【メトロノーム ライヴレポート】
『冬季巡礼ファイナル
「醍醐味カルチベート」
メーDAY X'mas』
2019年12月22日 at 川崎CLUB CITTA'
最初のMCで早速“誰ひとり欠けることなく、この日を迎えられて良かった…”とネタにしていたが、フクスケ(TALBO-1)がインフルエンザに罹患したことで、彼が福岡と広島公演を欠席することになった今回のツアー。バンドにとっては決して小さくないアクシデントではあっただろうけど、本人も言っていた通り、このツアーは何年経っても忘れられないものとなったようだ。彼は欠席の鬱憤を晴らすかのようにいつにも増して激しく動き回っていたような気がする。
ヴォーカルを含めてデジタル音を大胆にあしらったメトロノームのサウンド。8ビットゲーム風の開演前場内SEはその象徴といった感じだが、ライヴではフィジカルが目立つ。とりわけフクスケ(TALBO-1)、リウ(TALBO-2)のプレイは実にエモーショナルで、躍動感にあふれている。この日もオープニングからそのテクニックをまざまざと見せつけられた。スラップベースが享楽的なノリを際立たせる「テンションゲーム」、メタル系のラウドなギターサウンドでガツンと迫る「戻れぬ世界で」と、ニューアルバム『確率論≠paradox』からのアップチューン2連発は、このバンドの潜在能力を示すに最良の選択であったように思う。MCでは脱力系なところを見せるシャラク(VOICECORDER)も歌声は凛としていて、芯のあるところも提示。何より彼の歌は歌詞をおざなりにしている感じがしないところがいい。「弊帚トリムルティ」や「まだ見ぬ世界」などの言葉の強さが、このライヴでもしっかりと確認できた。
また、これもまた彼らがテクニカルなバンドであることの証であろうが、バラエティー豊かな楽曲を揃えているので、ライヴ自体に絶妙な緩急がある。「憂国の空」や「そうだ手紙を書こう」のようにメロディーの立ったものがある一方で、本編後半で観客を煽った「MATSURI」(お祭りビート)→「三つ数えろ」&「孤独氏」(エッジーで高BPM)→「Hello Stranger」(パンク)→「忘れん坊」(スラッシュメタル)と、疾走感を維持しつつも聴いている者を飽きさせない構成にはライヴバンドの風格すら感じられた。圧巻はアンコール終盤。アンサンブルの妙味を発揮しながらも、小難しく感じさせないポップなダンスチューンに落とし込む辺りはお見事だった。
ヴォーカルを含めてデジタル音を大胆にあしらったメトロノームのサウンド。8ビットゲーム風の開演前場内SEはその象徴といった感じだが、ライヴではフィジカルが目立つ。とりわけフクスケ(TALBO-1)、リウ(TALBO-2)のプレイは実にエモーショナルで、躍動感にあふれている。この日もオープニングからそのテクニックをまざまざと見せつけられた。スラップベースが享楽的なノリを際立たせる「テンションゲーム」、メタル系のラウドなギターサウンドでガツンと迫る「戻れぬ世界で」と、ニューアルバム『確率論≠paradox』からのアップチューン2連発は、このバンドの潜在能力を示すに最良の選択であったように思う。MCでは脱力系なところを見せるシャラク(VOICECORDER)も歌声は凛としていて、芯のあるところも提示。何より彼の歌は歌詞をおざなりにしている感じがしないところがいい。「弊帚トリムルティ」や「まだ見ぬ世界」などの言葉の強さが、このライヴでもしっかりと確認できた。
また、これもまた彼らがテクニカルなバンドであることの証であろうが、バラエティー豊かな楽曲を揃えているので、ライヴ自体に絶妙な緩急がある。「憂国の空」や「そうだ手紙を書こう」のようにメロディーの立ったものがある一方で、本編後半で観客を煽った「MATSURI」(お祭りビート)→「三つ数えろ」&「孤独氏」(エッジーで高BPM)→「Hello Stranger」(パンク)→「忘れん坊」(スラッシュメタル)と、疾走感を維持しつつも聴いている者を飽きさせない構成にはライヴバンドの風格すら感じられた。圧巻はアンコール終盤。アンサンブルの妙味を発揮しながらも、小難しく感じさせないポップなダンスチューンに落とし込む辺りはお見事だった。
撮影:Takumi Nakajima/取材:帆苅智之
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