A.B.C-Z戸塚祥太「この舞台で最高の
一年の幕開けをしていただきたい」と
笑顔 エンターテイメント時代劇『阿
呆浪士』開幕

2020年1月8日(水)より、東京・新国立劇場 中劇場にて、舞台『阿呆浪士』が開幕した。本作は喜劇作家・鈴木聡の代表作で、1994年に劇団ラッパ屋で初演。「赤穂浪士の討ち入り」という日本人が愛する事件をベースに翻案した本作は、その大胆な構想が評価され、岸田戯曲賞候補作にも選ばれている。98年に再演され、おおいに話題となった作品が令和の時代に満を持して蘇った。再々演にあたり、演出はラサール石井が務め、主人公の棒手振りの魚屋・八役をA.B.C-Zの戸塚祥太、赤穂浪士の一人・田中貞四郎役をふぉ~ゆ~の福田悠太が務める事となった。初日直前に同劇場で公開されたゲネプロ(通し稽古)とその前に行われた囲み会見の模様をレポートする。
会見には戸塚、福田、そして大石内蔵助役の小倉久寛が、ラサールと共に出席。今の心境などを語った。
会見前のフォトセッションの間、戸塚と福田は「アホでーす」「アホ全開でーす」「アフォ~ゆ~でーす」などなど、小声でヒソヒソ言いあいながらカメラマンに笑顔を作っていた。
(左から)ラサール石井、福田悠太、戸塚祥太、小倉久寛
戸塚は自身が演じる八を「酒と女にだらしがない奴ですが、野暮なところをあえて貫き通す人物です」と説明し「こういう役はなかなか機会がないのでとことんやってみたい」と意気込みを見せた。
「とっつー(戸塚)とは真逆の、しっかりした赤穂浪士の役です」と話し始めた福田は「普段が真面目なので……」と口にすると取材陣から笑いが起き、その反応に「……どういう事かな!?」とツッコミをかける。福田はこの作品の稽古期間に他作品の本番が2本重なったため、本作の稽古にトータルで1週間くらいしか参加できなかったとラサールに指摘され、「こんなスケジュールを考えた人、アホですよ!」と作品タイトルに絡めて笑いながら吠えていた。
一方の戸塚も舞台稽古の後で、新曲の振付の練習に行っていた事が暴露され、ラサールが「本当にジャニーズは忙しいですね」と苦笑い。だが、ラサールは「稽古が始まって2週間後に福ちゃんが参加したんですが、台詞もしっかり入っていて完璧でした」と福田を褒め、さらに「とっつーも立ち稽古初日には台詞が全部入っていて、ジャニーズのプロ意識は凄いなと思いましたね」と感心しながら二人を見守っていた。
小倉は大石内蔵助でありながら“世を忍ぶ仮の姿”風車売りの姿で登場。「風車のようにあっちにフラフラ、こっちにフラフラする姿は普段の僕と変わらないかな」と自虐的にコメントするが、戸塚たちが「最後にはカッコイイ姿をね!」とフォローすると「やめてやめて! ハードルを上げないで! 僕はハードルを下げて下げてその下をくぐるスタイルでやっていたいの」と笑いを誘っていた。
ラサールは「今回とっつーには普段カラオケでもやらないような事をやっていただこうと思っています」とニヤリ。それが何なのかは本番のお楽しみだと含みを持たせた。また、この舞台では観客がうちわとペンライトを使用できる場面がある事にも触れ、「(浪曲師の)玉川奈々福さんが登場してうちわを持っていたらそれが合図です。持ってない方は貸し出しのうちわもあります。江戸時代の芝居小屋の一座を応援しているという設定なんです。全体的にお祭り感があってめでたい感じで」と述べ、観客にも積極的に参加してほしいと語った。
先日の正月休みについて話が及ぶ。戸塚は「実家に帰り、母のおせちとお雑煮を食べました。またジャニーズのカウントダウンコンサートの後に皆で初詣に行ったりしましたね」おみくじは引かなかったが「その代わり『顔みくじ』をしましたね! “凶”の顔や“大吉”の顔を作っていました」と謎の発言を。そしてリクエストに応えて“大吉”の顔を披露して笑いを誘っていた。
戸塚さんの顔みくじ“大吉”はこちら!いい笑顔ですね!
一方の福田は「甥っ子にお年玉をあげました。うちの兄貴よりちょっと多めに入れてみたりして」とニッコリ。だが、ふぉ~ゆ~はカウントダウンコンサートの後、事務所の皆と初詣に行く事はなく「電車で帰りました……」とちょっと切ない表情。とはいえ「ふぉ~ゆ~のメンバーからLINEが届きました。舞台頑張ってねって」と嬉しそう。だが今度は戸塚が「いいなあ……昨日の夜にうちのメンバーと会ったけど、特に何も話が出なくて」と切ない表情を見せていた。
くしくもこの日は、旧暦の12月14日。「偶然ですが、赤穂浪士の討ち入りの日なんです。初日を合わせた訳ではないんですが。今雨が降っていますが、これが雪に変われば最高だな」とラサールが窓の外を見上げながら思いを馳せていた。
最後に戸塚は「『阿呆浪士』で2020年最高のスタートダッシュを切れていますので、お客様にもこの舞台で最高の一年の幕開けをしていただきたい」とアピールして会見を締めた。
ゲネプロの模様もお伝えしよう。
ひょんなことから赤穂浪士の血判状を手にしてしまった八は、長屋小町のお直(南沢奈央)の気を引きたい一心で、自分が本物の赤穂浪士だと嘘をついてしまう。一方、大石内蔵助は風車売りに身をやつし、飄々と暮らしているが、娘のすず(伊藤純奈/乃木坂46)は煮え切らない父に業を煮やして赤穂から江戸に乗り込んでくる。すずは八を利用して、集まってきたニセモノの赤穂浪士たちと討ち入りを決行しようとするが……。
八を演じる戸塚はちょっとアホだが威勢がよく、元気が取り柄の江戸っ子姿が本当に様になっていた。声色も素晴らしく、どんな場面であってもすこんと耳に台詞が飛び込んでくる戸塚。最後までアホを貫き通そうとする姿に一瞬涙が誘われる事もあった。
そして貞四郎役の福田はこちらも耳通りのいい声で、生真面目な浪人姿を堅実に演じていた。貞四郎は、後に自身の人生を変える重要な人物と巡り合うのだが、その相手とのやり取り、また自身の本心を現実の間で葛藤する姿に胸が締め付けられる場面もあり、こんな大人な表情も見せる事が出来る年代になったのか、と役者としての成長を感じさせた。
八を取り巻く人物は、長屋小町のお直(南沢奈央)、八の女房お幸(堺小春)、友人の浪人スカピン(宮崎秋人)、そして大石内蔵助とすず……など、どの人物も個性豊かで魅力的。彼らの人生を一人ずつスピンオフで観たくなる衝動に駆られた。
「お祭り感満載で」とラサールが語る本作は、その言葉通り最初から最後まで、笑顔いっぱいで楽しめる幸せなエンターテインメント時代劇だった。
【おまけ】
劇場ロビーにはこんなブースができていました!
皆で盛り上がりましょう!
取材・文・撮影=こむらさき

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