劇がずっと好きでした。地元の劇団でキッズミュージカルをやってたり、中学生の時は他劇団のミュージカルにも参加させてもらってました。
深町:元々憧れもあるから尚更キラキラして見えたんですね。ミュージカルが好きになるきっかけは誰かからの影響もあったのですか?
アカリ:あまり覚えてないのですが、アメリカに父方の祖母のところへ遊びに行ったときにアニメの『101匹わんちゃん』を観たんです。アニメが終わった後にセレーナ・ゴメスが歌う「クルエラ ・ ド ・ ヴィル」のMVが流れてたのを観てハマっちゃって。そこから色々調べて行くうちにディズニーチャンネルに出会い、放送されていたミュージカルドラマを見始めたのがきっかけです。
深町絵里(FM802)×アカリ ドリチュラー(FAITH)
深町:ちなみにこの10曲のなかで、一番思い入れがある曲はありますか?
アカリ:全部かなり聴いているので難しいですね……。でも『ハイスクール・ミュージカル』は毎日観てました。
深町:同じ映画を毎日?(笑)
アカリ:そうです。観なきゃその日悪夢を見るんじゃないかってくらい好きになってしまって(笑)。もう自分の中に刷り込まれてると思います。だから作曲にも滲み出てしまうのかFAITHの楽曲はディズニーチャンネルで流れていそうと言われることもあって。意識してないのにルーツを感じてもらえるのはすごく嬉しいです。
深町:自分のルーツが色濃く出るのが恥ずかしいという方もいますが、アカリさんは嬉しいんですね(笑)。
アカリ:むしろ私が好きでハマってる音楽は、全世界に聴いて欲しいと思うタイプなので、プレイリスト作って公開したり、聴いてる曲をインスタで共有したりしてます。
●「自分らしくいても受け入れてくれるんだ」と気付いた●
アカリ ドリチュラー(Vo)
深町:そんな中、新曲の「19」がFM802の1月度ヘビーローテーション曲になっています。この曲はどのように作られたのですか?
アカリ:「19」は最初に歌詞が浮かんだんです。メロディは歌詞を書きながら、こんなイメージでという歌のフレーズを録音して、参考にしてほしい曲と一緒にレイに送りました。
深町:ちなみに参考に送った曲はなんだったのですか?
アカリ:ジョナス・ブルーの「Rise」です。今までFAITHはこういうEDMっぽい雰囲気の曲をあまり作ってなかったから、楽器隊は結構苦戦したみたいなんですけど、みんなで色々試してみてくれて、想像してたよりずっと良い感じに仕上がりました。
深町:歌詞はどのようにして書かれたんですか?
アカリ:ちょうど歌詞を書き始めたころ、プライベートでアメリカの親戚の家にしばらく行ってたんです。そこで色々と感じることが多くて。生活してる人が違うから、人間性や生活の仕方一つ一つが新鮮で「あ、これも歌詞になる!」とか思っちゃってました(笑)。
深町:歌詞に関してだと、私は<I was born to be myself>という部分がすごく好きなんです。訳すと「私は私になるために生まれて来た」という意味ですよね。ここに強いメッセージ性を感じるのですが、こんな気持ちを抱くきっかけになった出来事はあるんですか?
アカリ:ピンポイントでこれという出来事はないんですが、日本に居ると、どこかで自分らしく、素直でいることを周りに抑えられている気がして。私自身、例えば着たい服があっても、こう思われるのが嫌だからと無難な服を選んでしまうことがあるんです。そんな考えでいると自分らしさが分からなくなりそうで、そこから脱却したい気持ちはあったんですが変われないまま。そんな時、アメリカに行ってみると、みんなが自分らしくすごく素直に生きていて、周りにどう思われるとか、良い意味で全く気にしていなかったんです。偏見がないというか、多様性を受け入れてる感じ。それを見て「自分らしくいても受け入れてくれるんだ」と気付いたので、同じように考えてしまう人に伝えようと思って歌詞にしました。
深町:ある意味で自分に向けて歌った曲でもあるわけですね。
アカリ:そうですね。私はずっと、自分が思った事しか書けないんですよ。だからこそすごいリアルで、「自分で書いたんだから絶対なれる!」って、書いた歌詞に背中を押されることもあります。
●いつか世界中の人に届くように気を抜かず頑張りたい●
深町絵里(FM802)
深町:ちなみに「19」はアカリさんが19歳の時に書いた曲ですが、1stアルバム『Capture it』のリリース日である1月15日(水)が20歳の誕生日だったんですよね。おめでとうございます!
アカリ:そうなんです、ありがとうございます! 20歳になる日を待ってたんです。最高ですね(笑)。
深町:最高なんですね(笑)。どうしてそんなにワクワクしてたんですか?
アカリ:お酒が飲みたくて(笑) 先に20歳になったメンバーが打ち上げとかでお酒を飲んでたりするのが楽しそうで仕方無くて。生まれたのが数か月違うだけなのに! と思いながら過ごしてたので、やっと解放されました(笑)。
深町:お酒はコミュニケーションツールですもんね(笑)。他に20代ではどんなことがやりたいですか?
アカリ:人脈を広げていきたいなと思っています。それこそお酒も飲めるようになって、色んな人と知り合う場も増えてくると思うので、幅広く仲良くなりたいです。あとママにも言われたんですが、発言や行動には責任感を持たないといけない年齢になったんだなと。歌詞を書いて、歌を歌うからこそ、私の言葉や声を聴いてくれる人には責任を持って伝えたいなと思います。
深町:FAITHとしてはこれからどう成長していきたいですか?
アカリ:2020年はメジャーデビュー1年目、しかもメンバーが全員20歳になるFAITHにとっては節目の年なんです。これから今まで以上に気合を入れて活動していきたいし、実際自分たちでも少しずつ成長は感じているので、もっと曲を作って、いつか世界中の人に届くように気を抜かず頑張りたいなと思っています。
深町:世界中にFAITHの音楽が届くことを楽しみにしています。
深町絵里(FM802)×アカリ ドリチュラー(FAITH)
取材・文=城本悠太 撮影=ハヤシマコ

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