宮野真守

宮野真守

【宮野真守 インタビュー】
宮野真守がミステリアスに描く
ドラマチックな恋の駆け引き

経験を積んできた今だからこそ
“大丈夫”って言ってあげられる

カップリングの「Beautiful Night」も個人的には夜に聴きたい曲です。星空をモチーフに“運命の人”とのドラマチックな出会いを描いたポップチューンですから。

デモ自体は以前からいただいていたんですけど、制作は本当に最近だったので、僕の気持ちは完全に豊洲のマンハッタンにいたんですよ(笑)。

あっ! 昨年は11月から豊洲の劇場でブロードウェイ・ミュージカル『「ウエスト・サイド・ストーリー」Season1』に出演中でしたもんね。しかも、マリアとひと目で熱烈な恋に落ちる主演のトニー役でしたし。

なので、運命の人とのロマンチックな恋を、舞台上で当事者になっている僕が描いたら面白いんじゃないかと思ったんです。そういう歌詞ってなかなか現実味がなくて書けないけど、とんでもない両想いの曲があってもいいじゃないですか。それでSHOWさんに“思いっ切り両想いを書いてください!”ってお願いしたので、もう甘々な歌詞になってます。バルコニーでマンハッタンの街を見下ろしているトニーとマリアが思い浮かびますよね(笑)。

デュエットするふたりが目に浮かびます(笑)。

しかも“君は僕のシューティングスター”だけじゃなく、“僕は君のシューティングスターになるよ”って歌ってますからね。そんなこと言えます?

いや、相手も自分のことが好きだという相当の自信がないと無理かと…。

これが堂々と言えちゃうんですよ、この曲の主人公は! “ずっと君の隣で輝いてるよ”って、トニーなら1ミリの疑いもなく言える。

まさにトニーになった宮野さんだからこそ歌える曲ですね。一方で、この歌詞にはライヴ会場の風景も写し取っている一面もあるとか。

そうなんです。ステージから見るペンライトの光は輝く星のようで、本当にきれいですから。

歌詞に《無数の煌めき》というワードもありますもんね。オーディエンスからすれば、その中で“誰より輝いてた君”、すなわち“宮野真守”を見付けたと歌っている曲だという解釈もできるかなと。

なるほど。では、ライヴでは何万人ものマリアに向かって歌いたいと思います! 時には男性のマリアもいるでしょうけど(笑)。

メットライフドームの星々が楽しみです! そして、3曲目のR&Bチューン「Okay.」は宮野さんご自身の体験がもとになっているとか。

STYさんとディスカッションしながら作っていった曲なんですけど、“最近どういう曲が好きなの?”とか“今、どういう想いなの?”とかって話していくうちに、“バラードがいいね”っていうことになったんです。昔、STYさんと一緒に作った「MOONLIGHT」(2011年発表の6thシングル「オルフェ」収録)も、ファンのみなさんがずっと好きでいてくれるので、また癒しを与えることのできる曲があってもいいねっていう話になり。そこで歌詞のテーマとしては、ドラマチックな物語性の強いものよりも、今、僕がリアルに感じている気持ちを歌えたらと思ったんです。“じゃあ、それって何なんだ?”って考えた時、他人に“大丈夫だよ”って言ってあげられる自分になっていることに気付いたんですね。

迷ったり、悩んだりしている人々に対して?

はい。例えば声優の後輩から悩み相談を受ければ、自分の経験があるから“大丈夫だよ”って言ってあげられるし、それは同じ仕事の人じゃなくても変わらない。そう言ってくれる人たちから僕もたくさんの想いをいただいて頑張ってこれたので、今、自分が同じような存在になれていることが嬉しいんですよね。『ウエスト・サイド・ストーリー』にチャレンジしている最中だったので、僕自身“大丈夫だよ”と言ってもらえることのありがたみを非常に感じていたこともあり、そんな想いを込めた曲があったら素敵だなぁという気持ちから生まれた、確実に“今”だからこそ歌える曲なんです。

《だってきょうの君は きのうの僕だから》というサビは、まさにそういうことですね。

そうなんです。経験を積んできた今だから“大丈夫だ”って言うことができる。だから、今までの歌とは声が全然違うんじゃないかなぁ。レコーディングでも、部屋も暗くして語るように、囁くような声で歌っていったので、STYさんとも“この声で歌ったことはなかったね”って話してました。

とてもやさしくて、羽に包まれているような心地になりましたよ。フューチャーベースの香り漂うサウンドもオシャレで、まさしく癒されます。

ほぼミックスヴォイスで歌ってますからね。楽曲的にも新しいアプローチで、まだライヴのイメージも全然ない! ほんとに囁き声で歌っているんで、その声じゃライヴは成立しないだろうから、音源とライヴではまったく変わるんじゃないかな。

音源だと隣の“君”に歌っている感もありますが、大きな空間で大勢に向かって歌っても、また違う味わいが生まれる予感がします。そして、そこで注目したいのが、初のドーム公演となる6月6日のスペシャルライヴですが、会場のメットライフドームに行かれたことは?

あります。ライヴを観たこともありますし、イベントで立ったこともあるんですけど、自分がやるとなると全然違ってくるので、まだまだ未知数ですね。初めてのドーム公演なので、きっと今までのノウハウが通じないところもたくさんあると思うんですよ。なので、みんなで力を合わせつつ、“ドームだからできること”というのをしっかりと想定してやっていきたいです。

“2020年の宮野真守”にも乞うご期待ですね。

そうですね。音楽活動ではドームに向けて、しっかりと追及して作っていきたいですし、役者の仕事のほうでもいろんな広がりがあるので、また新たなチャレンジに向けて集中してやっていきたいと思ってます。

取材:清水素子

シングル「LAST DANCE」2020年1月29日発売 KING RECORDS
    • KICM-2027
    • ¥1,300(税抜)

『宮野真守スペシャルライブ2020 in メットライフドーム』

6/06(土) 埼玉・メットライフドーム

宮野真守 プロフィール

ミヤノマモル:『DEATH NOTE』『機動戦士ガンダム00』『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ『ちはやふる』などのアニメ作品に加えて、『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』などの吹き替えにも出演する人気声優。2008年よりアーティスト活動をスタート。声優、俳優の現場で培った豊かな表現力と類い稀な歌声、そしてダンスを駆使した高いライヴパフォーマンス力を武器に、独自のエンターテインメントを追求し続け、日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演も成功させている。宮野真守 オフィシャルHP

「LAST DANCE」MV

OKMusic編集部

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