劇団四季・新劇場建設現場×最新作『
アナと雪の女王』発表会見レポート

「WATERS takeshiba」の工事が進む竹芝エリアに、ふたつの新劇場が誕生する。2020年のオープンを前に都内で記者会見が行われ、新劇場の概要と劇団四季が手掛ける新作ミュージカルの演目が明らかになった。
ふたつの新劇場と自由劇場の位置関係(撮影:中田智章)
1998年に劇団四季・初の首都圏常設劇場として開場した四季劇場[春]と[秋]。2017年6月末で一旦クローズしたふたつの劇場が2020年に新劇場としてふたたび生命を宿す。
先にこけら落としを行うのはJR東日本四季劇場[秋]。こちらは7月に開場予定。会見に登壇した四季株式会社代表取締役社長・吉田智誉樹氏によると、こけら落としの演目は現在選定中で、今年の秋ごろを目途に決定できれば、とのこと。また、旧[秋]劇場に比べ、新[秋]劇場は座席数が約300増えて1200席となる。
浜松町の旧四季劇場では敷地内右手に[春]、左手に[秋]が建てられていたが、新劇場はシアター棟の上下階に分かれる。[秋]のエントランスはシアター棟の2階、[春]のエントランスは同じくシアター棟の3階という構成だ。
Caissie Levy (Elsa),Patti Murin (Anna), Jelani Alladin (Kristoff)and the Company of FROZEN. Photo by Saint (c)Disney 海外公演より
そして、9月10日にJR東日本四季劇場[春]のこけら落とし公演として上演されるのがディズニーの最新ミュージカル『アナと雪の女王』である。
2014年に日本で公開された同名の劇場版アニメーション映画も大ヒット。2018年3月にはブロードウェイで開幕し、ロンドンやシドニー、ハンブルグでの公演も決定した、今、一番勢いのあるミュージカルが新劇場のグランドオープンを飾る。
脚本はアニメーション版で監督を務めたジェニファー・リー、演出はマイケル・フランデージ(2010年『RED』にてトニー賞受賞)が手掛け、音楽は「Let It Go」でアカデミー歌曲賞を受賞したロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペス夫妻が担当。また、ミュージカル版ではアニメ映画版で使用された楽曲に加え、2幕でエルサが歌う「モンスター」等10曲以上のナンバーが追加される。
四季株式会社 代表取締役社長 吉田智誉樹氏(撮影:中田智章)
日本語版の台本と訳詞は劇団四季での勤務経験もあり、『アナと雪の女王』アニメ映画版やミュージカル『アラジン』の日本語訳詞を担当した高橋知伽江氏が手掛けるが、会見での吉田社長のコメントによると、必ずしも歌詞等はアニメ映画版と同じとは限らないとのこと。ミュージカル版として新たな『アナ雪』の世界が構築されそうだ。
Patti Murin (Anna) and John Riddle (Hans) in FROZEN. Photo by Deen van Meer (c)Disney 海外公演より
このディズニーミュージカル『アナと雪の女王』が初上演されるJR東日本四季劇場[春]も旧[春]劇場より300席増席され、1500席となる。
会見後、プレスや関係者による新劇場工事現場の見学会が行われ、施設の一部が公開された。
JR四季劇場[秋]建築現場(撮影:上村由紀子)
この日、見学ツアーでアテンドされたのは新[秋]劇場の建築現場。まずは地下1階の奈落から客席を見上げる。
JR四季劇場[秋]建築現場(撮影:上村由紀子)
1階客席からの様子。奥に見えるのは装置等の搬入口だろうか。
JR四季劇場[秋]建築現場(撮影:上村由紀子)
客席前方から奈落方面を撮影した画像。ここには映っていないが、オーケストラピットのスペースもある。
JR東日本四季劇場[秋]客席(完成イメージ図)
まだコンクリートと鉄筋ばかりの現場ではあったが、ここから新たに劇場が生まれるのかと思うと何とも言えない感情が湧く。
JR東日本四季劇場 劇場内イメージ図(撮影:中田智章)
新劇場内には階段だけでなくエスカレーターも設置される模様。小さいお子さんや年配の観客にも嬉しい配慮だ。
「WATERS takeshiba」プロジェクト発表会 右/東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長・深澤祐二氏 左/四季株式会社 代表取締役社長・吉田智誉樹氏(撮影:中田智章)
また、この日の会見では、シアター棟の横に位置するタワー棟内に入る新ホテル「メズム東京、オートグラフコレクション」の詳細も発表された。こちらの開業は2020年4月27日(月)で、劇場より一歩早いオープンとなる。
青い建物が建設中の四季劇場(撮影:上村由紀子)
上の写真は別の建物から建築中の劇場を見下ろしたショット。青い外観の建物内にふたつの劇場が入る。また、その少し離れた横に見えるのが2003年11月に劇団四季創立50周年記念事業のひとつとして建てられたJR東日本アートセンター自由劇場である。
これまでの四季劇場は、観劇前や観劇後にゆっくり過ごす場所を探すのもなかなか大変だったが、この「WATERS takeshiba」プロジェクトにより、ホテルやレストラン、パーキングといった施設が新たに立ち上がって、エンターテインメントをより楽しめる環境となりそうだ。
水辺のまちをテーマに新たな展開を迎える浜松町・竹芝エリア。そこに生まれるふたつの新劇場に加え、変わらずその地に建ち続ける自由劇場。2020年、ここから発信される上質な作品たちに大いに期待したい。
取材・文・撮影 上村由紀子
撮影 中田智章

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