中川晃教、加藤和樹、大原櫻子が魅せ
る新作ミュージカル『怪人と探偵』開
幕へ フォトコール&初日前会見レポ
ート
ミュージカル『怪人と探偵』フォトコールの様子
大怪盗・怪人二十面相と名探偵・明智小五郎。江戸川乱歩が生み出した日本文学史上最も有名な二人の主人公が、「世界で一番綺麗な宝石」をめぐって華麗な対決を繰り広げる新作ミュージカルだ。
この日は2場面が公開された。
1つ目は、冒頭からおよそ20分間の「大東亜博物館」のシーン。舞台中央には、ガラスケースに入ったチベットの秘宝・シャングリラの雫。怪人二十面相の襲来に備え、探偵団や警官たちが警備をしている。低音部が脈動する、変拍子のスリリングな音楽が迫り来る危機を予感させる。中川晃教が演じる怪人二十面相と、加藤和樹が演じる明智小五郎の最初の“対決”シーンは、東京スカパラダイスオーケストラによるテーマ曲『憂愁モダン』に合わせ、緻密に計算されたステージングで進行する。ジャジーでテンポの良い曲。踊りありアクションあり。高揚感を一気に高めながら幕が上がった。
ミュージカル『怪人と探偵』フォトコールの様子
ミュージカル『怪人と探偵』フォトコールの様子
−−本日初日を迎えますが、今のお気持ちをお聞かせください。
オリジナルミュージカルを作ることはとても大変ですが、日本語の美しさであったり、日本語の歌詞だから歌える歌であったり、そういうのを目指して、(江戸川)乱歩さんの力を借りたんですが、『怪人と探偵』を作ることができました。素晴らしいキャスト陣、スタッフ、みんなの力で今日を迎えられたと思います。(フォトコールで)ちょっとご覧になったと思いますが、これは続きも観たいなという風に思っているんじゃないかなと思います。どうぞお時間ありましたら、全編観てていただきたいと思います。どうぞこの『怪人と探偵』、そして日本のミュージカルを応援、よろしくお願いします。
明智小五郎、そして怪人二十面相という永遠のライバルが奪い合うのが、世界の財宝を超えたもの。それが一つテーマになっていまして、それが、リリカを演じる櫻子さんだったりするというところがですね……それが本作のとても面白いところではないかと思います。日本でのオリジナルミュージカルは成立しづらいところはあるんですけれども、今回頑張って、みんなの力で作っておりますので、非常に面白いものになっていると自負しております。よろしくお願いします。
中川晃教:怪人二十面相の役のお話を最初に雪之丞さんからいただいたときに、いろんな顔を持つ役を演じることができるのか、まず興奮しました。音楽、脚本と、順次出来上がってくるものを見ながら、そして白井晃さんと会いながら、一つひとつのブロックのピースができていって、今日初日にしっかりとピースが形になるところ。俳優としても、また、一人の個としても、携わることができている。この経験は、これまでの僕のミュージカルの経験の中で、なかなか味わうことのできない経験をさせていただいていると思っています。
新作、オリジナルミュージカルですから、本当にいろんなことが毎日現場で起こっています。でも、それは、お客様に観ていただいて、観に来ていただいたお客様が「あぁすごいものを観た! 楽しかった!」と。白井さんの世界観、雪之丞さんの世界観、この個性が揃った俳優たちの力がちゃんと実っていく。その全てが叶って、あぁ観に来て良かったと、中華街と同時に、お客さんに来ていただけるように、最後まで頑張っていきたいと思っています。そこが一つのゴールであって、スタートラインだと信じて、今日の初日の舞台に立ちたいと思っております。KAAT神奈川芸術劇場から始まります、日本発のオリジナルミュージカル、どうぞ応援よろしくお願いいたします。
加藤和樹:『怪人と探偵』は、雪之丞さんも仰っていましたが、5年という時間をかけて作り上げられて、そこに僕たちが稽古から乗っかって、みんなで気持ちを一つに、初日を迎えられるまで稽古を重ねてまいりました。その中で、明智のイメージは完璧でスマートな人だったんですけれども、そこに「愛」という一つのテーマ、憎しみ、怒り、嫉妬といった人間の感情というものを感じています。
