SKE48が挑むコント劇『今夜、あの橋
の下で。』惣田紗莉渚&大人のカフェ
、インタビュー

2019年7月25日(木)から7月27日(土)まで、東京・原宿クエストホールにて、SKE48 x 大人のカフェ 特別コント公演『今夜、あの橋の下で。』が上演される。本作はSKE48の竹内彩姫、白井友紀乃、斉藤真木子、松本慈子、惣田紗莉渚が、コントユニット大人のカフェ(飯野智司、加賀成一、伊達さん)の3人と挑むコント劇。
かつてHKT48とコント劇を行ったことがある大人のカフェが、SKE48のメンバーと組むことでどのような作品に仕上がるのか注目が集まっている。このほどSKE48の惣田と大人のカフェの飯野、加賀、伊達の4人に公演に対する意気込みを聞いた。
——『今夜、あの橋の下で。』は、どのような経緯で上演されることになったのでしょうか?
伊達:「SKE48 Passion For You」 というゲームの中のイベント企画として「コント劇出演メンバーリクエスト」という投票が行われました。その投票で上位に選ばれた5人と僕たち大人のカフェがコント劇をやるということで、僕が作品を書くことになりました。5人のイメージに合った配役を考えて本編のストーリーを考えましたが、それとは別にコントが入ってくるので、SKE48の5人は、いろいろな役にチャレンジすることになります。
——惣田さんは、大人のカフェとは久々の再開となりましたね。
惣田:以前『Fake Station Thursday Midnight!』というテレビ番組で大人のカフェの皆さんと共演させていただいて、その時すごく楽しかったので今回もとても楽しみにしています。
——その時の大人のカフェの皆さんの印象はいかがでしたか?
惣田:その時はお稽古が1日のみで、あとは本番という限られた時間しかありませんでした。加賀さんが勇者の役で、私は魔法使いの役だったのですが、ただ「勇者様~」とついて行っている感じでした。伊達さんは魔王の役だったのでお二人の印象はあるのですが、飯野さんの印象があまりないんですよ(笑)。
大人のカフェ一同:(爆笑)
惣田:飯野さんは村人の役だったのですが、それがぴったりでした。ちょっと地味な感じだったのを覚えています(笑)。加賀さんは声がすごく大きくて、舞台で演じている雰囲気が出ていてすごく素敵だなと思いました。でもビジュアル的には勇者っぽくないかなと……(笑)。
加賀:僕は体型的に勇者というより戦士という感じじゃないですか。この3人の中で誰も勇者の役に合う人はいないから、消去法で仕方なくやったんですよ。
伊達:この3人でまわす大変さはありますよね。
加賀:だって実質3人ともキャラは村人ですから。
惣田:伊達さんは役というよりも監督とお話をしている印象が強かったです。
伊達:台本を書いたのが僕だったので、稽古場では監督とよく話をしていたんです。
加賀:いろいろな作品を作ってきた大御所の素晴らしい監督だったよね。
惣田:結構ピリッとした感じの空気があって、私も怒られました。
加賀:僕が覚えているのは、惣田さんが一歩前に出るシーンで監督に「段取りで動いちゃいけないよ。気持ちがちゃんとあってこその一歩だよ」と言われた時、惣田さんは笑顔で「はい、分かりました」と答えていたんです。でも次にまた段取りで出てしまって監督に「段取りだよ」と言われて……。繰り返していくうちにそれがコントみたいになっちゃったんだよね。
飯野:それで監督の口調がだんだん「だから、ちげーって言ってんだよ」と乱暴になっちゃったりしてね。
惣田:結構静かなテンションで鋭いことをおっしゃる監督でしたよね。
加賀:でもめげて泣いたりする子がいる中、笑顔でずっとやっていたのが惣田さんだったの。だからすごく素敵だなと思って好感度はあがったよね。
惣田:泣いたら何も言ってもらえなくなりますからね。私が「どうしよう」ってなっている時に大人のカフェの皆さんはすごく優しくて、「お菓子でも食べな」と言ってくださったりしたんです。
——惣田さんも大人のカフェさんも、お互い良い印象があるということですね。『今夜、あの橋の下で。』は具体的にどのような話になりそうですか?
