2019年5月3日 at 恵比寿LIQUIDROOM

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【nano.RIPE ライヴレポート】
『nano.RIPE TOUR 2019
「ゆうきのきのみ」』
2019年5月3日 at 恵比寿LIQUIDROOM

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 2013年〜2016年にドラマーとしてnano.RIPEに在籍し、昨年の夏に急逝した青山友樹を偲んで企画された、nano.RIPEの全国ツアー『nano.RIPE TOUR 2019「ゆうきのきのみ」』が、5月3日に東京・恵比寿LIQUID ROOMで幕を開けた。青山の在籍時にメンバーだったアベノブユキ(Ba)もサポートで参加し、“友樹がいた頃をなるべく再現できるように、セットリストを組んでリハを重ねてきた”(きみコ/Vo&Gu)と、青山との思い出の曲や新曲「アイシー」などを披露して、青山の一周忌を前に熱い演奏で彼を偲んだ。

 「きせつの町」で始まり、「ウェンディ」「うつくしい世界」と続く、いつにも増してエモさが全開になったオープニングの3曲にボルテージが高まった会場。“この3曲でだいたい分かったんじゃない? 今日は休ませる気はないから”ときみコ。2年半振りにnano.RIPEに参加したアベは、“前より圧がすごい”と観客に圧倒されつつ、 ササキジュン(Gu)のマイペースさには“そういうところは変わってないね”と、懐かしそうな表情も見せた。そんなアベのベースを中心に、バキバキのテクニカルな演奏で聴かせた「マリンスノー」。ササキのソリッドなギターサウンドで新境地を開いた 「アザレア」では、きみコのワイルドなヴォーカルが会場に轟き、ファンも手をあげて“オイ! オイ!”と声をあげ、会場が一体となる盛り上がりを見せた。

 最近はあまり演奏していなかった曲も数多く入れたセットリストながら、タオルを回して盛り上がった「リアルワールド」やファンの大合唱が恒例になった「ハナノイロ」など、nano.RIPEらしさもあふれたライヴ。未発表曲の「声鳴文」では“今の僕らを全て詰め込んだ曲。みんなと一緒に歌うために作った”と紹介して、壮快感のあるビートに乗せて会場がひとつになって“WOW WOW”と歌う声が会場に響き渡った。

 青山との思い出の曲も多数演奏。“友樹と最初に演奏した曲”と紹介した「ハロー」は、《会いたくなったらココにいるよ 泣きたくなったらココにいるよ》という歌詞が、青山が曲の中にいつまでも生きていると言っているようで、キラキラとしたギターサウンドが相まって切なさが胸に込み上げてくる。アンコールで歌った「ルミナリー」では青山が“この曲、好きなんですよ”と言っていたと振り返っていたが、緻密に計算されたバンドアンサンブルとサポートドラマーの菅間 匠によってまるで青山のドラミングが蘇ったようだった。また、アンコールで披露したミディアムバラードの新曲「アイシー」は、青山の存在を刻み付けるような歌詞が胸をキュッと締め付けた。

 “友樹に捧げるライヴであり、友樹のためのライヴ。僕らのわがままに付き合ってくれてありがとう”と、ファンに感謝の気持ちを表したきみコ。nano.RIPEの20年の中で重要な約4年間をともに過ごした青山の急逝によって、心に空いた大きな穴…それを何かで塞ぐのではなく、痛みを大切に抱えながら、21年目以降を生きていく決意を表明したライヴになった。

撮影:白濱賢吾/取材:榑林史章


セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。
nano.RIPE プロフィール

ナノライプ:前身バンドを経て2004年にnano.RIPEとなり、地元である千葉・東京を中心に本格的な活動を開始。08年、インディーズレーベルよりミニアルバム『空飛ぶクツ』を発売。草野マサムネ(スピッツ)など多くのアーティストから推薦コメントが寄せられ、話題となる。10年、Lantisよりメジャーデビュー。その後、メンバーチェンジを経て、現在はきみコとササキジュンのふたりで活動を続けている。nano.RIPE オフィシャルHP

OKMusic編集部

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