快快が2 年半ぶりとなる書き下ろし新
作『ルイ・ルイ』をKAATにて上演。ぬ
いぐるみの出演も

東京を拠点に活動する劇団、快快(ファイファイ)が2 年半ぶりとなる書き下ろし新作『ルイ・ルイ』を9 月8 日よりKAAT 神奈川芸術劇場にて上演する。
快快のKAAT 神奈川芸術劇場での本公演は、岸田國士戯曲賞最終候補作にノミネートされた『りんご』(2012 年)、ハイバイ岩井秀人氏を演出に招き東京デスロックのマスターピースを再演出した『再生』(2015年)に続く3作目。
出演には、快快オリジナルキャストの大道寺梨乃、野上絹代、山崎皓司に加え、快快の前身、小指値(こゆびち)時代の超名作『霊感少女ヒドミ』以来10 年ぶりの共演となる、女優・初音映莉子、シンガーソングライターとして異彩を放つ白波多カミン、ままごと、チェルフィッチュなど数々の劇団で活躍する超新星・石倉来輝、そして、ぬいぐるみ作家として数千体もの命を生み出してきたアーティスト片岡メリヤス制作のルイ(ぬいぐるみ/声の出演:毒蝮三太夫)が名を連ねる。
タイトルにもなっている『ルイ・ルイ』とは、アメリカのR&B シンガー、リチャード・ベリーの曲。ジム・ジャームッシュ監督の映画『コーヒー&シガレッツ』でも印象的に使われているこの曲は、カバーバージョンを流すだけの3 時間超えのラジオ番組が放送されたことがあるほど、多くのミュージシャンに歌われてきている。原曲には船乗りの欲求不満を歌った歌詞がついていたそうだが、思い思いに歌われ、それぞれに親しまれているため、もはや原曲が持つ意味は曖昧だという。舞台『ルイ・ルイ』は楽曲「ルイ・ルイ」のこの【存在の、ないようで、ある】ところ、に発想を展開していく。
作品についてー脚本 北川陽子 
「歴史に残らない私たちの日常」とは、私の最愛の詩人の言葉です。人類が生きていた証は残る可能性があるとしても、〈私〉が生きていた事実は果たして残るのか。そんな、さみしさを含んだ問いがこの作品の始まりでした。人間だけじゃなくて、命はぜんぶちょっとせつなくてさみしい存在です。社会の歪みによって満たされない思いを抱えながら、何者かになりすましながら生きるいまの私たちという「存在」について考えたいと思いました。存在している、していたものに対して、あなたは確かに存在したと断言するに足る作品、体験を目指そうと今は思っています。作品のタッチは軽やかです。出演者とディスカッションしながら日常のコピーを作り、その中で笑いやフィクショナルな現象を織り交ぜながら、不安で永遠に答えの出ない頑固な「現実」を踊らせたい。現実逃避のために踊るのではなく、現実に切り込むために踊る。現実を踊らせる。事ができたらいいのにな、と思っています。それが私という人類だけでなく、全て含めた命の、累々の輝きを目撃する希望になると信じてます。これらの事を作品に盛り込めて、存在!って感じのキャストに出会えて、命のさみしさに寄り添う事ができたら、またひとつ生きるためのつよめのアイテム増えるなあと、思っています。

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