僕らはただ、a crowd of rebellionの
帰りを待っている

新潟出身の5人組スクリーモバンド、a crowd of rebellion。2019年9月に突如として発表された、ツインボーカル宮田・小林両氏のドクターストップとツアー全行程キャンセルのニュース。彼らの復活の時を願っていたわけですが、待望の、本当に待望のライブ開催です。そんな彼らの名曲たちをご紹介していきます。

それは9月12日のこと。公式サイトにアップされたニュースに、衝撃が走りました。
新潟出身の5人組スクリーモ・バンドa crowd of rebellion(ア・クラウド・オブ・リベリオン)のヴォーカル・宮田大作と、ギターヴォーカル・小林亮輔の両氏が声帯ポリープの悪化により、手術のため活動がドクターストップ。そして、ライブツアー“Utopia tour”の全公演キャンセルというニュースが飛び込んできたのです。

a crowd of rebellionは、宮田大作、小林亮輔に加え、ギターの丸山漠、ベースの高井佑典、ドラムスの近藤岳で構成される5人組バンド。全員が新潟県出身で、2012年から現行のメンバー編成となって活動をしています。小林亮輔の透き通るようなハイトーンボイスと底から突き上げるような宮田大作のスクリームボイスが重なり、生傷のような痛みを覚えつつも全力で駆け抜けていくようなエモーショナルさを生み出します。

これまで、彼らがリリースしてきたフルアルバムは3作品。ミニアルバムも含めると、実に8作品にものぼります。今回は2016年にリリースされたフルアルバム「Xanthium」、2017年の「Gingerol」と2018年リリースの「Ill」から収録曲をご紹介していきます。

1stフルアルバム『Xanthium』

2016年にリリースされた1stフルアルバム『Xanthium』から、アルバムの1曲目となる「M1917」MVをどうぞ。
鬼気迫るイントロのメロディとスクリーム、さらに駆け抜けるような疾走感あるクリアなサビまで、硬派でありながら疾走感あるポップさも兼ね揃えた彼らの代表曲の一つです。ちょっと不穏なMVのモチーフも、今見るとかなり新鮮ですね。初期ONE OK ROCKのMVを見た時にも味わったような、ダークでありつつエッジィさに溢れています。

2ndフルアルバム『Gingerol』

続いて、2017年リリースの2ndフルアルバム、『Gingerol』からは「Nex:us」をご紹介します。
先ほどの「M1917」から、さらに洗練されたキャッチーさも兼ね揃えた楽曲。それと、個人的な意見ですが、この曲とかは、それ以前よりちょっとだけ踊れる(暴れられる?)要素も増してきているのでは?と思ったり。5人が全速力で駆け抜けていく疾走感のなか、オーディエンスが一緒にノっていけるようなリズムや「間」が絶妙です。

現行の最新フルアルバム3rd『Ill』

そして、現時点においての最新アルバム3rd『Ill』からは、表題曲となっている「Ill」MVです。
よりハイスピードで、展開が激しく変化していくこちらの楽曲。音源を聞くと、どんどんピークタイムを重ねていくような高揚感を感じさせられる一曲です。なんですが、MVを見てみると、鬱屈した日常生活に詰め込まれていく中で、退屈と狂気が隣合わせにあるようなグロテスクさを感じさせられます。ただ決してダークさや凶悪さなど、ネガティブ一辺倒ではなく、どこか光が差し込んでいるような、だけどやっぱり突き抜けきれない息苦しさも感じるのはどうしてなんだろう?

バンドのコアを有する小林亮輔という存

もちろん誰1人として欠かすことができない重要なメンバーですが、a crowd of rebellionにとって小林亮輔の存在は特に際立っています。『Ill』のリリースのタイミングでは、フロントマンとして単独インタビューの場に立つこともしばしば。『Ill』は、メンバーによって小林亮輔をフィーチャーした作品づくりを方向付けたことが多方面で語られていました。
そんな彼、実はa crowd of rebellionの初期メンバーではありません。なんと活動していた初期は、いちファンとしてライブに通う高校生でした。そこから体制の変更でギターの募集があり、加入を果たした小林。他メンバーと10年弱の年齢差を持ちながら、彼自身のエッセンスが存分に引き出されたグループへと成長してきたのです。


公式サイトの声明によると、昨年の”Ill tour 2018-2019”から2人が喉の不調を訴えていたのだそう。現在はおふたりとも手術を終え、Twitterで現状についてコメントしています。

2007年から12年にわたり、海外では盛り上がりつつあったニューメタルやスクリーモなどを早くから日本で取り入れ、ハードかつメロディアスな音楽性で走り続けてきたa crowd of rebellion。もちろん、油断は禁物ですし体に無理のない範囲ではありますが、これだけは言わせてください。彼らが再びステージに立つ姿、待ちきれません。

僕らはただ、a crowd of rebellionの帰りを待っているはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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