台湾発のアニメーション映画「幸福路のチー」

台湾発のアニメーション映画「幸福路のチー」

片渕須直監督が絶賛 台湾発、東京ア
ニメアワードフェスティバルのグラン
プリ作、11月公開

台湾発のアニメーション映画「幸福路のチー」(c)Happiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED. 東京アニメアワードフェスティバル2018のグランプリに輝いた、台湾発のアニメーション映画「幸福路のチー」が11月29日に公開することが決定し、映画.comが予告編とメインビジュアルを先行入手した。「この世界の片隅に」の片渕須直監督は、「歴史を描く、暮らしや景色の変化を描くというテーマについて、アニメーションだからこそできることがある」とコメントを寄せた。
 実写映画を手掛けてきたソン・シンイン監督が、台湾で自らスタジオを立ち上げ製作した本作。アヌシー国際アニメーション映画祭、オタワ国際アニメーション映画祭など世界中の名だたる映画祭で上映され、第91回アカデミー賞の長編アニメーション部門へのエントリー25作品に名を連ねた。台湾の時代背景とともに、夢と現実の狭間で人生の岐路に立つ女性の姿をあたたかく描き出す。
 1975年生まれのチーは祖母が亡くなったという知らせを受け、長らく疎遠にしていた故郷・幸福路に帰ってくる。記憶とはすっかり変わってしまった景色を前に、チーは人生、そして家族の意味を考え始める。無邪気な子どもだった頃の夢、親の期待に応えようと必死だった学生時代、理想とかけ離れた社会、友人との別れ、老いていく両親、そして新たな出会い――。台湾語禁止の学校教育、少数民族である祖母との日々、学生運動、台湾大地震など、戒厳令の解除を経て民主化へと向かう時代の大きなうねりの中で、人生のターニングポイントを迎えたチーはある決断をする。
 予告編では、親の愛情に包まれ「偉い人になって世界を変えたい」と誓う少女時代のチーと、仕事に忙殺され、「私はママみたいになりたくない」と言い放つ大人になったチーの姿が切なく交錯する。幼い頃の夢がよみがえったチーの胸に家族との思い出が溢れ、やがて「私は家に帰りたいんだ」と気付くさまが映し出され、圧倒的なノスタルジーに心が満たされる映像が完成した。
 メインビジュアルは、涙を浮かべるチーの横顔に「あの日思い描いた未来に、私は今、立てている――?」というコピーが添えられ、見る者の共感をかきたてる仕上がり。「幸福路のチー」は、11月29日から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開。

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