「to the moon」がオシャレ!ヨギーは令和のピチカート?

「to the moon」がオシャレ!ヨギーは令和のピチカート?

「to the moon」がオシャレ!ヨギー
は令和のピチカート?

「オシャレ」が結ぶシティポップの系譜
「シティポップ」という言葉を頻繁に目にするようになったのは、ここ4、5年ほど前からではないでしょうか。
suchmos、LUCKY TAPESNulbarichなど、聴いているだけでオシャレな気分にさせてくれる音楽、それが「シティポップ」と呼ばれている音楽ですよね。
「シティポップ」の原点は、1970年代から80年代にかけて登場した山下達郎松任谷由実、大瀧詠一らのニューミュージックだと言われています。
そして、フリッパーズ・ギターORIGINAL LOVEを中心とした1990年代の「渋谷系」が、第二のシティポップ・ムーブメントだったのではないでしょうか。
2014年にデビューしたYogee New Wavesも「都会的で洗練されたポップミュージック」という「シティポップ」の系譜を受け継ぐバンドです。
to the moon 歌詞 「Yogee New Waves」
https://utaten.com/lyric/sa19110510
山下達郎の『SPARKLE』を彷彿とさせるリズミカルなカッティングギターのイントロと、「月へ直滑降さ」というORIGINAL LOVEの『月の裏で会いましょう』を思い起こさせる歌詞で始まる『to the moon』。
Yogee New Wavesは1970年代から1990年代のカルチャーを経て生まれた、2010年代の「シティポップ」を象徴するバンドのような気がします。
昔も今も東京の夜は眠らない

to the moon 歌詞 「Yogee New Waves」
https://utaten.com/lyric/sa19110510
シティポップらしくスタイリッシュに幕を開けたこの曲が導いた場所。
そこは「夜の東京」でした。
最新のトレンドを集めては発信する首都東京の夜に足を踏み入れたなら、いつもとは違う自分になってオールナイトで遊んでしまう。
そんなクレイジーな東京ナイトシーンを表現できる詩は、東京都出身のボーカル角舘健吾ならではですね。
to the moon 歌詞 「Yogee New Waves」
https://utaten.com/lyric/sa19110510
この曲を聴いていて次に思い浮かんだアーティストが、1990年代の「渋谷系」を代表するピチカート・ファイヴ
ピチカート・ファイヴを知る人には、「別に明日死ぬわけじゃないし」と歌う野宮真貴の声が聴こえてくるような気がするほど、この歌詞からピチカートを感じられますよね。
1993年『東京は夜の七時』で「トーキョーは夜の七時 嘘みたいに輝く街 とても淋しい」と、賑やかさの中で孤独も感じる不思議な東京の夜を歌ったピチカート・ファイヴ。
それから26年後の今も、若者たちを惹きつけてやまない東京の夜の魅力を描いた『to the moon』は、2019年版『東京は夜の七時』のように思えてくるのです。
ヨギーが誘う「月」に行くには?

to the moon 歌詞 「Yogee New Waves」
https://utaten.com/lyric/sa19110510
夜の東京で「月まで行こうよ」と言われたら、あなたは何と答えますか?
もし「たどり着けないぜ」などと答えようものなら、それは野暮と言うものです。
to the moon 歌詞 「Yogee New Waves」
https://utaten.com/lyric/sa19110510
なぜなら「夜の東京」こそが「月」と同じ別世界。
夜の東京で心を解き放てば、月にたどり着けない人間でも別世界で楽しめるんだよと、Yogee New Wavesは誘っているのではないでしょうか。
1stアルバム『PARAISO』からセンスの良さで知られ、最新アルバム『BLUEHARLEM』に収録されている『Bulemin' Days』では、「部屋のすみで 少しだけピアノを弾き 地球の裏の だれかのことを想う」という小沢健二かと見まごう角舘健吾の詩人ぶりに驚かされた方も多いでしょう。
そして、令和初のシングル『to the moon』で、「渋谷系」の中でも「オシャレ」の代名詞だったピチカート・ファイヴを思わせる楽曲を披露したYogee New Wavesは、令和のピチカートとも言える「洗練」の極みに達したような気がします。

TEXT 岡倉綾子

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