多くのスーパーギタリストに愛された
超弩級ギタリスト、
ロイ・ブキャナンの代表作
『ライヴ・ストック』
テレビドキュメンタリーが転機で
メジャーデビュー
続く3作目『That’s What I Am Here For』(‘74)と4作目『In The Beginning』(’74)では、R&Bやロックを中心に、ヴォーカルの比重が増えホーンセクションも入るなど、最もロック的なスタイルになっており、彼の作品中で最もバンドアンサンブルを重視した2枚である。彼がこの路線で活動していればもっと知名度が上がり好セールスも期待できたのだろうが、彼はやはりギターが前面に出なければ我慢できなかったのだろう。
本作『ライヴ・ストック』について
他にもソウルナンバーの「キャン・アイ・チェンジ・マイ・マインド」や、クラプトンの十八番でも知られる「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」、ピッキングハーモニクス全開のロックナンバー「アイム・ア・ラム」など、どの曲も名演揃いで、本作が彼の代表作であることは確かである。
昨年、本作のコンプリート盤がリリースされた。『Live At Town Hall 1974』と題されたそのアルバムは2枚組で、タウンホールでのライヴが全曲(21曲)収められている。ニール・ヤングの「ダウン・バイ・ザ・リバー」やジミヘンの「ヘイ・ジョー」はまさに名演であり、オリジナル盤のリリースから45年経っても彼のプレイは全く古びていない。この機会に、本作『ライヴ・ストック』をぜひ聴いてみてほしい。
TEXT:河崎直人