H ZETTRIOをライブ終了直後の楽屋で
直撃!オーチャードでのワンマンや来
年の展望を隅々まできいた

今秋開始の自身最多最長となる全国ホールツアー「H ZETTRIO TOUR 2019 – 気分上々 –」も後半戦へと突入したH ZETTRIO。このツアーに於いても、彼らは各地に集った老若男女を、その持ち前の演奏力とバイタリティ、機転や発想力を持って楽しませ、活気づけ、明日への活力を与えてきた。振り返ると2019年はこれまで以上に、彼らにとってトピックの多かった年のように感じる。それはまるで自分たちに課してきたかの如し。そして今年のラストスパート。12月3日には自ら「これまでの集大成」と豪語する、JAZZの殿堂「オーチャードホール」での初のコンサートも控えている。そんな彼らを11月9日の富士市文化会館ロゼシアターの終演後に直撃。2019年を振り返ってもらいつつ、オーチャードホールに向けて、また、既に発表されている来年度も行う毎月新曲配信や全国ツアーも含めた2020年への展望を、彼らの音楽同様に情熱たっぷりに語ってくれた。
ーーこのツアーも本日で折り返し地点。いよいよ後半戦に突入です。振り返ると、2019年はこれまで以上に、みなさんにとってトピックの多かった年のように感じました。
H ZETT M(以下M):「あっという間でした」なんていうと月並みですが、H ZETTRIOとしてもH ZETT M個人としても世界が更に広がったなって。(腕を誇示し、さすりながら)また、一段レベルアップしたんじゃないかな。
H ZETT NIRE(以下N):非常に充実した一年でしたね。確かにトピックの多い年ではありましたが、ひとつひとつをこなしていくうちに3人の結束もより固くなり、個人個人の力もアップできたのではないかと。
ーーKOUさんはいかがでしたか?
H ZETT KOU(以下K):毎月新曲を発表しながらのライブ三昧は、ある種、もうH ZETTRIOのライフワークになってますね。加えて毎週の「ソクドノオンガク」も良い筋肉となって。その体つきも益々逞しくなるばかり。今やまるで全盛期のシュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)ばりです(笑)。この“気分上々”の気持ちで集大成のオーチャードに乗り込みたいですね!
ーー2019年のトピックの中、みなさんが印象深かったものをお一つづつ挙げていただけますか?
N:自分は毎年恒例となっているこどもの日スペシャルを初めて大阪で開催できたのが嬉しかったな。その後、「自分の地元でもやって欲しい」との声もたくさん頂いたし。来年以降さらに広げていけたらなと。目標は、いま観に来てくれている小さい子が大人になり、さらにそのお子さんを連れてきてくれるまで続けることですから。これはもう壮大な夢です。
ーーMさんは?
M:宗像大社と金峰山寺の世界遺産でのライブはとても印象的でしたね。AUNJクラシックオーケストラの皆さんとの和楽器との融合はまたひとつHZETTRIOとしての世界が広がりました。そして今年は台風など天候によってライブやフェスの開催が左右される事も何度かあり。そんな中でもこの世界遺産での2公演は天候はギリギリでしたが開催できましたから。ホント、良かった。
ーーKOUさんはどれが?
K:静岡グランシップかな。そこでの全員参加型のMV撮影はとても印象的でした。皆さんがPOI LABの御協力のもと振り付けやポイを一生懸命練習してきたんだなぁ…と、ウルっときちゃいました。
ーーあとは現在も毎週日本の名曲を斬新な解釈でアレンジするテレビ番組「SPEED MUSIC ソクドノオンガク」もやられており、今日も吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」を独特の解釈で披露してました。あれも凄いハイペースで名曲たちをカバーしていますね。
M:「名曲の持ってるパワーはすごいな…」と感じながら毎回カバーさせていただいてます。例えば、「ここのフレーズ、この場所に力や思いをこめて歌ってたんだな」など、演奏して改めて発見していくのが毎度楽しいです。割と大胆にアレンジしてますが、その曲の持つ新たな魅力をザクザク掘りたいんです。
N:やる度に、「日本の曲には本当に名曲が多い」と痛感します。演奏しているうちに曲の新たな魅力に気づかされることも多くて。とても勉強になってます。いち演奏者としては本当にプラスになってます。毎度まるで修行のようですが…(笑)。
K:継続は力なり。毎月色々なアプローチにトライ出来るのでH ZETTRIOにとって良いビタミンになっております!
ーーその際、リクエストで苦労した楽曲などはありますか?
K:苦労ではないけど、演奏面で言うと個人的には米米CLUBの「浪漫飛行」は衝撃的でした。あれも楽しかったなぁ…。
ーーちなみに、今後やってみたい楽曲やアーティストはありますか?