二十面相も明智小五郎も一人の人間なんだという、人間ドラマのようなもの、ただエンターテインメントだけではなく、人間ドラマがちゃんと描かれているところがこの作品の魅力の一つなのかなと思います。個人的にはアッキーさん(※中川晃教)と2回目の共演ということで。またこうして、ライバルというか、相対する役を演じさせていただくことは非常に光栄で、対峙する度ににやけてしまうというか(笑)。気持ちが高揚します。そのほかにも、この個性豊かなキャストが舞台上で様々な表情を見せるので、この『怪人と探偵』、ぜひよろしくお願いします。
オリジナルということなので、今日初日ですけど、千秋楽に向かってどんどん変わっていくんじゃないかなと思っています。もっとああした方がいいんじゃない? こうした方がいいんじゃない? というのが、これからもっとでてくるのかなと思います。なので観に来てくださるお客様、1回と言わず何回でも観に来ていただきたいです。こんなに変化の出るミュージカルはないんじゃないかなと私は思っています。ぜひたくさん観に来ていただきたいです!
六角精児:初ミュージカルということで、普通の芝居よりスポーツに近い感じがします。たくさんみなさんご出演されているので、僕もその中に少し混ぜてもらっているような形なのですけれども、こんなに体動かすのは久しぶりだなという実感があります。
考えてみたら、僕は57歳なんですけれど、昔うちの親父の頃は55歳で定年だったわけで、定年を迎えた奴が舞台上で踊ったり、歌ったりするっていうのは、令和の時代ならではのことなのかなと。もちろん市村さん(※市村正親)とかすごい方はやってらっしゃいますけど。まぁ年の問題ではないと思うんですけれど、自分自身精神的に肉体的にも喝を入れられたような気持ちです。
今回、一番最年長になるんですけれど、みなさんとやっていると、気持ちが新鮮になるのが一番実感できたことですね。エネルギーのやりとりもするわけですけど、今日お客さんがここに入ってどんな感じに変わるのか。僕は本当に初めてなので、それが舞台上から感じられるというのを本当にワクワクしています。これから最終日に向かって、KAAT、兵庫の舞台、いろいろな形で花咲く場面も多いんじゃないかなと思います。一度観に来た人が、次観に来たら、全然違う印象のミュージカルになっているかと思います。最後に、僕が子供の頃、少年探偵シリーズ「怪人二十面相」がとても好きで読んでいたんですけれども、こんな形で舞台に立つことができて、とても幸せです。
六角さん含め、私もこんなに走る舞台は新感線以来です(笑)。いい感じで、このボディーラインがキープされればなと思います。……そんなことはどうでもよくて、とても面白い作品になっていると思います。お子様が観てもとても面白い作品だと思いますので、ぜひお子様がいらっしゃる方はお子様もお連れになってご覧いただけたらなと思います。
白井:昔、大阪の近鉄小劇場というところで夜中、警備員さんが扉を開いたら満員だったと。
森:この舞台には幽霊は出てこないから(笑)
中川:……いろんな様々な仮面をかぶって、二十面相を演じていくわけです。仮面って、もしかしたら、憧れ。本当はこうなりたいなという思いが、仮面という形になって、出てくるのかなと思ったりもします。きっと観に来てくださるお客様それぞれの仮面、そういうものがこの物語でインスパイアされたり、いろんな形で二十面相、そして明智小五郎とのバーサス、愛という形があるようでないもの、だけれど確かなもの……そういうものが一つひとつのカードが劇場いっぱいにキラキラと、ギラギラと届くように最後まで頑張っていきたいと思います。
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