ロックの進化にも
多大な貢献を果たした
キング・カーティスの
『ライヴ・アット・
フィルモア・ウエスト』

キング・カーティス&キングピンズ

キング・カーティスはテキサス出身のサックス奏者であり、アレンジやプロデュースも手掛ける才能豊かなアーティストだ。50年代後半にジャズミュージシャンとしてデビューするものの、自身のルーツがR&Bやジャンプブルースにあることから、60年代には自身のグループであるキングピンズを率いて、R&B
畑での活動を始める。アトランティックレコードを中心に、71年に刺殺されるまで、自身のアルバムをはじめ多くのアーティストのバックを務め、南部周辺のロックの成立にも関わっている。

中でもサザンソウル時代のアレサ・フランクリンと、マッスルショールズ周辺のスワンプロッカーやサザンロッカーたちに与えた影響は計り知れない。ジョン・レノン、ラスカルズ、デラニー&ボニー、アレックス・テイラー(ジェームス・テイラーの兄)らのようなロック系の他、ナット・キング・コール、ハービー・マン、ドニー・ハサウェイ、ジョージ・ベンソンのようなジャズからソウルまでの幅広いサポートは当時の黒人ミュージシャンには珍しく、彼は今でいうアメリカーナのアーティストに分類される最初期の人物だと言えるだろう。

キングピンズの音楽は、大雑把に言えば“歌のない歌謡曲”である。ソウル、カントリー、ポップスなどのヒット曲をインストで演奏するというスタイル。かつて日本には演歌をサックスでプレイする“ムードテナー”というキャッチフレーズで人気のあったサム・テイラーというアーティストがいたが、彼はキング・カーティスとは50年代からの友人で、彼らは同じようなスタイルで、一方はアメリカ、一方は日本で活動していたのだ。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着