2019年5月29日 at 東京ドーム

2019年5月29日 at 東京ドーム

【ゆず ライヴレポート】
『ゆず 弾き語りドームツアー2019
ゆずのみ~拍手喝祭~』
2019年5月29日 at 東京ドーム

2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
2019年5月29日 at 東京ドーム
 5月11日の愛知・ナゴヤドームから7月7日の福岡 ヤフオク!ドームまで全国4カ所8公演で開催、約30万人を動員し、大盛況のうちに幕を閉じたゆずの日本音楽史上初となる弾き語りでのドームツアー『ゆず 弾き語りドームツアー2019 ゆずのみ~拍手喝祭~』。本稿では東京公演の初日、5月29日東京ドームの模様をレポートする。

 弾き語りライヴとはいえ、ステージ後方には現代美術家の名和晃平が手掛けたドームツアーのシンボルである逆さツリー“YUZZDRASIL”(ユズドラシル/生命の象徴であり、全てのルーツ、ゆずとここに集まった人たちとの絆を表現しているとのこと)が巨大オブジェとしてそびえ立ち、レーザー50台にムービングライト500台の演出、お馴染みのマスコットキャラクター“ゆずマン”をフィーチャーしたアニメーション、ゆずの弾き語りヒストリーをまとめたムービーがあったりと、エンターテインメント性も抜群だったこの日。北川悠仁と岩沢厚治のふたりはのっけから原点を感じさせる「青」でゆずっこ(ファンの呼称)を惹き込み、恒例のドームソング「DOME★BOMBAYE」や「贈る詩」のコール&レスポンスでほっこり楽しませてくれる。

 アコースティックギター、ハーモニカ、タンバリン、ピアニカ、カズーといったシンプルな楽器とふたりの歌、ハーモニーによって“ゆずのみ”のグルーブが生まれ、5万人を沸かせていく。自分たちのルーツ=弾き語りを着飾ることなく剥き出しにしてパフォーマンスするさまには、時に執念すらうかがえ、「飛べない鳥」のストロークや「嗚呼、青春の日々」のリフなどで背筋がピンと伸びた観客も多かったのではないかと思う。そんな中、日替わり曲としてはまだ弾き語りで演奏したことがない近年の曲「イコール」、初めて東京ドームでライヴを行なった際は新曲だった「3カウント」を披露。“最初に東京ドームでやらせてもらったの、いつだか覚えてる?”(北川)“えーと、2001年?”(岩沢)“正解!! じゃあ、今日で何回目か分かる?”(北川)“…いいえ、存じません”(岩沢)“なんと8回目なんですよ。すごいね、伊勢佐木町の片隅で歌ってた僕たちが。本当に幸せです。ありがとうございます!”(北川)なんていうやり取りも微笑ましい。

 また、北川が“天使くん”に岩沢が“悪魔くん”に扮した寸劇VTRでも楽しませ、さらにはフルーツメイクされたトロッコ(停車中はリフターまで飛び出すハイテク振り!)でふたりが外周を歌って回るなど、「マスカット」「シュビドゥバー」あたりはチャーミングなアプローチで魅了。ゆずの地元である神奈川県横浜市磯子区岡村が舞台の「岡村ムラムラブギウギ」(現在の街並みを踏まえた2019年バージョン)、北川が嵐に提供した「夏疾風」のセルフカバーといったレア曲も垂涎ものだった。もちろん、代表曲「夏色」や「栄光の架橋」が鉄板の盛り上がりを呼んだことは言うまでもない。

 とりわけ心に残ったのは、YUZZDRASILを起点に東京ドーム全体がプラネタリウムのように神秘的な光で包まれる中、岩沢のハイトーンヴォーカルが冴え渡った「マボロシ」(北川はピアノを演奏)。客席のスマホライトを味方に付け、高さ30メートルの樹上ステージで新元号“令和”と文字って歌われた「Hey和」。そして、レーザー演出も鮮やかだった、今回のツアーのために制作された弾き語りの新曲「SEIMEI」。《もう一歩踏み出そう 「まだ見ぬ自分」会いに行くんだ》という歌詞のとおり、自分たちのルーツをさらに更新し、未来へ向かう姿勢が垣間見える瞬間こそ、やはりグッときてしまう。

 今回も終始オーディエンスと全力でコミュニケーションを取りつつ、広いはずの東京ドームを近く感じさせたふたり。“ふたりでやれることには限界があるけど、ふたりでやれることは、実は無限にある。そんなふうにも思ってます。昨日は本当に悲しいニュース(※川崎市多摩区の路上で登校中の児童ら19人が殺傷された事件)があって、1日中泣きそうになってたけど…それでも良いイメージを浮かべながら、素晴らしい時代を築いていきたい、みんなと一緒に歩いていきたいです!”と北川が語り、アンコールラストは《あの日 君が足を止めて 僕らの歌を聴いてくれた 全てはそこから 全てはそこから 始まった物語》《ずいぶん遠く 旅したつもりが 結局振り出しに戻ってきちゃった それでも少し この目に映る 景色が誇らしく見えるんだ》と歌い掛ける「終わりの歌」。ゆずの飽くなき挑戦は今後もなお続いていく。そう確信できるステージを目の当たりにさせてくれた彼らに、割れんばかりの拍手喝采を贈りたい。

撮影:太田好治、立脇卓、田中聖太郎、岩﨑真子/取材:田山雄士


セットリスト

  1. 1.青
  2. 2.DOME★BOMBAYE
  3. 3.贈る詩
  4. 4.飛べない鳥
  5. 5.イコール
  6. 6.3カウント
  7. 7.陽はまた昇る
  8. 8.嗚呼、青春の日々
  9. 9.マボロシ
  10. 10.Hey和
  11. 11.うたエール
  12. 12.マスカット
  13. 13.シュビドゥバー
  14. 14.3番線
  15. 15.タッタ
  16. 16.岡村ムラムラブギウギ
  17. 17.夏疾風
  18. 18.サヨナラバス
  19. 19.夏色
  20. 20.SEIMEI
  21. <ENCORE>
  22. 1.栄光の架橋
  23. 2.少年
  24. 3.終わりの歌
ゆず プロフィール

ゆず:1996年3月に結成。横浜、伊勢佐木町を中心に路上ライヴを行なう中、98年6月にリリースした1stシングル「夏色」で脚光を浴び、その後も「栄光の架橋」「虹」とヒット曲を世に送り出す。等身大の視点から投げ掛けられるリアルな歌詞、センチメンタルで清涼感のあるメロディー、それらを包み込む素朴で温もりを帯びた音色で多くのファンを魅了し続けている。ゆず オフィシャルHP
TOY'S FACTORY
ゆず オフィシャルFacebook
ゆず オフィシャルTwitter
ゆず オフィシャルYouTube
Wikipedia

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着