【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#133
歌手・石川さゆりの言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

上手く歌うというのは、その時にご一緒
する共通言語を結んだミュージシャンと
のやりとりだと思うんです

より

今回の名言は、インタビュアーからの「ズバリ上手く歌うコツみたいなものはありますか」という質問に対する答え。石川さゆりは、この言葉の後に「そういうのを感じられないと、なかなか言葉が出てこないというのと同じだと思うんです」と続けている。石川は、『NHKのど自慢』にゲスト出演した際に、参加者の歌に涙を流してしまったことを明かす。「生活の中から出てくるものがあって、本当に歌い手が消えてましたから」と話しつつ、「歌は上手さといった概念超える事があるんだなと思いました」と結論づけている。2019年5月、石川は紫綬褒章を受賞した際に「聴く方の隣に寄り添う曲を歌っていきたい」とコメントしている。例えば、石川にとって上手く歌うとは、そういうことなのかもしれない。

石川さゆり (いしかわさゆり)
1958年1月30日生まれ、熊本県熊本市出身。演歌歌手。女優。1972年、中学3年在学中にテレビ番組『ちびっ子歌謡大会』に参加し合格。ホリプロにスカウトされ芸能界入り。同年、フジテレビの連続ドラマ『光る海』で女優デビュー。1973年、「かくれんぼ」でアイドル歌手としてデビュー。1977年、「津軽海峡・冬景色」が大ヒット。同年、第19回『日本レコード大賞』歌唱賞受賞。『FNS歌謡祭』グランプリ、最優秀歌唱賞、最優秀視聴者賞など数々の音楽賞を受賞。『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。続けて、「能登半島」、「暖流」、「沈丁花」、「波止場しぐれ」、「天城越え」、「夫婦善哉」、「滝の白糸」、「風の盆恋歌」などヒット曲を世に送り出し、日本を代表する女性演歌歌手として不動の地位を築く。刑事ドラマ『大空港』(1978年〜1980年)に女性刑事役で出演など、女優としても活躍。2018年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2019年、紫綬褒章受章。2020年1月19日より、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』に主人公・明智光秀の母親役で出演。2020年2月19日、小唄・端唄・都々逸に焦点を絞り制作されたアルバム『粋 ~Iki~』を発売。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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