【RIZIN.19 見どころコラム(後篇)
】“ジャイアントキリング”朝倉海連
続参戦! 地獄の生き残り戦・ライト
級GPも開幕

■新たに2大カードが電撃追加
RENAの復帰戦にライト級GP開幕と、すでに申し分ないカードが揃った「RIZIN.19」(10月12日、エディオンアリーナ大阪)だが、大会目前、さらなるビッグカードが2つが追加された。メインイベントとなる朝倉海vs佐々木憂流迦、そしてキックボクシングルールで激突するRISE WORLD SERIES王者・白鳥大珠vs元K-1王者・大雅だ。
■日本MMA史上最大のアップセッター朝倉海
[第12試合/スペシャルワンマッチ RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)※肘あり] 朝倉海 vs.佐々木憂流迦
朝倉は記憶に新しい8・18「RIZIN.18」において、RIZINとベラトールの2冠王・堀口恭司と対戦。堀口は6月に聖地マジソン・スクエア・ガーデンでベラトール王者ダリオン・コールドウェルに判定勝ちして世界2冠に輝き、凱旋試合としてこの一戦に臨んでいた。
2冠達成後、自ら「堀口恭司と戦いたいっていう選手、ぜひ名乗りを上げてください」と呼び掛けた堀口だが、そこに手を上げたのが朝倉海。17年12月のRIZIN初参戦から4連勝と好調に進んだ朝倉は、しかし相手の欠場や自身の負傷もあり、これが8ヵ月ぶりとなる復帰戦。だが、「『お前じゃまだ早い』という声がありました。そう言われても仕方ないですけど、RIZINに出た時からチャンピオンを目標にして世界のトップになるためやって来たので、チャンスがあるなら迷わずやらせてくださいと言いました」と嗅覚鋭く名乗りを上げ、対戦実現に漕ぎ着ける。
そして「全てを懸けて戦います。試合、結果で証明します」と語った通り、堀口を68秒KOで撃破。“日本MMA史上最大のアップセット”とも言われる、大勝利をものにした。
■“寝技天狗”憂流迦、海の野望を白紙に戻すか
海の兄は「ジ・アウトサイダー」を経てともにRIZINで活躍する未来。あまりにも的確な分析と作戦で知られるが、堀口戦でもその作戦が的中。伝統派空手の速いステップから打ち込まれる堀口の強打にあえてカウンターを合わせて効かせ、組みつかんとする堀口を突き放してパンチとヒザで追撃し、逆転を許さずに勝利した。
海は大晦日に堀口とタイトルを懸けての再戦が有力視されるが、自身との試合を日本格闘技界を盛り上げるために受けた堀口の姿勢に倣うように出場を決意。当初4月に対戦が予定されるも内臓疾患により欠場となった憂流迦との試合がここにスライドして実現する運びとなった。
海は堀口戦の勝利でRIZINの勢力図に地殻変動を起こし、憂流迦との位置づけを入れ替えた。4月の対戦予定時は挑む立場であったが、今回は赤コーナーに立ち憂流迦を迎え撃つ立場となる。
8月まで、RIZINは石渡伸太郎、扇久保博正、元谷友貴、憂流迦の“バンタム級四天王”が堀口との対戦を狙っていたが、ここへ海が割って入り序列を崩す形に。しかし、また憂流迦が海を降すとなればますますRIZINバンタム級は混沌としてくる。はたしてさらなる盛り上がりは海が強さを見せ堀口戦に繋げ生てみ出すのか、それとも“寝技天狗”憂流迦が海の野望を白紙に戻し作り出すのか。
■天心と並ぶRISE王者・白鳥
[第4試合/スペシャルワンマッチ RIZIN キックボクシングルール:3分3R(62.0kg)] 白鳥大珠 vs.大雅
キックボクシングでもビッグマッチが決定した。RISEで3月から半年に渡り行われてきたWORLD SERIESトーナメント、-58㎏級の那須川天心とともに-61㎏を制したのが同門の白鳥大珠。決勝は9月16日に行われ、そこから1ヵ月と置かずの連戦となるが、白鳥はその決勝で“日本ムエタイ界の至宝”梅野源治を初回KO。レジェンド相手に完勝を果たし、新時代到来を印象づけた。
幼少から極真空手を学んだ白鳥は小学6年で全日本制覇、中学生で新空手王者となり、キックボクシングの道へ。高校3年で王座を獲得するなど早くも活躍を見せる。その後19歳でプロボクシングへ転向すると、8勝3敗の戦績を残し18年4月にキックボクシングへカムバック。そこからは負けなしで連勝街道をひた走り、WORLD SERIESトーナメントでは格上のヘクター・サンチアゴ、セクサン・オー・クワンムアン、梅野を次々破りジャンプアップの優勝を果たした。中でも対日本人無敗の梅野を左ストレートで沈めた一戦は、一際強い印象を残した。
トーナメント制覇後、「これからRISEを引っ張ります。これからは僕の時代です。天心だけじゃありません。何なら一番上に行ってやろうと思います」と宣言した白鳥だが、その意気込みを表すようにさっそく元K-1王者・大雅との一番がRIZINで組まれた。
その爆発力あるファイトでK-1王者に就いた大雅は、18年9月からRIZIN参戦を果たすも苦闘が続き、7月の“居合パンチャー”町田光戦でダウンを奪い、判定でRIZIN初の白星を得た。
勢いは白鳥にあるが、大雅も町田戦で復活の兆しを得た。RISEとK-1でともに頂点を極めたサウスポー同士の好カード。白鳥がさらに輝くか、戴冠初戦の堀口に土をつけた朝倉海の戦いを大雅が再現するのか。
■地獄の生き残り戦ライト級GP開幕
同大会から8人の精鋭ライト級選手たちによるトーナメント戦『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019ライト級トーナメント』が始まる
今大会で開幕するライト級トーナメントは1回戦を大阪で行い、準決勝と決勝は大晦日に実施し優勝者を決する。対戦カードは以下の通り。
