Tsubasa Shimada(PRIZMAX)
presents『Wet Crate』
- 第41回 高村亜留 -
PRIZMAXのパフォーマーでありながらDJとしても活躍する島田翼が、長年集め続けた珠玉のレコードコレクションの中からお気に入りを紹介する、偏ったエゴ満載の連載企画。この機会にぜひ、ループミュージックの世界観に浸ってみてはいかがでしょうか?
こんにちは。島田翼です。もう11月ですか。早すぎる。
有難いことに最近はDJをさせていただく機会が多く、さまざまな音楽と向き合っています。
特に先日のWOMBメインフロアは最高の一言です。いつまでもあの場所で歌や派手な展開の無い四つ打ちのイーブンキックを浴びていたかったです。
僕は一晩の立ち上げ、つまりオープニングセットを披露したのですが、早い時間帯からたくさんのお客さんが集まってきて、そのフロアに投下する曲選び、ミックスの仕方などはあの場でしかなし得ない展開になったと思っています。外国人のお客さんも多く、その日はじめて僕のことを見るであろう人々の、音楽に対するピュアなリアクションがかなり嬉しかったです。DJ冥利に尽きます。
やはりダンスミュージックは深夜に大箱で鳴らして成立するものであると痛感した一晩でした。
“ナイトクラブ”というと今日の日本では悪いニュースが先走ることもあり、まだ馴染みがなかったり、あるいは歪曲された理解をされがちです。実際どこの世界にもいろんな人がいることは事実ですし、日本にはいろんなナイトクラブがあります。
しかし僕はこのカルチャーに没頭してしまい、週末(あるいは平日も)の深夜に多くのことを学び、感動し、人間として成長してきました。
音楽を媒介、共有しそこで出会う人々の様々な表情や、音楽と向き合う姿勢にルールはなく、全てが等しく、ピュアに、人間的に存在できる、枯渇した心や身体を潤す、まるでサバンナの水場のような場所である、と僕は思うのです。
紹介している楽曲とは違いますが、最後に坂本慎太郎氏の「ディスコって」の歌詞の一節を載せたいと思います。
ディスコは君を差別しない
ディスコは君を侮辱しない
ディスコは君を区別しない
ディスコは君を拒絶しない
ディスコで君は何もしない
ディスコも君に何もしない
ディスコに君は期待しない
ディスコも君に何も求めない
また、いつかの深夜にあなたと同じ音楽を共有し、朝まで踊り明かせる日が来ると願っています。
真面目っぽく書きましたが、ざっくり言うと僕は夜更かし、ナイトライフが好きです。ということです。楽しかった。