中村佳穂。その天賦の才能をぜひとも
体感して欲しい。
中村佳穂の音楽から感じる渦巻いてるよ
うなエネルギーは、いったい何だろうか
?
その時、すでに知っていたのか、それとも後から知ったのかも定かではありませんが、このアルバムは約2年半に渡って行われた合宿レコーディングで完成した作品です。そうやって煮込んで作ったからこその濃さはあるのですが、コアにマニアックに深く閉じた感じが一切なくて、全体的にポップに突き抜けていると最初に感じたことだけは、しっかりと覚えています。「AINOU」はASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文が設立した音楽の新人賞APPLE VINEGAR Music Award 2019大賞を受賞したり、彼女自身も「関ジャム 完全 燃SHOW」、「バズリズム02」などのテレビ番組で大きく取り上げられました。最近では、米津玄師がTwitterで絶賛したことも話題になりました。
中村佳穂インタビュー時には、頭の回転
の早さに脱帽
とても刺激的な時間で充実感はありましたが、インタビューが終わった瞬間は、このインタビューを上手くまとめられるのかという不安すらありました。演者を簡単に天才と表現するのは、書き手として脳がないようで好きじゃないのですが、彼女の事は心から天才だと思いました。
また、インタビューで特に印象に残ったのは、即興が得意な凄腕のバンドメンバーたちに「ドープ禁止! ポップネス!」という言葉です。コアにマニアックに深く閉じた感じが一切なくて、全体的にポップに突き抜けていると感じたのは、間違いではなかったのだと思えました。
初めての中村佳穂ライブで受けた衝撃
確かにその通りなのですが、それにしても本当に、こんな感じで始まるのだという驚きしかなかったのです。音源は愛聴しているし、一度インタビューでも話しているのに、何せライブは初めてですから、ただただ戸惑うしかありませんでした。この日は彼女にとって大先輩であるGRAPEVINEとの対バンイベントで、それも800人くらいの多くの観客が集まっていたのですが、何も遠慮する事なく自由に即興アドリブでぶちかましていく姿は、ただただあっぱれでした。
彼女とバンドメンバーの演奏は、めまぐるしい展開のセッションで、インタビューと同じく振り落とされる感覚なのですが、当の本人たちは楽しそうに笑っていました。曲から曲の繋ぎ目がどこかもわらなくなるくらいのスリリングなライブでしたが、途中でセットリストに載っている曲とは、明らかに違う曲が演奏されました。薄っすら気付いてはいましたが、この時に本格的に思ったのです。
彼女のライブは下手に何かを考えたりするのではなく、その瞬間、その瞬間を感じるものなのだと。ずっと即興アドリブセッションの連続なわけでもありますし。それも彼女だけでなく、メンバー全員が、そのスタンスなのです。「これは何を観ているんだ!?」という感覚にすら陥りました。それは、ある意味、アルバムと同じレベルのエネルギーの衝撃。
アルバムは良かったけど、ライブでは再現できてなかったなんて事は山ほどありますが、彼女の場合は再現するどころか、また新たな表現を作り上げてしまっているという感じです。
今までまったく観た事のないライブを観たというのが、正直な感想です。人間って面白いもので、凄すぎるものを観たら笑ってしまったり、泣いてしまったりします。個人的には、彼女のライブを観ていると泣けてしまうのです。凄すぎるものを体感できている事に感動して泣けるのでしょうか。当の彼女は、その凄さには無自覚で、セットリストの変化を話しても、元のセットリストを覚えてなかったりします。心底、本物なんだなと実感しました。
初めての中村佳穂ライブで受けた衝撃
そして、「AINOU」から8ヶ月ぶりにリリースされた配信シングル「LINDY」では、オフィシャルの資料文章を書かせて頂きました。
打楽器や弦楽器を中心にしたサウンドで、よりダンサンブルでグルーヴィーな楽曲ですが、7月13日に恵比寿リキッドルームで開催されたワンマンライブでは和太鼓とセッションするなど、その進化は留まる事を知りません。7月26日から開催された FUJI ROCK FESTIVAL でもこの曲は演奏されましたが、弦楽器の穏やかなリフから始まり、そこに「ハッとして ピンときたんだ Lindy」という彼女のつんざきが入るとこが、本当に大好きなんです。否が応でも、それこそ本当にハッとしてしまうから。わずか20秒弱で掴まれるって、本当に堪らないですよ。
関西在住の私は両ライブともにYouTube配信で観ていますが、それでも俄然掴まれまくりました。もし、これを生で観ていたら、想像するだけで大興奮しかありません……。
最後に、何を言いたいかというと、先程も考えるのではなく、感じるものと書きましたが、音楽に詳しくなくても、フェスに行った事がなくても、ライブに行った事がなくても、一聴すれば必ず掴まれます、彼女の音楽は。そこから、TIME&MONEY&SOUL、すべての都合が揃ったら、ぜひとも彼女の音楽を生で体感しに行って下さい。とんでもない体験になると思いますので。
中村佳穂オフィシャルHP
中村佳穂 twitter
ライブチケット情報はこちら!
https://l-tike.com/nakamurakaho/
中村佳穂。その天賦の才能をぜひとも体感して欲しい。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
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ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。