【ライブレポート】0.1gの誤算、三度
目のZepp Diver City公演。そして豊
洲PITへ

0.1gの誤算が5月からスタートした<-改・鬼畜企画-『三度目を制する者は、総てを制す』Zepp Diver Cityへの軌跡>と銘打たれたツアーが、8月23日にファイナルを迎えた。
0.1gの誤算(以下、誤算)が、ここZepp Diver Cityにて初めてライヴを行ったのは、一年前の2018年8月18日。その日も、ボーカル緑川裕宇のバースデーも兼ねたワンマンだった。「Zeppは俺の人生ではフライヤー配りをしにくる場所だった。そんな場所に今俺が立ってるっていうのはやっぱり不思議。夢を掴んだ瞬間って不思議って思っちゃうのかな(笑)」これは、初のZepp Diver Cityワンマンを終えた翌日に更新された緑川裕宇(Vo)のブログに綴られていた言葉だ。

更に、このブログ記事の最後には“応援してくれてる奴らへメッセージ”として、「Zeppダイバーワンマン最高の景色だった。しかし後ろまで埋めることはできなかった。悔しい気持ちもある。でもそれ以上に楽しかったし誤算史上最高動員を記録したことに間違いはない。だからこそもう一回この会場と戦いたい」と、次なるステップへ向けた意気込みも書かれていた。
その悔しさを糧に挑んだ二度目のライヴは、今年の3月に行われたバンド結成3周年記念ワンマン。そこでは、これまでに挑んできた大きな会場でのライヴ、様々なライヴでの経験を経てパワーアップした姿を我々に見せ付けると共に、メンバー自身も“100点満点のライヴが出来ている”と、胸を張って言える様な景色を創り上げた。そして、三度目となるZepp Diver Cityでのワンマンが、今まさに始まろうとしている。一度目はノリと勢い、二度目はまぐれだと言う人がいるかもしれない。しかし、三度目は違う。最高のライヴが出来るのは、誰もが認めざるを得ない“確かな実力”があるからだ。

いつもパワフルなステージ、奇想天外なライヴを行う誤算。2週間前、渋谷DESEOで行われた1日4公演無料ワンマンの時もそうだ。そのレポートでは途中までしかお伝えすることが出来なかったが、3回目のライヴのラストに「まだまだパワー有り余ってるから、覚悟しとけよ!」というメンバーの言葉通り、終演後もしばらく鳥肌がおさまらないほど熱いライヴだった。フロア内は勿論、フロアの外でも終始大勢のファンが暴れ回っている状況で、ラストの曲!と思いきや、もう一曲、更にもう一曲……と、時間を忘れて馬鹿騒ぎ出来る空間。そんな、深く胸に突き刺さる様な衝撃、瞬間を、今日もしっかりと見届けたい。
今日のライヴは「男闘魂戦争 燃えよ!誤算光殺法卍」」からエネルギッシュに始まった。フロアの各エリアは、花道を挟んで、前方が“暴れなきゃいけないゾーン”、下手後方が“暴れないゾーン”、中央が“フリースタイルゾーン”、上手後方が“マイペースゾーン”、その後ろが“ちびっ子ゾーン”となっている。フロア前方で激しく暴れるファンに加え、フリースタイルゾーンで早速サークルモッシュが巻き起こったり、キッズゾーンで小さな子供が元気いっぱいに身体を動かしながら楽しんだりしている。

続く「誤算節」、「【S】0723【終焉】」でも、緑川裕宇がフロアを走り回るなど、初っ端から容赦ない。そして「ラスト!」という言葉と共に「21gの感傷」へ。“ラスト”という言葉が引っ掛かりつつも、全力で応えるオーディエンス。曲が終わると「ありがとうございました!」と言い、ステージを去るメンバー。あまりに早過ぎる本編の終了に戸惑う様子も見られたが、少し経つと、自然にアンコールの声が場内に響いた。
いったん幕が閉まり、そこには9月10日リリース予定の新曲「絶望メンブレガール」のミュージックビデオが映し出された。爽やかなイケメンアイドルの格好をしたメンバーが笑顔でダンスをするシーンから始まるのだが、途中で曲が急に変化するのと同時に、ダークな衣装に身を包んだメンバーの演奏シーンへと切り替わる。その瞬間、会場のあちこちで“待ってました”という気持ちからくる笑いが湧き起こった。

