ヴァイオリニスト戸澤采紀がピアニス
ト樋口一朗とリサイタルで共演 公演
を前にスペシャルインタビューが実現

2019年11月23日(土)トッパンホールにて『戸澤采紀ヴァイオリンリサイタル』が開催される。第85回日本音楽コンクールヴァイオリン部門で最年少優勝に輝いた戸澤采紀と、同コンクールピアノ部門で優勝した樋口一朗が共演する本公演を前に、スペシャルインタビューが行われたので紹介する。
――今回のリサイタルでは、戸澤さんから樋口さんに共演を依頼したそうですね。
戸澤さん(以下、 敬称略):はい。音コン(日本音楽コンクール)の翌年のツアー中もずっと一緒に同じコンサートに出演していたんですが、あまり共演の機会がなくて。今回のリサイタルは、まず曲目を決めたのですが、中でもラヴェルの音のイメージが私の中で樋口さんにぴったりはまっていたので、お誘いさせていただきました。
――お互いへの印象を教えていただけますか?
戸澤:樋口さんは朗らかな人柄で、一緒に演奏していて焦ったり不安になる要素がなく、とても安心できる人柄です。音も明るくきらきらしていて、惹かれるものがたくさんありますね。
樋口さん(以下、 敬称略):戸澤さんは、ヴァイオリンを弾いているときと、普段のギャップがすごいです。一緒に音楽を作るときはしっかり芯が通っていて、説得力がある感じだけれど、ふだんは明るい女の子ですね(笑)
戸澤采紀
――いま、戸澤さんは大学1年生、樋口さんは大学院1年生ですが、大学生・大学院生になって、音楽との向き合い方に変化はありましたか?
戸澤:時間に余裕ができたので、同じ曲をゆっくり勉強したり、夏休みを全部勉強に捧げたりと、久しぶりに自分のために音楽を学んでいる感じがあって、有意義に過ごせていると思います。
樋口:音楽に充てる時間が増えて、集中できています。同時に「ちゃんとしなきゃ」とも感じていて、責任を果たしながら、技術も高めていきたいです。
樋口一朗
――音楽を学ぶ上で大切にしていることはありますか?
戸澤:演奏を聴いて「安定している」と言ってくださる方が多いのですが、自分ではそういうつもりがなくても、お客様には、音楽よりも先に技術が聴こえてしまっているのかなと思いました。表現のために技術があって、技術のために表現があるわけではないので。技術が見えない、技術に聴こえない音楽が今の目標なのですが、すごく難しいです。
樋口:音楽の内容については、やりたいことが子どものころからぶれていないんですが、今はそれに加えて、目標が2つあります。ひとつは、自分の中身を成長させること。積極的にいろいろな人と関わったり、美術館などいろいろな場所に行ったりして経験を積むということですね。もうひとつは物理的にピアノのことを勉強して、自分のイメージと実際の演奏をできる限り近づけたいと思っています。
――今回のプログラムでは、どんなところにこだわっていますか?
戸澤:まず、コンセプトとして、前半と後半にひとつずつメインのヴァイオリン・ソナタを置きました。イザイは毎年勉強して、毎年リサイタルで演奏させていただいているので、 今回は2番を選び、ラヴェルの前に。スターターは当初、シューベルトかモーツァルトのソナタを弾こうかとも思ったのですが、シューベルトの「華麗なるロンド」が冒頭、とても印象的な始まり方をするので、それをリサイタルの最初に持ってきたらかっこいいなと思い、このようなプログラムになりました。前半が重いプログラムなのですが、その分後半はエンターテインメント性があるので、楽しんでいただければと思います。
――最後に、今回のリサイタルへの意気込みをお願いします!
戸澤:ふたりにしかできない演奏があると思うので、「伝えたい」と感じることに妥協せず、 命を削って弾きたいと思います。
樋口:今の自分たちの演奏が交わって、どんな音楽になるのか楽しみです。
戸澤采紀
さらに2019年12月24日(火)浜離宮朝日ホールにて、戸澤采紀がピアニスト西川響貴、チェリスト泉優志と、このコンサートのために結成した一夜限りのスペシャルトリオで「トリオ・クレスコ コンサート」が開催される。
戸澤は「ピアノの西川くんとはずっとデュオをやってきて、チェロの泉くんとはカルテットをやってきたので、彼らのことはとても信頼していますし、音楽的にも遠慮なくぶつかり合える」とコメントしており、西川のことは「どんな時も思いを込めて弾いてくれる熱いピアニスト」、そして泉については「直感が冴えていて、アカデミックに考えて弾く私(戸澤)とは違うタイプの印象的な演奏家」と語っている。
戸澤采紀 /Saki Tozawa プロフィール
第85回日本音楽コンクール最年少(15歳)優勝、 第69回全日本学生音楽コンクール中学校の部東京大会第1位、 全国大会第1位、 2017年ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール第2位(最高位)、 第15回大阪国際音楽コンクール第1位等、 これまでに数々のコンクールで入賞。 2017年Kronberg Academy にてアナ・チュマチェンコ氏のマスタークラス受講。 2018年第11回ミュージックアカデミーinみやざき 優秀賞受賞。 室内楽にも積極的に取り組み、 2018年よりチェルカトーレ弦楽四重奏団に加わり、 サントリー室内楽アカデミー第5期フェローとして学んでいる。
現在、 玉井菜採、 ジェラール・プーレ、 ドンスク・カンの各氏に師事。 2017、 2018年度ヤマハ音楽奨学生。 江副記念リクルート財団 第48回奨学生。 使用楽器は、 文京楽器の協力によりイギリスのBeare International Society より貸与されている、 Matteo Goffriller。 現在、 東京藝術大学音楽学部1年に宗次徳二特待奨学生として在学中。
樋口一朗 /Ichiro Higuchi プロフィール
桐朋学園大学大学院1年に特待生として在学中。 2018、 2019年度ロームミュージックファンデーション奨学生。
第35回飯塚新人音楽コンクール第1位。 第85回日本音楽コンクール第1位。 併せて、 野村賞、 井口賞、 河合賞、 E・ナカミチ賞、 アルゲリッチ財団賞を受賞。 第16回チェコ音楽コンクール第1位。
奨学生としてドイツのleipzigで開催されるメンデルスゾーン国際音楽アカデミー2018に参加。
これまでに青柳晋、 M.Voskresensky、 P.Devoyon、 B.Riggtto、 Jean-Claude= Pennetier、 M.Raekallio、 J.Rouvier、E.Virsaladzeの各氏のレッスンを受講。 これまでに川口由美子、 中村順子の各氏、 現在岡本美智子氏に師事。

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