バレエ・アーティスト緑間玲貴 東京
公演「トコイリヤ RYOKI to AI vol
.5」開催 沖縄で生まれた唯一無二の
舞踊宇宙、豊かな創造の世界へ

踊りとは”祈り”という信念に基づき創作を続けるバレエ・アーティスト緑間玲貴。沖縄を拠点に活動する緑間のライフワーク「トコイリヤ」は2012年に始まり、舞踊のジャンルを超えた新たな総合芸術をめざす。2019年11月7日(木)、8日(金)、東京・日本橋公会堂で行われる「トコイリヤ RYOKI to AI vol.5」でも独創的な舞踊宇宙を展開する。
緑間は幼少よりバレエを学び、西洋発祥のバレエと東洋の思想を自ずと融合させてきた。「トコイリヤ」に欠かせない『Lumières de l’ Est~東方からの光~』は、緑間と名門ワガノワ記念ロシア・バレエ・アカデミーを首席で卒業しロシア、東京でも活動した前田奈美甫、琉球舞踊の平敷勇也によって踊られるが、ビッグバンをテーマに静謐で神秘的な世界を立ち上げる。同じく今回も上演されるラヴェルの「ボレロ」を用いた『RE BORN「再生」〜Boléro〜』には沖縄戦の戦没者への慰霊がこめられているというが、緑間はここで柳元美香が古式巫女舞から派生させた観音舞と共演し、静的な所作からでも力強いエネルギーを湧きあがらせる。
『RE BORN「再生」〜Boléro〜』緑間玲貴と観音舞 (撮影:仲程長治)
この度は新たな挑戦も盛り込まれる。ロマンティック・バレエの名作『ジゼル』を現代の視点から再創造する試みで全幕上演を構想している『MYRTHA』より抜粋、沖縄の先祖供養の祭事を扱った『清明(せいめい)』(振付:上杉真由)、緑間が倭建命、前田が弟橘媛命に扮する『the SWAN~倭建命~』などの新作も披露。全体は2部構成で、それぞれは独立した作品であるが、「一人の女性の魂の転生と昇華」を描くオムニバスとして提示する。
『Lumières de l’Est~東方からの光~』より百十踏揚 前田奈美甫 (撮影:仲程長治)
「トコイリヤ」を見る度に「真の創造とは何か」を考えさせられる。一つのスタイル(バレエ)を追求しつつ他分野の芸術家に敬意を抱き場を共にする。そして洋の東西を問わず古来より先人が築きあげてきた哲学や芸術観を大事に人間の期し方、行く末に思いを寄せる。「トコイリヤ」は、これ見よがしの表面的な新奇さとは無縁だ。人類が培ってきた叡智と今を生きる我々の切実な願いを踊りで表し、心洗われるような未体験の感動へといざなう。そこには唯一無二の豊かな宇宙が広がっているのである。
文=高橋森彦

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