yoshimiがアイドル活動を始めてから
丸12年。デビュー12周年を祝うワンマ
ン公演の模様をレポート。2020年の新
たな動きも報告!!

今年でアイドル活動を始めてから丸12年が経過したyoshimi。今や伝説として語り継がれているd-tranceのメンバーとして活動を始めて以降、一度も休息を挟むことなく、彼女はアイドル活動を続けてきた。現在は、d-girlsを中心に据えながら、yoshimiはソロとしても活動。12月4日には、待望のソロシングル「ありかとう」も発売した。
ここ数年はお馴染みになってきたように、今年も、デビュー時期となる11月末日近辺にyoshimiの周年ワンマン公演を実施。今年は、12月1日(日)にヤマハ銀座スタジオで「yoshimi 12周年記念単独公演」と題して行った。yoshimiのワンマン公演では、バンドを従えつつもアコースティックなスタイルを重視しているように、今年もバンド編成で開催。ゲストに3年連続で星野みちるを迎え、彼女のライブを間に挟む形でステージは進行していった。
 華やかなSEに乗せ、yoshimiがステージへ。ライブは、yoshimiの歩みを振り返るようにバンドスタイルによる「青い鳥」から幕を開けた。心地好い熱を抱きながら駆けだした演奏に合わせ、手拍子を返す観客たち。yoshimiも、この日を迎えた喜びを開放するように晴れた笑顔で歌っていた。彼女は満面の笑みを浮かべ、心のままに歌声を響かせることを楽しんでゆく。ここからまた新たな物語を描き出そうとするように、彼女は歌声を絵筆に、会場中の人たちへ微笑みかけていた。
先の表情から色を塗り替えるように、yoshimiが届けたのはバラードの「紅い花」。ソロとしてはバラードを軸に活動しているように、彼女自身の真骨頂を発揮した楽曲だ。胸の内側からジワジワと沸きだす感情を、今にも壊れそうな切々とした声に乗せyoshimiは歌いかける。彼女は失いそうで心震える想いを、涙を静めるように重い演奏に重ね合わせ、じっくりと歌唱。観客たちも、ひと言ひと言歌うたびに揺れ動くyoshimiの歌声を、一つとして零すまいと心で受け止めていた。バンド演奏を通し臨場感を抱いたことで、哀切な想いへさらにドラマが描き加えられてゆく。その様も印象深く映っていた。
 yoshimiが歌い出したのが「Believe in Love」。幾千の悲しみさえも糧にしながら、つかんだ幸せを永遠に変えたいと願う素敵な想いをyoshimiは歌いかける。今、手にしたこの幸せをずっとずっと抱きしめるように、yoshimiは喜びに満ちた暖かな歌声をフロア中に染み渡らせていった。「ずっと二人で笑顔でいれるように」と歌うyoshimiの愛に満ちた表情が、とても愛おしく見えていた。一人の女性としての幸せを、「永遠なんてよくわからないけど、守ってくれる人これからはそばにいるから」と笑みを浮かべ歌う姿に、視線が、心が強く惹かれていた。
たとえ楽曲がしっとりしていようと、MCでは何時も微笑ましい表情で感謝の言葉を述べてゆく。そこも、yoshimiらしいじゃない。
ここからはピアノの演奏に乗せ、カバー曲を歌唱。最初に披露したのが、yoshimiへ未来に進む元気と強い勇気を与えてくれた、大好きなシンガー上野優華の「好きな人」。yoshimiは、3年連続で上野優華の楽曲をカバー。「好きな人はあなただった」と痛い心模様を切々と歌いあげるこの歌は、奥華子が曲を提供。yoshimiは張り裂けそうな心の痛みを勇気に変えて振り絞るよう、握りしめた右手にギュッと力を入れながら、逢えなくなった人へ想いを届けるように歌いあげた。
続くカバー曲は、先の流れを受け奥華子の「ガーネット」をセレクト。眩しかった青春の日々を懐かしむように、yoshimiは澄み渡る暖かな歌声を会場中へ響かせてゆく。その歌声に触れながら、胸をキュンと疼かせてしまうことも。楽曲の持つ淡い青春の恋模様を、触れた一人一人の心のカンバスにyoshimiは歌声の絵筆で描いていった。
ここで、歌のバトンをゲストの星野みちるへタッチ。その後、着替えを終えたyoshimiは、星野みちるのピアノ演奏を背景に新曲の「音も立てずに恋をした」を歌唱。この楽曲を手がけたのが星野みちると言うことから、新曲披露と同時に共演も。「デモをいただいたときに完璧過ぎて、これは歌っていいのかな」とyoshimiが感想を述べれば、星野みちるは「内緒でこっそりと恋愛をしているアイドルの気持ちで歌を書きました」と曲の意図を述べていた。
「音も立てずに恋をした」は、秘めた胸の内を、告げたくても告げられない悪戯な恋心を記した歌。yoshimiは、ウキウキとした想いを零すように軽やかに歌いかける。ちょっぴり大人の恋模様を、照れた仕種で歌う。そこが、いくつになっても乙女なyoshimiらしさ。「いっぱいキスしちゃってる」というyoshimiの感想も、彼女らしいじゃない。