伊達:主人公を演じる飯野の元カノ(竹内)が言っている「あの橋」というのはどこにあるのかをみんなで探していくという話で、ある意味ラブコメディーです。でも基本的にはコント劇なので本編の話はもちろんのこと、間にたくさん入ってくるコントで出演者の衣装が変わったりいろいろな役を楽しめます。本編のストーリーとコントのコラボを楽しんでいただければと思います。
(左から)惣田紗莉渚(SKE48)、加賀成一
——惣田さんの役どころは、ブリッジマニアということですが、役についてはどのように考えていますか?
惣田:本編の役としては、一番謎なキャラクターだと思うんですよ。私自身も普段からちょっと変わっていると言われますし、マニアっぽいところもあるのでその感じが合っているんじゃないかなと思います。
加賀:でもプレッシャーはない? 橋好きという唯一のキャラクターで出演して、万が一すべった時は孤立無援になると思うから。
惣田:そしたら全部伊達さんが悪いということで!(笑)。
——大人カフェの皆さんはどんな役どころですか?
飯野:本編の役柄は、酔っ払った状態で元カノと再会して、元カノに「あの橋でもう一度あなたと会いたい、やり直したい」と言われたおぼろげな記憶を頼りに、友人の加賀に相談したり、探偵の伊達の力を借りたり、いろいろな人の力を借りて解明していく役です。
伊達:僕は後半に登場して、飯野さんが相談に来る探偵事務所の所長の役です。本編の話は途中ミステリーのような要素があるので、そこを解決していく役です。
加賀さんの役は、最初ヒールのようなイメージとして描いていたのですが、書いているうちに全く悪くない人になっちゃったんです。ビジュアル撮影の時点ではヒールの役を想定していたので、悪い表情をたくさん撮影していただいたのですが、結局は笑顔のポスターになりました。本編でこの顔は(出来上がったポスターを指して)一切しないです。
——大人のカフェの皆さんは、以前HKT48の皆さんとコント劇をされたりと、アイドルの方と共演することが多いですが、今回SKE48の皆さんと共演することへの意気込みはありますか?
伊達:普通の演劇の稽古や僕らがやっている単独公演と一番違うところは稽古日数で、5日間しかないんですよ。SKE48の皆さんは基本的に拠点が名古屋なので、スケジュールがなかなか合わないんです。前回HKT48さんとご一緒した時もお互いのスケジュールが合わなくて、4人の出演者のうち2人と本番の2日前に初めて会ったという感じでした。その中でコントライブとして成立させなければいけないというのが毎回ミッションになってくるので、5日間の稽古でどこまで完成度を高められるかというのが、意気込み案件です。
——たった5日間の稽古日数というのは驚きです! それでも完成できてしまうのはすごいですね。
伊達:コント劇は普通の演劇と違って、演出をみんなで相談しながらやっていくんです。その結果台詞が稽古場でめちゃくちゃ変わるんですよ。でもアイドルの皆さんの集中力はものすごくて、変更したところを完璧に覚えてきてくれるんです。日頃から急な振りの変更に対応しているだけあるなと感じますね。とはいえ、今回はできるだけ皆さんに負担をかけないようにがんばりたいと思っています。
飯野:SKE48の皆さんとは本当に初めましてですから、やはり緊張はしますよね。僕らはSKE48の皆さんのことを何も知らないのに等しいですから。
伊達:それはお互い様だと思うんですよ。SKE48の皆さんにとっても、なんだか得体の知れない3人のおじさんがいるなという感じだと思うので(笑)。そこは稽古でどれだけ信頼関係を築いていけるかですね。
加賀:HKT48さんの時は、原宿で上演して成功したから福岡で凱旋公演ができました。そういう経緯があってこそのSKE48さんとの共演だと思っています。でも今回は「HKT48の皆さんはこうだった」というのは一切なしにします。新しい気持ちでいかないと、SKE48の皆さんに対して失礼になってしまいますから。
——コント劇が普通の演劇と違うというお話がありましたが、具体的にどんなところですか?
伊達:圧倒的に違うのは、全部の回に来てくださる方がいらっしゃるということです。演劇ではあまりないじゃないですか。お笑いをやっているので、初日の笑いどころがずれていく現象が起きるんですよ。台本上はここで笑いを取りたいと思っていた箇所が変わっていくので、同じことを繰り返しやってはいるのだけれど、どうしても後半のお客さんが満足しない状態になってしまいます。ですから本番に入ってからアドリブを入れたり、台本上変えられるキャラを本番に入ってからも考えていかなければいけないというのが、普通の演劇と違うかもしれないと思います。
飯野:稽古が始まってから公演の最終日まで、細かいところを日々更新していくスタイルですね。
(左から)伊達さん、飯野智司
——今回の公演は6回ありますが、すべて違うものを観ることができると思ってもいいのでしょうか?