[RIZIN MMAトーナメントルール : 5分3R(71.0kg)]
・ジョニー・ケース vs ホベルト・サトシ・ソウザ
・パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ vs 川尻達也
・ルイス・グスタボ vs 上迫博仁
・トフィック・ムサエフ vs ダミアン・ブラウン
■サトシ、川尻、上迫、日本勢勝ち上がりなるか
[第9試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)] ジョニー・ケース vs.ホベルト・サトシ・ソウザ
ともにトーナメント有力候補と見られるケースとサトシはどちらもRIZIN2連勝。ケースは矢地祐介にギロチンチョークを極め、北岡悟をヒジ連打でTKOに沈めた。一方、柔術世界王者の冠を持つサトシはこれまで北岡、廣田瑞人を降しているが、いずれも打撃で決着しておりRIZINではいまだ柔術技を披露するに至っていない。そのポテンシャルを全開にした時、どこまで強さを見せるのか。ケース戦はトーナメント制覇を占う一戦となる。
[第8試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)] パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ vs.川尻達也
フレイレは弟のパトリシオとともに兄弟でベラトールで活躍する選手。“ピットブル”の名前そのままに好戦的な戦いでジョシュ・トムソン、ベンソン・ヘンダーソンといった強豪にも勝利しており、強打で重ねたベラトールでのKO勝利10は団体レコードにもなっている。ライト級GPを「40代最後のチャレンジ」と位置づける川尻は、その強打をかいくぐり泥臭い展開となっても勝利を掴みたい。川尻も「絶対生き残ります」と会見でその覚悟を見せた。
[第7試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)] ルイス・グスタボ vs.上迫博仁
「この試合がもしつまらなかったら坊主になります」とRIZINマッチメイク担当のチャーリー氏が語るほど自信を見せるのがグスタボvs上迫戦。まさに“狂犬”といった超アグレッシブファイトを展開するグスタボに対し、上迫も殺傷力あるサッカーボールキックを得意とする。このデンジャラスマッチの結末やいかに。
[第6試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)] トフィック・ムサエフ vs.ダミアン・ブラウン
ムサエフvsブラウンは散打世界王者(ムサエフ)と“ゾンビモード”とも言われる打たれ強さを持つ両者の顔合わせ。どちらが勝ってもすんなり勝ち上がりとはいかない混戦となりそうだ。
ライト級GP、キャッチコピーは「この冒険に、仲間はいない」。1回戦を勝ち上がった4選手は再度シャッフルされ、大晦日の準決勝・決勝のカードが決定される。大冒険の果て、大晦日に生き残る最後の1人はどの選手となるか。
【対戦カード】
[第13試合/スペシャルワンマッチ RIZIN MMAルール:5分3R(100.0kg)※肘あり]
イリー・プロハースカ vs.ファビオ・マルドナド
[第12試合/スペシャルワンマッチ RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)※肘あり]
朝倉海 vs.佐々木憂流迦
[第11試合/スペシャルワンマッチ RIZIN女子MMAルール:5分3R(49.0kg)]
ハム・ソヒ vs.山本美憂
[第10試合/スペシャルワンマッチ RIZIN MMAルール:5分3R(51.0kg)※肘あり]
RENA vs.アレキサンドラ・アルヴァーレ
[第9試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)]
ジョニー・ケース vs.ホベルト・サトシ・ソウザ
[第8試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)]
パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ vs.川尻達也
[第7試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)]
ルイス・グスタボ vs.上迫博仁
[第6試合/RIZIN FIGHTING WORLD GP2019 ライト級トーナメント開幕戦 1stROUND RIZIN MMA トーナメントルール:5分3R(71.0kg)]
トフィック・ムサエフ vs.ダミアン・ブラウン
[第5試合/スペシャルワンマッチ RIZIN MMAルール:5分3R(77.0kg)]
中村K太郎 vs.マルコス・ヨシオ・ソウザ
[第4試合/スペシャルワンマッチ RIZIN キックボクシングルール:3分3R(62.0kg)]
白鳥大珠 vs.大雅
[第3試合/スペシャルワンマッチ RIZIN キックボクシングルール:3分3R(77.0kg)]
松倉信太郎 vs.小西拓槙
[第2試合/スペシャルワンマッチ RIZIN MMAルール:5分3R(無差別級)]
シビサイ頌真 vs.キム・チャンヒ
[第1試合/スペシャルワンマッチ RIZIN キックボクシングルール:3分 3R(56.0kg)]
植山征紀 vs.梅井泰成
※対戦カードは変更になる場合がございます。

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