N:なんだろう?…もう現状でもかなりの数の楽曲を演奏してきましたからね。すごく古い曲とか、逆に本当にごく最近の新しい曲とか良いかもしれない。
K:個人的には既にやりましたが、五輪真弓さんの「恋人よ」は、前からやりたかった曲だったんで、やれてとても嬉しかったです。あとはPrincess Princessの「M」なんてやりたいですね。
どこの会場でもピアノを弾くのが楽しくて仕方なくて
H ZETTRIO
ーー話はツアーの話に戻りますが、今日で約半分を終え 全体を振り返ってみていかがですか?
M:勢いもパワーも全部もりもりですね。そして集中してます。それはとても心地よいものがあって。
N:お客さんの反応も良く、とても楽しく演奏できてます。特に毎月出している新曲が、演奏し続けていくうちにここなれてくる感じが楽しいですね。今回のツアーは割とひとつひとつのライブの間が空いているので、「次のライブではこう弾いてみようか」などと考察する時間もあって。これまで以上に充実してます。
K:今回のツアーはじっくりと時間をかけて回ってますので、毎回のライブでの曲たちの熟成具合がハンパないっす。後半戦が楽しみ過ぎ。
ーー各所ソールドアウト続発ですが、体感的にはいかがでしょうか?
M:どこも大変暖かく迎えて下さって嬉しいです。ホールは響きがそれぞれにあり、どの土地でもいただけている熱い拍手がとても励みになってます。
K:まず「ソールドアウト」って響きがとてもいいですよね。嬉しい限りです。感謝。感謝。
ーーライブ毎に新たな趣向が凝らされ、毎回全く違った印象を受けますが、このツアーで印象深かったことがあったら教えて下さい。
M:とてもどこも素晴らしいホールなので時間があればロビーやホワイエ等を探検してます。毎度建築的に感動していて。そのホールに入った瞬間からライブは始まってますから。場所場所によって、「今しかないものがある」と考えて演奏しています。おかげさまで、どこの会場でもピアノを弾くのが楽しくて仕方なくて。どこも非常にいいピアノが置いてあるんで、それを弾けるのは幸せだなぁと。
K :自分は大相撲が好きなので、たまにMCで御当地力士の話などをするのですが、長野メルパルクホールでの反応は別格でしたね。御嶽海への強い愛を感じました。あとは、10月末ツアーの合間を縫って台湾でライブをしたんですが、本場台湾での小籠包、タピオカミルクティー、そして熱い声援。それと台湾に宿っている熱気みたいなものが私達のガソリンとなりその後のツアーにもまた反映されましたね。
N:最近だと長野でライブ前に食べた蕎麦が美味しかったなぁ。あれは「食の世界遺産」です!結局メシの話になってしまいますねぇ(笑)。
ーー新曲「気分上々」等、お客さんも交えて参加できる曲ですが、お客さんとのコミュニケーション面はいかがですか?
M:気分上々という曲については明らかな参加型という訳でもないですが、なんというか音楽というのは熱と熱の交歓みたいなもので…その音の交信を更新していく作業というか。正にコミュニケーションが各地で行われてますね。
K:どうでしょう?心のコミニケーション……取れてると思いたい(笑)
最後にはみなさんをグラングランにしますから
H ZETTRIO
ーーで、いよいよそのツアーの集大成とも言える、渋谷オーチャードホールにて行う「H ZETTRIO TOUR 2019 -気分上々-追加公演」が迫ってきています。ここにはきっと、このツアーに参加し、「また観たい!」と思った方や、ツアーチケットが早期完売だったため、地元で観れなかった方も多く集まるでしょう。意外にも初めてのこのホールでのライヴですが、どうして今回このホールを?
M:2019年を締めくくるにふさわしい場所が舞い込んできたと。そういうことです。
K:ホールを仰山まわっての集大成ですから、やっぱり憧れのホールと言ったらここしかないぞと!
ーーある意味、このホールはジャズの殿堂でもあります。
M:僕としてはクラシックを聴きにいった記憶があるのでクラシックというイメージなんです。気品に満ちていて、風格があり、といった印象なのでとても楽しみです。腕が鳴りますね。
K:以前観た、Keith Jarrett Trioのオーチャードでのライブは素晴らしかった!そのオーチャードでですから。いやー、嬉しいな〜。
ーー会場的にやや厳かで大人な雰囲気がありますが、そんな中、老若男女が集うコンサートが信条のみなさんがどのようなライヴを行うか?非常に興味があります。
M:思いっきりやります。集中を高めていい音楽を鳴らしたい。それだけです。
K:厳かな雰囲気もH ZETTRIO流に取り入れつつ、ホールの持つ響き、パワーに便乗していつも通りに弾きたいですね。
ーーなるほど。あとは、他のホールに比べ、どこか「鑑賞されている」ような雰囲気がありそうですが、そんな中、持ち前のパッションや熱さをどう伝えるか?も楽しみです。
M:その土地、場所の雰囲気、色、クセなど取り込んで消化してアウトプットにつなげてその時にしかできない事を表現しようと。それは例えオーチャードホールでも同じです。
K:そこはあえてジックリと鑑賞して頂いてもかまいません(笑)。ホールの空気感を大切にしながら空気を徐々に振動させて最後にはみなさんをグラングランにしますから。
ーーおっ、頼もしい。個人的にはどのようなコンサートにしたいですか?
