BMS(BEATER Monthly Selection) V
ol.1~下北沢最前線~

先日、ミーティアで紹介した記事、ローチケの内のライブハウス情報ページ「BEATER」がマンスリーでお届けするアーティストセレクション。毎日のようにライブハウスを駆け巡る担当者が自信を持っておすすめするバンド・アーティストをご紹介します!

ギターロックの聖地、下北沢で活躍する
バンドたち

日本のロックシーンにおいて“下北系”という言葉があるほどに、カルチャーを形作る街として認知されている下北沢。この地にある数々のライブハウスで数え切れないほどのアーティストたちがデビューを果たし、全国的な人気を得ていきました。まさに、下北沢のライブハウスはインディーズアーティストの登竜門であると言っても過言ではないでしょう。特にギターロックバンドにとっては、下北沢は聖地のような場所。ASIAN-KUNG-FU GENERATIONやBUMP OF CHICKENフジファブリックBase Ball Bearなど、2000年代のシーンを牽引したバンドたちがこの街からキャリアを築き上げ、新たなシーンを作り上げていきました。そして現在でも数多のギターロックバンドが集まり、下北沢のシーンは目まぐるしく変わり続けています。今回は新陳代謝の激しいライブハウスシーンの中で、頭角を現しつつあるバンドを紹介します。彼らは皆、ギターロックの先人たちをリスペクトしながらも、個性的でエモーショナルなロックを鳴らしています。

鬱屈と希望のパンクを鳴らす「時速36k
m」

ハイトーンのボーカリストと言われて頭に浮かぶのが、尾崎世界観(クリープハイプ)。彼の登場以降、多くのハイトーンボーカルのロックバンドが市民権を得ていったように思えます。時速36kmのボーカル、仲川慎之介もその系譜に並べられるような声の持ち主。しかし、マイクにかぶりつくように歌う姿は、むしろ銀杏BOYZサンボマスターのようなパンクさを感じさせるものです。

「夢を見ている」

デビューEPに収録された「夢を見ている」は、そんな時速36kmの魅力を余すことなく表現した楽曲。怒りと希望が入り混じったフレーズや、吐き捨てるような歌い方、そして曲の後半になればなるほど前のめりになっていく演奏からは、彼らのパンクスピリットと野心を感じ取る取ることができます。鬱屈した歌詞とは裏腹に、パンクの持つヒリヒリとしたエネルギーを存分に表現しているのが時速36kmの最大の魅力でしょう。

時速36km 公式サイト
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素朴な声から生まれた自由なロック「S
UP」

バンドの音楽性を決定づける大きな要素が、ボーカリストの声。SUPのギターボーカル、イオリの歌声は小山田壮平のように素朴で、志村正彦にも通じる浮遊感があります。そんな不思議な声から生まれるのは、情景と心情が入り混じった情緒を感じる言葉と普遍的な響きを持ったメロディたちです。サウンドもギターロックのスタイルを下敷きにしながら、自由な発想を詰め込んだもの。

「mecca」

2019年の元日に発表された「mecca」も、2分間の中で様々な表情を見せる楽曲です。8ビートから始まったかと思えば、曲の後半でスローダウン。さらにそこで、荘厳なコーラスやドラマチックなギターソロが入ってきます。そんなバラエティに富んだ構成の中で、イオリの歌声がまっすぐに響くことで不思議な統一感が生まれます。SUPはイオリの声を中心としながら、ギターロックという枠には収まらない自由さを持った楽曲を生み出すバンドなのです。

SUP公式サイト

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聴けば聴くほど刺さるノイジーなガレー
ジサウンド「CRYAMY」

CRYAMY(クリーミー)の楽曲を初めて聴いたときに思い出したのが、ストロークスやアークティック・モンキーズ。シンプルで荒々しい演奏に、憂いを感じさせる歌声は、2000年代のガレージロックにも似た雰囲気を纏っています。しかし彼らのライブを観ると、ひとたびそのイメージは大きく変わります。彼らはとにかく衝動的で攻撃的な演奏を繰り広げるのです。パンキッシュなドラムと太く鳴らされるベース、暴れ回るようなノイジーなギター。そして叫ぶような声で歌われる言葉たちは、リスナーたちを熱狂させます。音源とライブでそれぞれ違った姿を見せるCRYAMYの音楽は、聴けば聴くほど深く突き刺さっていくのです。

2/27ライブ映像「ディスタンス/テリト
リアル」

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焦燥感が響くコードを鳴らす、新世代の
ギターヒーロー「ROKI」

ギターのコードをかき鳴らすだけで、リスナーたちを沸き立たたせる。そんなアーティストのことを、人々はギターヒーローと呼びます。ROKIのギターボーカル、山崎大樹はまさにそんな新世代のギターヒーローのひとり。ひとたびディストーションの効いたザラザラしたギターリフを聴けば、すぐさま心が沸き立ちます。そんな山崎にとってのギターヒーローは、ニルヴァーナのカート・コバーン。カートが鳴らしたコードから哀愁が漂っていたように、山崎が鳴らすギターから響くのは焦燥感です。そんな性急なサウンドの上で歌われるメロディは、ロマンチックで普遍的な響きを持ったもの。ザラついたサウンドでポップなメロディを鳴らしたGoing Steadyのように、何年も歌い継がれるような名曲を生み出す予感がするバンドです。

「夜行列車」

ROKI公式サイト
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以上、おすすめ4バンドをご紹介しました! いかがでしたか?気になるアーティストはいましたか?
次回のBMSもお楽しみに!

BEATER [ローチケ ライブハウス情報サイト]

BMS(BEATER Monthly Selection) Vol.1~下北沢最前線~はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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