三代目JSB小林直己、自ら「灰を食べ
たい」と行定勲監督に提案していた『
その瞬間、僕は泣きたくなった』完成
披露上映会で明らかに

10月15日(火)、東京・TOHOシネマズ日本橋にて、『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』完成披露上映会が行われた。舞台挨拶には、キャストの小林直己(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、今市隆二(三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE)、行定勲監督、洞内広樹監督、井上博貴監督が登壇した。
『CINEMA FIGHTERS project』は、EXILE HIRO、SSFF & ASIA代表の別所哲也、作詞家・小竹正人氏の3人によって打ち出された、詩と音楽、映像を一つに融合するプロジェクト。2017年には第一弾、2018年には第二弾が劇場公開された。11月8日(金)に公開される第三弾『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』では、三池崇史監督、井上監督、松永大司監督、洞内監督、行定監督がそれぞれメガホンをとる。
三池監督の『Beautiful』にはAKIRA(EXILE/EXILE THE SECOND)、井上監督の『魔女に焦がれて』には佐藤、松永監督の『On The Way』には今市、洞内監督の『GHOSTING』には佐野、行定監督の『海風』には小林がそれぞれ出演。各作品の主題歌には、今市、Crystal KayLISALeola、琉衣による5つの楽曲が起用されている。

