11月16日、東京・ピースオブケイク イベントスペース photo by 小田周介

11月16日、東京・ピースオブケイク イベントスペース photo by 小田周介

さくらしめじ、
晋平太との特別コラボイベントが実現

さくらしめじが11月16日、東京・ピースオブケイク イベントスペースで開催された「#君のことばに救われた」十代限定スペシャルイベントに登壇した。

TOKYO MX「ぶっちゃけTEENS 君のことばプロジェクト」と、メディアプラットフォームの「note」がコラボした「#君のことばに救われた」をテーマにした投稿コンテスト。さくらしめじは、投稿の背中を押す「ことばのコーチ」に就任しており、同じく「ことばのコーチ」のラッパーの晋平太との特別コラボによるイベントが実現。コピーライターの阿部広太郎の司会のもと、前半を『思いを「ことば」にしてみよう』、後半を『思いを「ラップ」にしてみよう』と題して進行した。

「不満や不安と夢や希望。さくらしめじのふたりにとって、今、どちらの方が大きく感じますか?」という問い掛けに対して、田中雅功(がく)は、「大きさで言ったら夢や希望とか、ポジティブな方が大きいです。けれど、不安や不満、目の前に現れる頻度はそっちの方が多くて、大きな目標はあるものの、ネガティブな気持ちに目が行きがちだなと思ってます」と返答。理路整然と話す雅功に対して、晋平太が「高校3 年生のセリフじゃないでしょ、タイガー・ウッズか!」とツッコミをすると、会場は笑顔に包まれる。

続いて髙田彪我(ひょうが)は、緊張してますという前置きの後に「夢として大きなステージでやりたいという夢はあるんですけど、いざ、大きなステージを目の前にすると、今の段階では出来ないことも結構あって、これからちゃんとできるのかなという不安もあったりしますね」と素直な気持ちを吐露する。

高校卒業後に雅功と彪我が進学を考えているという話を受けて晋平太も「中学の時にラップに出会って、今では全国各地の学校でラップのやり方を教えてるけど、人に教えるということについて真面目に学んできたことがなかったなと。僕も勉強し直したいと思っていて、教員免許をとる大学に編入するために、パーンと入学金を振り込んできたところなんです」とぶっちゃけて「すごい!」と会場を沸かす一幕も。

続いて全国ライブハウスツアー『ドッ!菌!青春18本ツアー』でさくらしめじが行ってきた「青春解決!あなたのお悩みは?」の特別篇として、お客さんの悩みに答えるコーナーへ。

「今好きな人がいるんですけど、まわりの人にやめとけと言われます。どうしたらいいですか?」「学校の友達と普段接する時に、素の自分で接することができなくて、これを言ったら傷つけちゃうかなとか、壁が出来ちゃってる気がして…どうすればいいでしょう?」どちらの質問にも、決めつけで答えることはせず、相手の目を見ながら、一緒に考えていこうと伝える姿に、さくらしめじの一人に向き合う優しさと、一人にさせない思いの強さが垣間見えた。

さくらしめじと同世代のお客さんとのやりとりで温度が高まったところで後半へ。「ラップというのは、ストーリーを語る道具だと思ってください。誰のストーリーを語るかというと、それは自分です。進学でも、就職でも、自分をさらけ出さないといけない瞬間がくる。その時にいきなりラップをしよう、ということではなくて、自分から心を開く方法をみんなに伝えることができたらと思ってます」という晋平太の言葉から、ラップのワークショップがスタート。

自分という「主人公」を意識しながら、学校か家族なのか自分の「舞台」を選んで、伝えたい「テーマ」を決めてみよう、という晋平太の掛け声から、雅功と彪我も、お客さんも、各々の思いを書き留める時間へ。

「正解はないからね、自分が書きたいことを書けばいい」と、会場をまわりながら、質問がある一人ひとりに声を掛けていく晋平太。しばらくした後に「できました」と小さく声を上げた雅功からラップの発表がはじまった。