M:自分たちも音に包まれたいですね。音の中に潜り込みたい。楽しさはそれらの後についてくるものでしょうから。
N:全力でガツンガツン!といきたいです。元気全開で演奏します。
K:チゲ鍋を楽しんだ後にチーズとトマトを入れたらイタリアンになっちゃったぁ!みたいな嬉しい流れを感じてもらえたらサイコーです!
「来年もこいつらは何かやってくれそうだぜ」と感じてもらえるような
H ZETTRIO
ーー楽しみの一つとして、12/1配信開始の新曲も含め、ニューアルバムの曲がここで出そろいます。それらの全曲披露も期待されますが…。
M:披露するか?しないか?そこらへんは本当にそれはもう当日になってみないと分からないでしょう。
K:論の勿(ろんのもち=もちろんの意)です。いずれそういったライブが遂行されるでしょう。
ーー当日、オーチャードホール用にみなさんが何か用意しているものがあったら教えて下さい。
M:今はまだ言えませんが、これはもう凄い事が…。今までも「凄い事が起こる!」と言い続けてきましたが、まさにそこに向かうってことです。
K:H ZETTRIOとして今までやったことのない演出、挑戦を予定してます。光を増幅して放射させたり、ステージをぐるんぐるんさせたりするかもしれません!
ーーおおっ!!では、そこに向けての意気込みを。
M:もうそれははちきれんばかりの魂でもって空気中のインスピレーションを食べてやりますよ。全部。それくらいの心持ちです。
N:そうですね…。やはり今年の集大成と呼べるコンサートになるでしょう。それだけでなく、「来年もこいつらは何かやってくれそうだぜ」と感じてもらえるような内容にしたいです。
K:H ZETTRIO史上最高の集大成になる予感がします。なんせ「そこ」に行き着くまでがとっても長いので、「こんな集大成見たことない!!」ってくらい高く!熱く!弾けるでしょう!
ーー楽しみです。では当日来られる方にメッセージをお願いします。
M:いらっしゃいませ(笑顔で)!楽しんでくださいね。
N:今年も充実した活動が行えたのは、ひとえに応援してくれているファンのみなさんのおかげだと思っております。いつもありがとうございます。感謝の気持ちを込めて、今年一番のライブにします。
K:オーチャードでサイコーの夜をお届けしま〜す!お楽しみに!!!
ーー対して、まだチケットを買おうか?迷われている方もおられると思うので、その方々にもひとこと。
M:これはもう…(鬼気迫る感じで)いらっしゃいましょう!思いっきりやりますよ〜!!
N:オーチャードのトリオは一味違います!ぜひ目撃しに来てください!。
K:H ZETTRIOの音と光のシャワーを浴びに来て下さ〜い!
H ZETTRIO
ーー既に来年の活動の一部が発表になっていますが、その中でも驚いたのが、2020年も新曲を毎月配信を発表しくとの宣言でした。
M:着々と冷静にセットしています。来年も毎月、ワクワクをお届けします
K:そうなんです。やっちゃうんです!2020オリンピックイヤー!新記録目指してひた走り続けまっス!
ーーホールツアー『RE-SO-LA Tour 2020先駆けトリオピックVol.1』を行う発表もありました。こちらは?
M:トリオピックですから、先駆けてトリオピックを開催するという事ですね。フィジカルをアップし黙々と筋力アップに励んでいます。
K:大好物のホールツアーなんで、ペロリと平らげちゃうかもしれません。おかわりもあるかも!
ーーとは言え、タイトルからニューアルバムのレコ発ツアー的なニュアンスを感じます。
M:レコ発ツアーとも言えるでしょう。いつだって始まりです。毎月新曲が出てますから。もう乱れ打ちですね。海外のお祭りの際に発射されるド派手な打ち上げ花火のような、そんな感じで、このツアーもいきたいです。
K:ニューアルバムからの曲たちはもちろん。新曲もドンドン炸裂していきますので、乞うご期待〜!
ーーでは最後にメッセージをお願いします。
M:オーチャードホール!そして来年!も皆様どうぞ宜しくお願いします。ひらめきをグッと手繰り寄せて新たな扉を開けていきたいです、そして皆さんの持っている音楽というそれがよりよい世界になる事を願いながら活動していきたいです。
N:来年も今年以上に良い一年にしたいです。特に私は以前から「2020年はニレニレイヤー」と銘打っておりましたので、いっちょうやったるぜ!という心持ちであります。よろしくお願いします。
K:「SPECIAL YEAR 2020」に向けて既にイントロは始まってるよ!先ずはオーチャードでH ZETTRIOの必殺の大サビを体験しにきて下さい!
H ZETTRIO
取材・文=池田スカオ和宏 Photo by工藤小春

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