『海風』に主演した小林は、自身の役柄へのアプローチについて質問されると、「脚本の段階で、蓮というキャラクターに共感する部分がたくさんありました。撮影前に、監督と食事をする機会があり、そこで蓮のバックボーンについてたくさんお話しすることができました。短い撮影でしたが撮影現場はセッションしているような感覚でした。行定組の船の上で暴れさせてもらった感じがしております」と笑顔で振り返る。
また、蘭役の秋山菜津子との共演シーンでのエピソードについて、小林は「対面で食事をするシーンでは、向き合うことで二人の関係性が見えてくるという印象を受けました。食事のシーンが繰り返されることに何か狙いがあったのでしょうか?」と、行定監督に質問。
これに対し、行定監督は「ヤクザと娼婦が朝飯を一緒に食べているところが撮れればいいと思っていました」と回答。「ぼくらが思っている古き良き横浜の歴史、情緒みたいなものがこの二人だからこそ出てくるものがあると思っています」と付け加えていた。また、食事のシーンについて、「小林さんがうまそうに食べるんですよ。飯がうまく食える役者は重要です。食べ物にこだわったので、本当に良いシーンが撮れました」と絶賛した。
『海風』は、ヤクザと歳の離れた娼婦の心の交流を描いた物語。この設定について、行定監督は、「『2、30年前の横浜って懐古的で、ノスタルジックでいい場所だよね』と小竹さんと話していたところからスタートしています。そこからは、小竹さんが歌詞を書いて送ってくる、それを見て僕がシナリオを書くという往復書簡的な感じで進めていきました」と述懐。シナリオ制作中のエピソードにも触れ、「『蓮役は小林くんがいい!』と小竹さんがおっしゃって。小林さんの首の太さが活かせる役、ヤクザか刑事。だったらヤクザでいこう、ってことになったんです」と説明し、会場からの大きな拍手と笑い声を受けていた。
また、劇中で小林が灰を食べるシーンにも言及。行定監督が、「突然、現場で『灰を食べたい!』というので、脚本に加えました。物語のキーになっているシーンだし、小林さんのなかから生まれた熱いものを感じました。現場では、むせてたけどね(笑)」と明かすと、小林は、「思った以上に食べてしまって、気管に入ってむせてしまいました」と明かし、苦笑いを浮かべていた。
今市隆二(三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)
『On The Way』で初演技を披露した今市は、ロケ地のメキシコについて、「演技も初めてですし、メキシコも行ったことがありませんでした。作中のように銃を突きつけられた経験もない。どれも初めてだらけで、演技前にイメージしようにもできなかったというのが正直あります」と振り返る。撮影では、観光で行かないようなローカルな場所も数ヶ所訪れたという。そんな撮影について、今市は「街の人、スタッフの方たち、みなさんが生きることに前向きで、明るくて、優しかったです。また行きたいと思った街でした」と笑顔でコメントした。
撮影に入る前は、松永監督と2回食事をする機会があったことに触れ「プライベートから仕事の話まですべてお互いにさらけ出したことで、いい信頼関係の中で撮影がスタートしました」と振り返りつつ、続けて「でも、最初の撮影現場で監督の様子が豹変しました。20テイクも撮り直しをし、初めての演技で“食らった感”を味わいました。そこで、監督から『アーティストではなく、人間としての今市隆二を撮りたい』とおっしゃっていただき、技術面ではなく内面を引き出そうと必死になってくださっていたことがわかりました」と語る。
作品を観たという小林は、「ものすごいナチュラルで、僕が彼のことを深く知っているからこそわかる、普段あまり見せていない部分が出ていると感じました。すごく良かったし、もっと演技をするところが観たいです」と賞賛すると、今市は「今回は短編でしたが、長編もやってみたいという欲も出てきました」と宣言し、会場から大きな拍手を送られていた。
『GHOSTING』に主演した佐野は、「過去に戻るのは、いくつになってもワクワクする」と脚本を読んだ際の感想を明かし、「この作品は、ワクワクの中にも、大切なメッセージや本人が抱えているトラウマが描かれていました。ノスタルジックな雰囲気の中で、バクという役に共感しながら撮影に臨むことができました」と笑顔で振り返る。一方で、「過去には絶対戻りたくないです」とも。その理由を、「楽しい過去には戻りたいけれど、『過ぎちゃったことはしょうがねぇ』という精神だし、何より、辛かったり苦しかった気持ちは二度と味わいたくないです。戻るなら、いいとこ取りで戻りたい(笑)」と明かした。これに小林が「結局戻るんかい!」とツッコミを入れると、佐野は「怒られているところには戻りたくないですからね」と笑顔で切り返し、会場の笑いを誘っていた。
洞内監督は、「小竹さんに、『LOVE、DREAM、HAPPINESSどれにする?』と質問されて、『LOVEで行きます』と答えました」と説明。きっかけとなったのが自身の妻だったことに触れつつ、「出会って死ぬまでは支えられるけど、出会う前の人生は見ることができないし、どうしようもできない。だからこそ、自分と出会う前の彼女に会ってみたいという思いが芽生え、そこからスタートしました」と振り返っていた。
佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE
『魔女に焦がれて』に主演した佐藤は、「僕自身、(演じた)雅人のようなもの静かな役は初めだったので『大変そうだな』と思いました。自分の周りにいる、なよなよした人や、ちょっぴり暗いタイプの子を観察して参考にしました」と説明。自身との共通点については「全くないです!僕は告白とかできないタイプなので」と明かした。続けて、「現場でどんどんセリフが削られていくので、不安になっていたのですが、その理由を『目で表現できている』と監督が説明してくれたので、褒め言葉だと受け止めてがんばりました!」と撮影を振り返っていた。
同作の井上監督は、小竹氏と話をする中で、恋や受験に悩む高校生のラブストーリーを想い浮かべたという。「僕の作品を気に入っていただき、今回のお話をいただきました。その作品が学園ものだったので、だったら卒業とか初恋をテーマにしようということになりました。大人もキュンキュンするような青春映画を撮ってほしいというリクエストでした」と語った。また、佐藤の演技については「ロジカルな思考の持ち主でありながらも、キャラクターの感情を踏まえながら、演技のプランニングをする人です。そして自身が立てたプランを乗り越えようとするところに、演技に対する意気込みを感じました」とコメント。これに対し、佐藤は笑顔で「ありがとうございます」と応え、深々とお辞儀していた。
最後に、『On The Way』の主題歌を担当した今市が、本作の主題歌5曲が10月16日から 5週連続で配信されることを発表。今市の歌う「Church by the sea」は10月30日に配信を予定している。また、映画の公開記念舞台挨拶が11月9日に東京と大阪、2ヶ所で開催することも発表された。
『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』は2019年11月8日(金)より TOHOシネマズ日本橋 ほか全国公開。

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