一曲の中で一気に変化する曲調、イメージシーンと演奏シーンのギャップと、誤算ならではの魅力が凝縮された作品だ。映像が終わると、SEに合わせ、赤いスポットライトに照らされたステージに、新衣装を纏ったメンバーが一人ずつ登場。“新しい0.1gの誤算の幕開け”として、アンコール一発目に届けられたのは、先程映像で流れた新曲「絶望メンブレガール」だ。ミュージックビデオと同じく、メンバー全員が横並びで可愛らしいダンスを披露し、そこから、本編よりも力強く荒れ狂う様に音を鳴らすメンバー。会場も一気に熱を帯びる。新曲の演奏が終わった後には、「これが「絶望メンブレガール」だ!沢山可愛がってくれよ!」という言葉が贈られた。
その後も、緑川裕宇のキーボードの演奏で普段よりもムーディーな雰囲気を作り出した「196番地の女」、眞崎大輔(B)の小気味好いベース音から始まる「VITAL」と、安定感のある演奏でファンを魅了した。

「ひねくれ者の俺だから、最初からひねくれたセットリストを組もうと思って。雑誌の取材で、“いつかワンマンで、本編2曲だけで、そこからアンコールにしたい”って何度も言ってたんだけど、2曲はさすがに……と思って、今日は本編4曲にした(笑)」と、緑川裕宇が、本日のサプライズの経緯を語る場面も。また、メンバー同士で、初めてこの会場でワンマンを行った時と今の気持ちの変化、バンドの成長について語る場面では、今年の5月3日(誤算の日)に行われた日本青年館でのワンマンライヴがターニングポイントになっていることも明かしてくれた。
今日は、緑川裕宇のバースデーも兼ねたライヴということで、彼のやりたい事が所々に散りばめられていた。そんな緑川のテーマソング「絶対プリティ生命体-緑川のテーマ-」から演奏は再開。ステージに登場したダンサーの間から、勢い良く花道へ飛び出す緑川裕宇。フロアではモッシュが巻き起こった。そして今度はドラムセットがステージへ運ばれ、神崎流空(Dr)と緑川裕宇のツインドラムが実現。二人で息を合わせて演奏したり、ドラムバトルの様に交互にドラムを叩いたりと、想像以上に濃い内容に驚かされた。

その後は、スペシャルバージョンで存分に暴れることの出来る「必殺!からくり七変化!」、天井に突き上げられる力強い拳とヘドバンで更なる盛り上がりを見せた「アストライアの入滅」と、暴れ曲を繰り出しつつ、ラストはバラード「この声が届くまで…」を披露。「まだまだ続いていくからね。ずっとずっとついて来て下さい」という言葉と共に、優しさと強さが歌声、音に込められていた。
メンバーがステージを去った後、再びアンコールの声が場内に響く。そんな中、解禁されたのは、メンバーの新アー写と今後のライヴ日程だ。10月から始まる全国無料ワンマンツアー、12月のツアー、メンバーバースデーワンマン、来年1月から始まる4周年ワンマンツアーと、最新情報が次々と映し出された。そして、誤算の新たな挑戦として掲げられたのは、来年3月28日に行われる4周年記念ワンマン。場所は、豊洲PITだ。

