L→R 佐々木 萌(Vo)、坂本 遥(Gu)

L→R 佐々木 萌(Vo)、坂本 遥(Gu)

【エドガー・サリヴァン
インタビュー】
超絶キャッチー、
エドガー・サリヴァン

人の心に残る音楽って
人間力が大事だと思っていて

今作が完成して、どんなご気分ですか?

佐々木
人生のターニングポイントとなる作品だと思います。達成感があります。流行りを取り入れつつも、大好きなルーツの遺伝子を取り込んでいてお気に入りのEPとなりました。
坂本
人の心に残る音楽って、人間力が大事だと思っていて。その人自身の欲深さとか求心力とか、逆に欲のなさとか。そういうのを含めて音楽は伝わっていく。いかにお金をかけようとアレンジのセンスが良かったとしても、上辺のものはもう伝わらない時代だと思うんです。さっきの話に戻りますけど、萌ちゃんが全部の歌詞を書いていて。今まで以上に活き活きした言葉遣いだったり、歌の息遣いを記録できていると思うんです。デモを聴くたびに“これ、俺の曲なの?”って萌ちゃんに訊くけど“違うよ!”って言われて悲しいんです…。
佐々木
“俺のこと書いたの?”っていつも訊いてくるから、“違うよ”って(笑)。

あはは。“NEWS”というタイトルも印象的です。

佐々木
ニュースって普通の日常を伝えるニュースもあれば、戦争やスキャンダルとかもあって。人それぞれ思い浮かべるものが違うじゃないですか。“日常の楽しいニュースはエドガー・サリヴァンが音楽で提示するから”みたいな。どこに焦点を絞るかですね。“日常の素敵なものに集中していたら周りがキラキラしてることだってあるよ”って。“大ニュース!”って見出しがつかないようなことでも、日常に潜んでるニュースに気付こうよっていう意味を込めています。
坂本
あっ、“NORTH、EAST、WEST、SOUTH”の略じゃなかったんだ。
佐々木
違う違う(笑)。よく思い付くよね(苦笑)。

(笑)。それこそ1曲目の「今夜ステキになって」は街の雑踏に溶け合うイントロダクションから始まる、ある種アルバム表題曲のような作品なのですね。

佐々木
「今夜ステキになって」は渋谷に実際にある地名が出てくるんですけど、そんな経験をしたことがある人だけに伝わる歌は書きたくないんです。たとえスペイン坂にいなくとも、この歌詞というか曲の雰囲気でときめけると思うんです。そんな曲になったんじゃないかなって。
坂本
現実なのか空想なのか、どっちか分からないっていうところが面白くて。渋谷WWW前で空を見上げて、スペイン坂、公園通りが出てくるんですけど、待ち合わせするのはネオ東京前で、“世紀末”というワードも出てきて。時間軸が不思議ですよね。萌ちゃんらしい歌詞だなって思ってて。こんなに具体的な地名が出てるのに、パステルカラーというか靄が掛かっているというか。歌詞で《君となら生き残れるような予感さ》ってあって“これは音楽業界で俺らが?”って訊いたら“違う”って。“そうか…”って。とても平和な一瞬でしたね。

聴き手それぞれ、自分のこととして想像を広げられる楽曲ということですね。

坂本
大西省吾(agehasprings)さんのアレンジもカッコ良くて。もともとサビは4つ打ちじゃなかったんですよ。
佐々木
もうちょっとバンドっぽいというか。
坂本
ドンダン、ドドダンで入ってたんですけど、高揚感あるアレンジに生まれ変わっていて。“本当に素敵になれるんじゃねえか、俺”みたいな。それで歌詞にある《世界をずっと二人きり生きよう》っていう気持ちで萌ちゃんの目をみたら、俺と目を合わせてくれないっていう。
佐々木
そんなことあったっけ?

あはは。

坂本
アレンジがすごい好きでね。もっと言っちゃうと林あぐりさんってベーシストとSANABAGUN.の澤村一平くんにドラムを叩いてもらったんですけど、ふたりのプレイも素晴らしくて。僕はギタリストとしていろんな現場に行くこともあるんですけど、ディレクターさんに“良かったね!”とか“あのフレーズ超いいよ!”って言われても“俺はそんなにいいと思ってないんだけどな”って時が結構あるんですよ。でも、逆に自分がディレクターになってみると、いろんなアイディアを入れてくれるのが嬉しくて全部取り入れたい。とにかくレコーディングが楽しかったですね。
佐々木
昨日、MVを録ってきたんです。この曲の浮遊感というかファンタジー感を表現した作品にしたくて。
坂本
The 1975とか、そんな色合いです。
佐々木
この曲を書いた時のイメージが映画『AKIRA』でした。そこから“ネオ東京”というワードが生まれて。今の東京だって平和っぽく見えるけど、見えないところで起きている事件のことを考えると『AKIRA』で描かれた世界と近からず遠からずっていうか。世紀末感を感じながらのネオンというか、なんか浮足だっていて地に足が着いていない感じというか。そんな時であっても、好きな人と待ち合わせするために闊歩していると、だんだん空を飛んでるような気分になるっていうのは、みなさん経験あるんじゃないかなって思って書きました。

取材: ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

EP『NEWS』2019年5月29日発売 OEDO LABEL
    • ASCU-777
    • ¥2,000(税抜)

ライヴ情報

『Amuse Fes in MAKUHARI』
6/1(土) 千葉県・幕張メッセ国際展示場9〜11ホール

6/2 (日) タワーレコード池袋店
6/8 (土) タワーレコード町田店

『「NEWS」 Release Tour 2019 〜KAWARABAN■行脚!!!〜』
6/12(水) 大阪・梅田Zeela
6/22(土) 東京・渋谷eggman
※■には雷の絵文字が入ります

エドガー・サリヴァン プロフィール

エドガー・サリヴァン:佐々木萌(Vo)のパーソナルなリリックと歌声、坂本遥(Gu)のオルタナティブなギタープレイが融合したハイファイでキャッチーなサウンドは、唯一無二の都会的センスと圧倒的完成度を持って他に類を見ない次世代の音楽を生み出す。また、クラブミュージックからロックカルチャーまで自在に横断しながら生み出す柔軟なトラックメイクは、同世代の共感を求めながらも簡単にポップスという枠に収まることなく、正に最新のミクスチャースタイルを提示している。エドガー・サリヴァン オフィシャルHP

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OKMusic編集部

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