後半戦は、ふたたびピアノ演奏を背景に、何時もはデジタルでダンサブルなダンスミュージクを、今回はピアノの弾き語りスタイルにアレンジ。届けたのがd-girlsの「moment」だ。テンポをグッと落とし、「今すぐ君に伝えたい 明日のことはわからない この瞬間そばに君がいてくれる幸せを~今すぐ君に逢いたい でも叶うことはもうない~また逢えることを信じて」と、想いの丈を歌声にたっぷりと乗せ、今は逢えなくなった愛しい人を心の中で思い返すように、yoshimiは哀愁を帯びた声を響かせていた。歌うひと言ひと言が胸にぐっとせまる。その言葉を受け止めるたび瞼が潤みだす。何より、果ての世界へ居る人へ向け、届かぬと知りながらも必死に想いを届けるように歌うその様へ、涙と一緒に心がずっと引き寄せられていた。
ここからは、ふたたびバンドスタイルに。愛らしさを旋律に乗せながら始まったのがバラードの「ベストフレンド」。「出会いは偶然だけど、かけがえのないもので」と、これまで一緒に歩み続けてきた道のりを嬉しく噛みしめるように。これからも光射す未来へ共に歩み続ける約束を交わすよう、yoshimiは歌いかけてゆく。触れた人たちの心へとても暖かな光を射し込む歌だ。優しく笑みを浮かべ、少しずつ心を希望へ満たしながら歌うyoshimiの姿を見ているうちに、自分の心にも幸せや喜びが満ちてゆく感覚を覚えていた。
表情は一変。切なさ抱いたメロディを零すように「Song for you」が流れだした。ネガティブな感情さえも飲み込みながら、yoshimiはあきらめたくない意思と強い勇気を「大げさにいうなら 身体朽ちるまで歌い続けるから」と示してきた。自分の弱さを認めながら、その気持ちさえ未来へ向かう糧に昇華しようと歌うその姿に、ずっと心が魅了されていた。
楽曲は光を携え走り出した。躍動する演奏の上で、yoshimiは溜め込んだ気持ちを少しずつ吐きだすように「タイムカプセル」を歌唱。彼女は、笑みを浮かべながら歌いかける。力強い演奏とは裏腹に、とても優しい歌声で観客たちを包み込むところがyoshimiらしさ。未来へ向けた想いに確かな幸せを感じるからこそ、その歌声には愛が満ちていた。
「monochrome」を今宵はデジタル×バンドスタイルへ昇華。yoshimiは熱を抱いて疾走する楽曲に乗せ、伸びのあるパワフルな声を響かせ笑顔で歌を届けてきた。何時ものような激しいパフォーマンスを封印し、そのぶん曲の持つ躍動感をyoshimiは歌声に詰め込んできた。後半には、yoshimiに煽られフロアからも熱した声が飛び交いだす。熱い手拍子を受けながら、フロア中に熱が溜まりだす。そして…。
最後は、12月4日にシングル発売。ライブでも長年歌い続けてきた楽曲であり、yoshimiがバラードシンガーを志すきっかけになった「ありがとう」だ。とても美しい音色が、キラキラと輝きを撒き散らすようにフロア中へ広がりだす。yoshimi自身が心に抱えている不安な気持ちを素直に吐露しながら、それでも自分が歌う意味を信じ、抱いた想いを確信へ変えるように歌いあげていった。「一緒に進んでいけたら怖くない」と歌うyoshimiの言葉を受け止め、共に未来へ歩み続ける誓いを訪れた人たちは抱いていた。晴れた輝く表情で歌うyoshimiを優しい笑みを浮かべじっと見入る人たちの姿が、それを物語っていた。
アンコールでyoshimiは、過ぎ去ろうとしてゆく秋を少しだけ懐かしむように、「キンモクセイ」をプレゼント。秋のまろやかな陽射しのような歌声と笑顔を浮かべ、yoshimiは胸にそっと手を当て、心を解き放つように歌いかける。その暖かい歌声と音色に向け、フロアからも優しい手拍子が響きだす。彼女自身が金木犀の化身と成り、優しい笑顔と共に、胸をほころばせる甘い歌声を会場中の人たちの胸の中へ届け、素敵な花を咲かせていった。
最後に嬉しいニュースを。先にも触れたように、yoshimiは12月4日にI WiSHnaoが手がけた「ありがとう」をシングル発売した。同時に、yoshimi自身のWebやInstagramも開設。さらに2020年は、d-girlsと平行し、ソロでも積極的に攻めてゆく。3月と6月にも新しいシングルを立て続けに発売すれば、9月には2ndアルバムのリリースも予定している。これからのyoshimiの活動にも、ぜひ注目し続けて欲しい。
TEXT:長澤智典
yoshimi Web
yoshimi Instagram
yoshimi YouTubeチャンネル

★インフォメーション★
アーティスト:yoshimi
タイトル:ありがとう
レーベル:FD RECORDS
品番:FDCD-0016
価格:\1,000円(税抜)
●インストアスケジュール●
12/15(日) 19:30 池袋RED-Zone
―セットリスト― 
「青い鳥」
「紅い花」
「Believe in Love」
「好きな人」(カバー)
「ガーネット」(カバー)
「音も立てずに恋をした」with 星野みちる
「moment」(アコースティック)
「ベストフレンド」
「Song for you」
「タイムカプセル」
「monochrome」
「ありがとう」
-ENCORE-
「キンモクセイ」

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