二度目のアンコールでは「2008年高田馬場エリア」、「フルニトラゼパム」、「混沌的極悪暴曲-ヴィジュアロックパロディウス-」という、スパイスの効いた危険なナンバーを畳み掛けることに加え、新旧曲を織り交ぜた彩り豊かな構成で、会場のテンションをどんどん引き上げていった。また、53番目となる新曲「ライラックアイロニー」も披露。誤算の語呂に合わせた53という数字ということで、試行錯誤しながら作ったというエピソードと共に力強く歌い上げた。ラストは、当初予定になかった楽曲「溺愛ヤンデレボーイ」を追加で演奏するなど、最初から最後まで全力でやり遂げた3時間半だった。

こうして、三度目となるZepp Diver Cityワンマンでも最高の景色を創り上げた0.1gの誤算。新たな挑戦である豊洲PITワンマンに向けて、彼等はここからまた走り続ける。

文◎藤代冬馬
写真◎上野宏幸

セットリスト
01. 男闘魂戦争 燃えよ!誤算光殺法卍
02. 誤算節
03. 【S】0723【終焉】
04. 21gの感傷
-encore1-
05. 絶望メンブレガール
06. 敵刺す、テキサス
07. 196番地の女
08. VITAL
09. 絶対プリティ生命体-緑川のテーマ-
10. 君色トワイライト
11. 希少種達の運命
12. しいたけ人生論
13. 必殺!からくり七変化!
14. アストライアの入滅
15. この声が、届くまで…
-encore2-
16. 2008年高田馬場エリア
17. フルニトラゼパム
18. 混沌的極悪暴曲-ヴィジュアロックパロディウス-
19. ライラックアイロニー(新曲)
20. オオカミ男と月兎
21. 獣猛者戦争~轟け!超誤算狩猟!~
22. こんな僕ら、どうですか?
23. アストライアの転生
24. 有害メンヘラドール
25. 溺愛ヤンデレボーイ


<4周年記念全国無料ワンマンツアー【有害集団】『無料―いちご増殖化計画』【豊洲PiTヲ襲撃】>
10月03日(木)広島SECOND CRUTCH
10月04日(金)福岡DRUM SON
10月07日(月)愛媛 松山サロンキティ
10月08日(火)岡山イマージュ
10月10日(木)神戸music zoo KOBE 太陽と虎
10月16日(水)金沢VANVAN V4
10月17日(木)長野LIVE HOUSE J
10月18日(金)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
10月23日(水)仙台HOOK
10月24日(木)郡山CLUB #9
10月27日(日)幕張イオンモール新都心
11月03日(日)熊本B.9 V2
11月04日(月・祝)鹿児島SR HALL
11月06日(水)高松GET HALL
11月07日(木)京都MUSE
11月13日(水)盛岡the five morioka
11月14日(木)青森Quarter
11月17日(日)岐阜 柳ヶ瀬ants
11月18日(月)浜松Force


<【プレゼント】ゴサンタ、現る【争奪戦】>
12月14日(土)福岡DRUM SON
12月18日(水)札幌KRAPS HALL
12月21日(土)大阪ROCK TOWN
12月22日(日)名古屋HOLIDAY NEXT NAGOYA
12月24日(火)新宿RUIDO K4


<MEMBER BIRTHDAY ONEMAN>
水田魔梨バースデー
12月30日(土)埼玉HEAVEN’S ROCK
眞崎大輔バースデー
02月01日(土)赤羽ReNY alpha
神崎流空バースデー
02月08日(土)赤羽ReNY alpha


<4周年ワンマンツアー【豊洲PiT】『七天を巡る王』【攻略祈願】>
2020年
01月04日(土)梅田TRAD
01月13日(水)渋谷CLUB Asia
01月18日(土)名古屋E.L.L
02月24日(月・祝)岡山CRAZYAMAM KINGDOM
03月01日(日)札幌cube garden
03月07日(土)福岡DRUM Be-1

<4th Anniversary ONEMAN『挑戦は終わ
らない、俺達が俺達であるために』>

2020年3月28日(土)豊洲PIT

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