アカシとケシキの恋の行方がついに決
着!? 『鎌塚氏、舞い散る』まもなく
初日

2019年11月22日(金)より東京・本多劇場にて、M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、舞い散る』が上演される。初日前日、同劇場にて本作のフォトコール(舞台の一部公開)が行われた。
本作は2011年『鎌塚氏、放り投げる』で始まった「鎌塚氏シリーズ」の最新作。生真面目で融通が利かないが完璧な執事・鎌塚氏が、ご主人様に尽くすべく奮闘する姿を、個性豊かなキャストたちによってテンポよく展開される。執事・鎌塚アカシを演じるのは三宅弘城。そしてパートナーであるケシキにともさかりえ、そしてアカシが仕える女主人をシリーズ初参加の大空ゆうひが務める。また、片桐仁、広岡由里子、玉置孝匡ら第1弾から参加のオリジナルメンバーに加え、大空と同じく初参加となる小柳友、岡本あずさなどが出演する。作・演出は過去シリーズ同様、倉持裕が務める。
この日公開された場面を紹介しよう。

主人と客人の前で失態を演じた鎌塚アカシが落ち込んでいる部屋にケシキがやってきて励ますが、途中からいつものように会話がかみ合わなくなり、部屋を飛び出すケシキ。そんなケシキをミア(岡本)が呼び留め、とある心情からケシキを責める。一方、山の上の公爵の別荘へ出かけようとするマヤコ(大空)に悪天候だから、と引き止めるアカシ。だがマヤコの意志は固く、彼女は出発する。場面変わって自分たちに復讐をしようとしているスミキチ(玉置)を追っている堂田夫妻(片桐&広岡)は猟銃を持ちだしスミキチを出せとアカシに迫るが、スミキチはケシキを人質に取って逃亡。堂田夫妻とヨウセイ(小柳)はスミキチを追い、アカシとミアは主人を探しにそれぞれ雪山に向かうのだった――

アカシの落ち込みっぷりは常人のそれではなく、床にのたうち回ったかと思ったらゴム毬のように何度もジャンプし、それでも動揺が収まらず手にしたコップの水が激しく零れる程。オーバーリアクションなアカシの姿にクスリと笑わせられる。そしてケシキとのやりとりに想定外のラブ要素が垣間見えて「おおっ! ついに何かしらの進展が!?」と期待させた。果たしてこの結末はどう転がっていくのか、是非劇場で続きを観たいと思わせるドキドキ感にあふれたフォトコールだった。

約20分ほどのフォトコールの後、ステージ上では出演者と倉持が登場し、初日前会見が行われた。先にマイクを握った倉持は「このシリーズは三宅さん演じる鎌塚アカシが身体を張って問題を解決するというコメディですが、今回はアカシとケシキの恋、そして大空さんが演じるマヤコの恋という二つの恋が軸になっています。今回、長年ひっぱってきたアカシとケシキの恋が決着を迎えるという事で、鎌塚シリーズ自体は今後も続けていくが、今回はファーストシーズンの最終回ともいえる作品になる」とドキッとさせる発言を繰り出した。また、今回シリーズとしては初となる冬設定については「これまではラストにキラキラしたものを降らせたりしていましたが、今回は堂々と雪を降らす事ができる」と嬉しそうに語った。
倉持裕
三宅弘城
ともさかりえ
三宅は「最終回と聞いて今少し寂しい気持ちになりましたが、(鎌塚シリーズは)続けるという事なので安心しました」と笑顔を見せた。そしてともさかは「個人的に大好きな作品なので、この場に帰ってこれたことが嬉しいです。アカシとケシキの煮え切らない関係が今回一つの決着を迎えるという事で、これまでにはなかったようなロマンティックな展開もあり、日々胸が張り裂けそうになりながら稽古に励んできました」と想いの丈を語った。
片桐仁
広岡由里子
片桐は「この二人の恋は決着しますが、我々堂田夫妻については何も決着がついていないので、第2部にも呼んでもらえるようにね。三宅さん以外全とっかえということもあり得ますからね!」と口にして場をざわつかせる。そして広岡は「ラブストーリーを軸に人間模様が描かれるので、ところどころ共感していただけるんじゃないかな」と語ると「(共感は)全部じゃないんだ……」と横から片桐が茶々を入れて笑わせていた。
玉置孝匡
小柳友
岡本あずさ
また、初演から出演している玉置は「回を重ねるごとにおもしろくなっていって、無駄なものがどんどんそぎ落とされてさらにシンプルになっていて、楽しめる作品になっていると思います」と手応えを述べる。小柳は鎌塚シリーズに今回初参加となる。「この世界に入れるという事を光栄に思います。本番を迎える事にワクワクしていますが、その想いをお客様と共有できたら」と新鮮な想いを語る。同じく初参加の岡田は「最年少で、私自身本多劇場が初めてという事で非常に緊張しています。先輩たちの力を借りて、鎌塚氏の世界に染まりたい」と胸の内を明かした。
大空ゆうひ
最後に大空は「今回鎌塚氏が仕える初めての女主人という事でプレッシャーも感じていますが、鎌塚氏と過ごせる“冬”を楽しみたい」と意気込みを見せた。
作品の見どころを聞かれ、ともさかは「倉持さんに三宅さんとのキスシーンを描いて欲しいと去年からずっとお願いしていました。ちょうど去年の今頃、三宅さんがこの本多劇場で『ロミオとジュリエット』に出演していて、それを観たんですが、三宅さんがキスシーンを何度もしているのをみてすごくショックで(笑)。またその時、倉持さんと一緒に観劇していたという事もあって、鎌塚氏を思い出してしまい、これは何とかして鎌塚氏でキスシーンをしないと気持ちが収まらないって。これまでのアカシとケシキの積み重ねがあるにもかかわらず、他でキスをしているなんて!」とジェラシーたっぷりに話すと皆大笑い。
また、稽古場の雰囲気を聴かれた大空は「三宅さんが稽古場に毎日牛乳パックを持ち込んでいて、稽古の合間にずっと飲んでいたんです。しかも毎日違う銘柄の牛乳で(笑)。ステージドリンクの様に牛乳を飲んでいるので、カルシウムがこの舞台を支えているんだなと牛乳のパワーを感じていました」と笑いながら説明すると、隣のともさかがうんうんと頷いていた。
改めて2年ぶりの鎌塚氏について聴かれた三宅は「毎回、倉持さんが書く台詞を口にしてきたが、今回特にこの鎌塚アカシというキャラクターは倉持さんと僕とで作ってきたんだなという想いが特にありました」とこれまでのシリーズをかみしめるように胸の内を語っていた。
(前列左から)倉持裕、三宅弘城、ともさかりえ、大空ゆうひ(後列左から)岡本あずさ、広岡由里子、片桐仁、小柳友、玉置孝匡
取材・文・撮影=こむらさき

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