【ザ・クロマニヨンズ 山人音楽祭
2019】ピュアで痛快なロックンロール
が貫く核心

山人音楽祭 2019【赤城ステージ】 ザ・クロマニヨンズ
早くも今年の『山人音楽祭』1日目も終盤へと差しかかった。フルスロットルの爆音ロックンロールを赤城ステージにぶちかましたクロマニヨンズは、「クロマニヨン・ストンプ」「突撃ロック」「エルビス(仮)」という序盤のスリートップで完全に集まったお客さんの心を鷲掴みにした。ツーバスを駆使した桐田勝治(Dr)による重たくて速いビート、真島昌利(Gt)の切れのあるギターと、小林勝(Ba)の強靭なベース、そして、体当たりでぶつける甲本ヒロト(Vo)のボーカル。この4人が同じステージで音を鳴らすことによって生まれる興奮に、もはや理屈はいらない。
ザ・クロマニヨンズ
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「ギリギリガガンガン」では、“今日は最高”と歌いながら、ステージに寝っ転がって駄々っ子みたいに足をバタバタするヒロト。30年以上バンドを続けてなお、青春のど真ん中にいるみたいなこの衝動は何だろう。「ぶっとばしていくぜー!」と突入した「生きる」のあと、会場を真っ赤に染めた「どん底」では、“どん底だから あがるだけ”と、身も蓋もないほどポジティブなフレーズでシンガロングを巻き起こす。その場所に身を委ねるだけで無敵になれる気がする。それがクロマニヨンズのロックだ。
ザ・クロマニヨンズ

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6曲を畳みかけたところで、「呼んでくれてありがとう。それから、みんなも集まってくれてありがとう。ここまで最高。これからも最高。最高の1日にして帰ってください」と、MCでヒロトが伝えると、後半戦は、新曲「クレーンゲーム」で口火を切った。カツジが打ち鳴らす大砲みたいな破壊力のあるビートにのせて、景品がとれそうでとれない“クレーンゲーム”が何かに似ている、と歌うナンバー。たぶん思い浮かべる“何か”は、みんな似たり寄ったりだと思う。そうなんだ、とれそうでとれないんだよ、人生は。
そこから終盤は怒涛の展開だった。ヒロトが激しくブルースハープを吹き鳴らした「エイトビート」、シャツを脱ぎ捨てた「タリホー」、進むべき道へと鼓舞する「ナンバーワン野郎!」まで、一気に駆け抜けて終演。去り際は「またやりたい、またやらせてください!ロックンロール!!」と叫んだヒロトのあとに、「またね」とマーシーがぽつり。全部がかっこよかった。

文=秦理絵 撮影=柴田恵理
ザ・クロマニヨンズ

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