Summertime (Julia Wu Mix)は日本の
音楽シーンに風穴を開けられるか?
RIRI, KEIJU, 小袋成彬 『Summertime』
新世代R&BシンガーJulia Wuによる「Su
mmertime」のカバーがリリース!
英語、日本語、中国語が飛び交うエキゾチックな内容。昨今のUSのチャートを見渡しても、「言語」の観点から見たシーンの変化は著しいですね。韓国勢のアプローチに顕著ですが、北米でチャートアクションを起こすような楽曲でも当然のように韓国語で歌われる部分が散見されます。BTSが最たる例。K/DAもそうですね。「アメリカでブレイクしたかったら英語で歌え!」との言説は完全に過去のものとなりました。
けれども、英語圏の文化の知識(言語含む)を前提として持っていることは、北米でブレイクすることに不可欠な条件であるように思います(アンダーグラウンドかつレフトフィールドな音楽シーンではまた別なケースはあり得るとしても)。というのも、BTSしかりK/DAしかり、ベースはUSのポップミュージックでありますゆえ。界隈ではK-POPがアメリカの市場を開拓しようとしていたことは20年ほど前から言われていたことですが、ついに彼らは2020年を前に全米チャート1位という形で結果を残したわけです。更にアジア単位で考えたときには「88rising」の存在がある。こちらもUSのヒップホップやインディーR&Bが大きな参照点となっております。
話をJulia Wuに戻しましょう。これらを踏まえた上でJulia Wuの「Summertime」のMVを観てみると力が湧いてきます。もちろん、小袋成彬が作った曲の根幹は変わりません。ラップのパートはよりUS仕様に変化してますが、それがJulia Wuからの回答と解釈することもできるでしょう。
やはりこの曲も英語と中国語で歌われています。アジアに広まることはつまり北米にまでリーチできる可能性を秘めているわけですから、まだK-POPや88risingほど海外の市場を開拓できていない日本の音楽シーンにとって大きなきっかけになり得るわけです。加えてJulia Wuは、既にUK出身のトッププロデューサーのひとりAlan Walker(アラン・ウォーカー)とも共演しており、海外とフロントランナーともやり取りをしています。その注目度も半端じゃない。コチラの動画(Alan WalkerとJulia Wuの共演)の再生数は3200万超え。コメント欄もことごとく英語。したがって、「Summertime」も何かのきっかけで一大センセーショナルを巻き起こす可能性が十分にあるわけです。何より曲が良いですし。RIRIもZeddや冒頭で述べたRyan Hemsworthら一流のアーティストと共演してますが、アジアにチャンネル(それも間接的に欧米とも繋がる可能性もある)が新たにできることは間違いなくプラスの材料です。
個人的には、こういう例がどんどん増えればいいなと思っております。
Summertime (Julia Wu Mix)は日本の音楽シーンに風穴を開けられるか?はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。