ウィーザーの『ウィーザー
(ブルー・アルバム)』は
90年代を代表するL.A産パワーポップ

短命だったグランジブームと
ブリットポップの波

そして91年、ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』とパール・ジャムの『テン』がリリースされる。これらのアルバムによってグランジ/オルタナティブが世界中のリスナーに認知されることになる。94年にはグリーンデイの『ドゥーキー』が1000万枚以上のセールスを記録し、グランジ熱は頂点に達していた。

イギリスでも、アメリカのオルタナティブ勢に影響を受け、ビートルズ以来のイギリス王道サウンドとも言えるブリティッシュポップを武器に、オアシス、ブラーらのブリットポップ勢がブレイク、同時にジャミロクワイやブラン・ニュー・ヘヴィーズのようなアシッドジャズも生まれている。第2次ブリティッシュ・インベイジョン以降、90年代半ばにしてアメリカとイギリスのロック事情はかなり違ったものになるのだが、風土や文化の違う国だから好まれる音楽が違うのは至極当然のことだと思う。

アマチュアバンドのような
風貌のウィーザー登場

その後、アメリカではグランジ熱が急速に冷め、代わって台頭してくるのはスター不在のグループたちだ。その原型となるパワーポップのスタイルは80年代の初頭すでにフィーリーズやThe dB'sが提示したものであったが、彼らはまだ地域的なグループから脱皮できてはおらず一般リスナーに対する認知度は低かった。

92年にロスで結成されたウィーザーは、インディーズ的なCMJとメジャーそのもののMTVの両者に認められたスター不在のオタク的要素を持つグループの最右翼であった。ウィーザーはギターとボーカルのリヴァース・クオモをリーダーに、同じくギターとヴォーカルのブライアン・ベル(当初、ジェイソン・クロッパーがギターであったが、デビュー作のレコーディング中に辞めたため、入れ替えで参加)、ベースとヴォーカルのマット・シャープ、ドラムのパトリック・ウィルソンの4人組で、ほとんどの曲をリヴァースが手掛けている。

OKMusic編集部

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