伊達:そうですね。もちろん大筋は変わらないですが、小さいコントや短いコントもいっぱいあるので、内容が変わったりすると思います。またアフタートークをやるのですが、そこでもコントをやるという話になっていて、嘘だろと思っているのですが……(笑)。
加賀:正直ね、やりたくないんですよ(笑)。コント劇なんだから、コントは本編に入れりゃあいいじゃないかと思いますよ。
伊達:トークじゃないじゃんって思うよね。特に加賀さんは台詞がちょっと多いからパツンパツンになっちゃうんですよね。
加賀:ぜひ気になった方は、パツンパツンというのが本当かどうか観に来てほしいですね(笑)
伊達:普通の演劇は、公演中は常に同じクオリティーのものを出すという美学があるじゃないですか。本当はそういうものかなという気持ちがある中で、基本的に公演の成り立ちがゲームの企画であって、SKE48の皆さんを推薦したファンの方々がいるわけです。ランキングで上位の人たちが出演する形をとっているので、その方たちのファンに向けて満足していただくものを作ることが一番いいのかなと思っています。ですので、やはり初日から千秋楽まで全公演楽しめるというのはあるのかなと思います。
——ハードな公演になりそうですが、楽しみなことはありますか?
惣田:みんなで稽古のあとに焼肉に行くことですね。稽古が5日間で本番は3日間なので、8回しかチャンスがないんですよ。多くても8回しかいけないので、その間に高級な焼肉店を制覇したいです。SKE48のメンバーも「焼肉~~!」って楽しみにしているんですよ。もちろん稽古をがんばった上で行きたいと思っています。
加賀:やっぱり焼肉がモチベーションですよね。そして締めはタピオカということで!
——最後に公演にかける意気込みをお願いします。
惣田:SKE48のメンバーだけでライブの合間に、寸劇やらせていただいたりしたこともあるのですが、私自身は1度しかコント経験がないので、大人のカフェの方々とご一緒することでいろいろ勉強したいと思います。ファンの皆さんにも絶対に笑って帰ってもらえるような内容だと思うので、ぜひたくさんの方に毎回観に来てほしいなと思います。
飯野:この間SKE48の方たちと初めてお会いした時に、彼女たちのバラエティー的な反射能力がすごいなと思ったんです。そういうSKE48らしさというか「SKE48ってバラエティーとかお笑いをやらせるとすごいな」というのをより大きくできればと思っています。僕たちは「目指せ! HKT48の公演超え」が目標で、今後またHKT48の公演をやる機会があれば今回のSKE48の公演を超えるという、お互い相乗効果でいければと考えています。僕らを知っている方たちも含めて観に来ていただけたら損はさせないという意気込みでやります。
伊達:アイドルのゲーム企画から始まったコントイベントですが、いわゆるアイドルがコントをやっているという感じではやりたくなくて。あくまでもコント劇に出演する演者が8人いるということなんです。内容でしっかり笑ってもらえるようなものにしたいというのが意気込みです。あとは主人公の飯野さんとSKE48の竹内さんが付き合っていたという設定がビジュアル的に成立するかというところが、最大の難関です(笑)。
加賀:そこはみんな気にしてないと思うよ。話の中でリアルなことなんて1個もないですから。(一同爆笑)でもこれは新しいビジネスモデルで、例えばイケメン俳優の方とアイドルの方が恋人同志をやるよりも、あり得ないぐらいのおじさんがアイドルと恋人同志であるほうが優しく見えて舞台に足を運びやすくなるのではないかと。やっぱり全部通しで観てもらうしかないね。
飯野:新しいビジネスモデルって……(笑)。でも確かに一切ジェラシーのない舞台ですね。
——ところで加賀さんの意気込みは……?
加賀:アフタートークでコントをやらないというのが意気込みですけれど、死にそうになりながらアフタートークでコントをやっている僕らを確認しに来てほしいです。安否確認をするためにぜひチケットを買っていただきたいですね!(笑)
(左から)伊達さん、飯野智司、惣田紗莉渚(SKE48)、加賀成一
取材・文・撮影=咲田真菜

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