【LAZYgunsBRISKY インタビュー】
新たなサウンドとともに
“Riot”という言葉に込めた想い
中尾憲太郎(Crypt City、ナンバーガール他)と組んだアルバム『NO BUTS』から2年。ヒップホップとシンセサウンドを大胆に取り入れた挑戦が、さらなるバンドの前進を物語るミニアルバム『Riot Bulb』が完成。しかも、今回はストレートなラブソングも収録され、ただ単に硬派なだけじゃない、しなやかな魅力もアピールしている。
変化したというよりは、
今のうちらっぽい
まずは『Riot Bulb』を完成させた手応えから教えていただけますか?
LUCY
みんな、それぞれに挑戦があって。初めてシンセサウンドを入れることも含め、“やりたいと思ったことを全部やっちゃおう”ってプロデューサーの猫田ヒデヲさん(QUADRANGLEのメンバーで、西野カナやLiSAへの楽曲提供でも知られる)と進めていったので、やり切った感はありますね。ヴォーカリストとしては、これまでずっと強いことが私らしさだと思っていたから、今回、(レコーディング時の)30歳の私の女性らしさとか、かわいらしさとかも声と歌で表現したことは挑戦のひとつでした。それはできたかなと思います。
楽器隊の3人はいかがですか?
AZU
音作りの特徴としては、個々の楽器が違うフレーズを奏でながら曲を作り上げるっていうのがトータルとしてあるのかな。以前までは、ダンスナンバーでもドラムが8ビートを刻んで、私たちはバッキングに徹するという曲作りが多かったんですけど…
MOE
ギター1本でやる時、それが一番作りやすかったし、音圧も出しやすかったし。
AZU
でも、今回はそれぞれの音の隙間を縫って、個々のプレイがちゃんと聴こえるようなアレンジで、なおかつシンセを入れながら曲を構築していったんです。それが楽しかったし、新しい音楽の価値観も生まれたので、次のアルバムを早く作りたいです(笑)。
YUKO
曲の幅もすごく広がったんですよ。それとともに歌詞の世界観もLUCYの中で変わったと思います。骨太のロックサウンドはずっと好きですけど、年齢とともにちゃんと成長してきたことが表現できたので、これからはライヴの中でいろいろな表情を見せられるようなセットリストも作れるだろうし。
前作の『NO BUTS』もチャレンジングな作品だったと思うのですが、今回は新たなチャレンジがさらに大胆に、ある意味過激になったんじゃないかと。シンセを入れることも含め、新しい音楽の価値観が生まれるようなことに挑戦するきっかけって何かあったのですか?
AZU
もともとそういう音楽を聴いていたっていうのもあるんですけど、今回、YUKOが以前にやっていたFLiPの活動休止後に作った曲もやっていて。そのデモにシンセが結構バキバキに入っていたんです。
YUKO
その時に聴きたいと思った曲を作っただけだったんですけど。
AZU
それが良かったっていうのもあるし、YUKOと私でYAっていうユニットを組んで、ライヴで使うSEやインストを作っているんですけど、そこにはすでにシンセサウンドを入れていて、それがバンドに広まったというところもあるし。
YUKO
だから、自分たちとしては今回、いきなりシンセを入れたわけではないから…
LUCY
うん。全然抵抗はなかったし、タイミングを見計らったわけでもないし、ほんと自然な流れで。
MOE
あと、ヒデヲさんとの出会いも大きかった。
AZU
「Hello, again!」(2018年10月に配信および会場限定でリリースしたシングル)から入ってもらったんですけど、その時にアルバムを作りたいという話をしたら、ヒデヲさんからも“こういうサウンドがLAZYには合うと思う”って提示してもらえて。そこで話し合いながら方向性を詰めていったんです。
YUKO
こういう音色を入れたいというアイデアはあってもキーボードが得意なわけじゃないから、ヒデヲさんに私たちのアイデアをまとめてもらえるという安心感もあって、やっちゃおうって思えたところもありました。
『NO BUTS』で新しいことにチャレンジした手応えが今回、みなさんの背中を押したところもあったのではないですか?
LUCY
『NO BUTS』でも挑戦はあったんですけど、あの時はそれまで10年やってきたLAZYらしいサウンドをさらに研ぎ澄ませた上で、もっとライヴバンドになれるように憲太郎さんに助けてもらいながら、“これがLAZYgunsBRISKYです!”って打ち出したかったんです。だから、今回とは軸がまた違ってて。アルバムごとに軸を作っていく感じはあるので、今回はまた新機軸って感じですね。
以前のLAZYらしさとはまた違うらしさを打ち出したかったと?
LUCY
もっと自然体かもしれないです。作る時はいつも“これが今の最高だ!”と思いながら作るわけですけど、人間をちゃんと出せる音楽をやりたいと思っているので、今回の私たちらしさがこのサウンドと歌詞だった。
AZU
だからって、今までのLAZYを捨てるわけではないんですよ。むしろ、プラスされていくっていうイメージなんです。
LUCY
同じ道の上なので。
YUKO
自分たちが“こうでなくちゃいけない!”と思ったら一番駄目だと思うんです。結局、うちらがやっているからLAZYであって、それがらしさだと思っているから、そこは変わっていないって受け止めてほしい。
LUCY
そういう意味では、変化したというよりは、今のうちらっぽいですね(笑)。