関守役の石田明(NON STYLE)

関守役の石田明(NON STYLE)

【インタビュー】舞台「相対的浮世絵
」石田明「舞台に出れば出るほど、そ
れが漫才にも生きてくる」

 2004年、2010年に上演され、大好評を博した土田英生の傑作コメディ「相対的浮世絵」が9年ぶりに、青木豪演出で上演される。主演を務めるのは、成長目覚しい山本亮太(宇宙Six/ジャニーズJr.)。伊礼彼方、石田明(NON STYLE)、玉置玲央、山西惇が脇を固め、笑いの中にも人間の性(さが)や業を描き出す本作に挑む。お笑い芸人として活躍するだけでなく、舞台作品にも積極的に参加する石田に、演劇への思いを聞いた。
―再々演となる本作ですが、これまでの作品はご覧になりましたか。
 見ました! ただのコメディとしての面白さだけじゃなく、人間というものをしっかりと描いていて面白い作品でした。
―今回、石田さんは、ややこしい問題を抱えながら生きているところに、高校生の時に死んだはずの同級生と再会する関守を演じます。今現在、どのように演じたいと考えていますか。
 振り幅を大きくしたいと思ってます。関守は真っ直ぐな人間で、その真っ直ぐさが物語のねじれにつながっているので、それを思いっきり表現したいです。
―主演の山本さんとは初共演ですが、彼の印象は?
 以前に一度、新幹線で会ったことがあるんですが、その時は「今度、ご一緒させてもらいます」ってあいさつしてくれました。その時も、すごく爽やかで、シトラスの香りが自然と出ているような雰囲気の方だったので、僕もその爽やかさをもらって帰ろうと思ってます(笑)。僕もどんどんおじさんになってますし、今、色々と黒い感じなので(笑)。
―石田さんは舞台の脚本も書かれたり、演出もされたりしていますが、もともと、演劇に興味があったんですか。
 僕はそもそも、「ザ・プラン9」というお笑いユニットの久馬さんが漫才をやっている姿を見て、衝撃を受けて、この世界に入ろうと思ったんです。それで、吉本に入ったんですが、久馬さんは演劇集団を作っていたので、僕も演劇をと思ったんです。僕、ずっと久馬さんを追い続けているんですよ。久馬さんが演劇をやっているからやる。久馬さんが脚本を書いているから僕も書く、という感じでずっと追いかけています。
―では、お笑いと芝居のバランスというのは、石田さんの中でどのように取っているのですか。
 僕はお笑いと舞台という線引きではなく、「生もの」と「映像」という線引きをしています。テレビのバラエティや映画、ドラマなんかは「映像」、お笑いや舞台は同じ「生もの」というくくりです。なので、お笑いと舞台では線引きはしてないですが、なるべく(舞台に出演することで)お客さんの前に立とうということは心がけています。お客さんから受け取るものも多いので、舞台に出れば出るほど、それが漫才にも生きてくると思います。
―相方の井上裕介さんと同じ舞台作品に出演することは少ないように思いますが、一緒に出たいという思いはありますか。
 それは思わないですね(苦笑)。舞台に一緒に出ても、漫才を超えるパフォーマンスはできないですから。漫才以上の化学変化は起こらない。だから、一緒に芝居をやろうとは思わないですね。でも、以前にやったことはあるんです。井上が僕の肩を押すシーンで、押したつもりが全然届いてなかったということがあって…あいつ、自分の腕の長さが分かってないんですよ(笑)。ほんまに笑いそうになって、それ以来、こいつとはできないなって思ってます。
―井上さんを(芝居で)演出しようとは思いませんか。井上さんを一番ご存知なのは石田さんですよね。
 そうなんですが、多分、これ以上僕のプロデュースを受けたくないと思いますよ、井上は(笑)。漫才だけでも、せりふを言わされているのに、それ以外の仕事でもこうしてくれ、こう動いてくれと僕に言われるのはストレスだと思います(笑)。
―では、コンビで活動している時と、本作のように個人で活動している時では気持ち的に違いがありますか。
 井上とやっていると、井上が面白く映る方向に動くので、すでに型が決まっちゃっていて実は退屈だったりもします。もうコンビを組んで20年以上になりますから、その中でいろいろな型が作られてきて、新しいワードで埋めたとしても同じ型だったり、その延長線上にあることが多いんですよ。でも、個人で活動して、例えば芝居をやるとこんな戦い方もあるんだということに気付かされます。こんな笑いの取り方もあるんだって気づくことが多いので、面白いんです。
―お芝居に出演する際の役作りはどのようにされていますか。
 演劇プランをたくさん持って稽古場に来られる役者さんもいらっしゃると思いますが、僕はそういうことができないので、稽古をしていってそのキャラがどれだけ馴染むか待ちみたいなところがあります。ある日、急にストーンと落ちてくることがあるので、それが徐々に増えていって、役がハマったらいいなと思います。
 それから、座組みの中の人間関係が良ければ芝居もより良いものになると思っているので、今回は伊礼さんとどれだけ仲良くなれるかが大事だと思っています。なので、僕の役作りとしては、キャラをどうするかよりも、どれだけの仲が作れるかということに重きを置いています。
―石田さんは誰とでもすぐに仲良くなれるタイプですか。
 そうですね。芸人さんはなれないんですけど、役者さんはなれます(笑)。
―なぜ芸人さんはなれないんですか(笑)。
 オーディションを受けている気になっちゃうんです。つねに面白いことを要求されて、試されているような気がして、普通にしゃべれないんです。だから、僕、芸人の世界では全く喋らないです(笑)。役者さんの中に入っている時は、特別面白いことを言うわけではないですが、普通に喋っています。舞台をやると、共演者の方とは大抵仲良くなれるので、共演した方とは今でも連絡をとっています。僕が次に書いた舞台に、そうやって仲良くなった役者の方に出ていただくこともありますし、縁は大切にしたいと思っています。
―改めて、作品への意気込みを。
 面白い脚本に、僕たちがどれだけ面白い要素を足せるのかだと思っています。そして、それと同時に、この舞台が伝えたい本質を明確に見せられたらいいなと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)
 舞台「相対的浮世絵」は10月25日~11月17日に下北沢本多劇場、11月22日~24日にCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演詳細はhttp://cubeinc.co.jp/stage/info/soutaiteki2019.htmlへ。

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