会場の真ん中に立つ雅功。トラックが鳴る。晋平太が掛け声を出す。

「3 、2、1、ゴー!」

僕には理想の大人がある
理想の大人像がある
人に自分の思いをしっかり伝えられる大人
考えや思いがちゃんとある大人
これからどうしたいのか
どうすればいいのか
ちゃんとわかってる大人
今の自分は?
子どもの僕は
夢はある 理想の大人像もある
でもそれじゃダメ
考えや思いがわからなくなる時がある
ちょっとした壁や問題に止まっちゃう
それはなんで?
思いや考えのストックがないから
自分の知らない気持ちがある
じゃあどうすればいい?
みんなの話を聞く
みんなの表情を見る
みんなの反応を見る
そして僕は考えや思いを深くする
みんなと一緒に僕は理想の大人になる

自然と巻き起こる拍手。「緊張した…!」とはにかむ雅功。「今のラップを聞いて、やってみるという人はいない?」と晋平太。みんながあたりを見回す中で、一人の女の子がすっと手を挙げる。前に立ち、緊張しながらも、大学への進学をテーマにしたラップを発表。一人の勇気が、もう一人の勇気を呼んでいく。ここから次から次へとラップの発表が繋がっていく。

家族にありがとうと言いたいのにいざという時に素直になれないという思い。カメラマンになる夢があり、いつか彪我の一番輝く瞬間を切り取りたいという思い。学校生活を送る上での友人関係の悩みがあるという思い。ラップをしながら感極まってこぼす涙も、会場が一体となって受け止めていく。あっという間にイベント終了の時刻が近づき、最後に彪我がラップを披露した。

僕は本当の自分についてよく考えることがある
自分ってなんだろう?
夜寝る前に抱きまくらを抱いて
よく一人で考えていることがある
国語の授業で「自分の性格は他人の意見でつくられる」
っていう文章を見たけど
実際学校に行ってみて友達と話してみても
僕は たとえば勉強ができるだろうとか
音楽ができるだろうとか
それだけでけっこう
過大評価をされてることがよくあって
でもそれが本当の自分とは限らなくて
だから本当の自分ってなんだろうって
一人で考えたりして
先生に進路のことを相談して
「これはどう?」って言われたいことあるけど
でもそれって本当に自分のやりたいことなのかなって
よく考えることがあって
だから 日々音楽をいろいろ聴いたり
いろんな人と話したり
いろんな経験をして させてもらって
それで自分でやりたいことってなんだろうって
改めて考えた時 自分は今やってる音楽を
この先もずっとやっていきたいかな
音楽をやってる自分が
本当の自分なんじゃないかって
今はそう思っています

照れくさそうな彪我を見ながら雅功が語る。「毎日ずっと一緒にいると逆に話さないこともあって、普段は踏み込めない部分を知れた気がして嬉しかったです」そして、晋平太が会場にいる十代全員に言葉を贈る。

「世の中には色々なことが起こります。相手が思うこと、言うことはコントロールできない。自分のことをまず好きでいること、相手に何を言われようが、そっちのパワーに負けないで。自分のいいところを見つけてあげてください」

集合写真を撮り終えて、さくらしめじがお客さんを振り向いて思いを伝える。「こんなに近い距離でイベントをする機会がなかったし、僕たちも勇気をみなさんからいただきました」この場にいる一人ひとりが、打ち明ける思いに心を打たれ、テーマの通り「君のことばに救われた」イベントを締めくくった。

なお、5周年企画第3弾として、11月24日(日)に自身2度目となるマイナビ赤坂BLITZにて、スペシャルライブ【昼の会】【夜の会】を開催し、続いて第4弾「アルバムのリリース」と、第5弾「世界イチHAPPYな卒業式」も待ち構えている。この日の決意のこもったふたりの「ことば」がどんな未来をつくるのか楽しみでならない。

photo by 小田周介
text by 阿部広太郎

■参考 投稿コンテスト「#君のことばに救われた」(12/31 応募締切)
https://note.mu/info/n/n705899500a1b
11月16日@東京・ピースオブケイク イベントスペース photo by 小田周介
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OKMusic編集部

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