【NEIGHBORS COMPLAIN
インタビュー】
洗練×コク旨のR&Bを鳴らす
要注目バンド!
大阪のストリートライヴで腕を鳴らし、2015年にデビュー。古きよきR&Bマナーをアーバンに鳴らすバンドサウンドで早耳リスナーに話題のNEIGHBORS COMPLAINが、待望の2ndアルバム『BRIDGE』をリリースした。本作では持ち前の洗練された演奏が著しい成長を遂げ、ポップに進化。今後さらなるブレイクが期待される4人が、新作へのこだわりと定評のあるライヴへの想いを語る。
ニューアルバム『BRIDGE』は前アルバム『NBCP』からの大きな変化と成長が感じられる内容でした。今回はどんなアルバムを目指したんですか?
Taka
最初は全体的なコンセプトやテーマは設けず、一曲一曲、ただカッコ良いものを作りたいと。そこに向けて走っていました。
Gotti
とはいえ、『NBCP』とは違うものを作りたいという想いがありましたし、NEIGHBORS COMPLAINを濃くしたいという意識はありましたね。
Oto
2018年はSPACE SHOWER MUSICとの新たな船出に始まり、ジャカルタのフェス『JAVA JAZZ FES. 2018』に出たり、ラジオ番組(FM YOKOHAMA『NBCP』)が始まったり、いろんな出会いがあって、すごく濃い一年だったんです。いろんなことを経験して気付かせてもらえた。それがかたちになったものが、このアルバムだと思ってます。
前作は全曲Otoさんの作詞作曲でしたが、今回は他3人の作詞作曲による楽曲も収録されていますね。
Oto
4人各々が書いた曲を入れることで、もっとバンド感が出るんじゃないかと考えたんです。メンバーの人となりが分かったほうがバンド感のアップにつながるんじゃないかなと思って。
Kash
結果、各自のカラーが出て、それを全員で練っていったので4人の想いも込められた。この1年間で培った僕らの絆がギュッと詰まったアルバムになったと思います。
レコーディング方法も変わったそうですね。
Taka
ドラムの録り方から変わりました。ドラムはアコースティックな楽器なので各パーツが響き合って余計な倍音が出ることがあって、今回は曲によってタムドラムを外したり、シンバルを全部外したり、楽曲毎に並べる機材やセッティングを変えて録ったんです。あと、今回は自分たちの理想の音を求めて打ち込みも使いました。それも前作との大きな違いですね。
前作と比べて今回は音の隙間が感じられるし、それがグルーブを生むことにもつながっていると思ったんです。演奏もヴォーカルもさらに洗練されてきたなって。
Gotti
今回は各楽器を個別に録っていったんです。ドラムだけ録って、次にベースを録って、ギターを重ねてっていう。
Oto
曲の完成図を予想しながら、ここはあえて間引いてみようとか。前作は4人でベーシックな音を録って“ここに何が欲しい?”って足し算していくやり方だったんですけど、今回はゴール地点が全員で共有できていて、“あえてここは弾かない。その分、これを入れる”っていう、そういうパズルみたいな組み立て方ができましたね。
Taka
ドラムも以前は決め込んで叩いてたんですけど、今回はなんか違うなと思ったらどんどん自分自身をアジャストしていく。レコーディングというゴールに辿り着くまでの突き詰め方が深くなりました。
Kash
前作より今回のほうが“歯車感”が圧倒的にあるんです。それぞれの演奏の嚙み合わせがガッツリとはまってる。というか、ちょっとでも噛み合わないと勢いが出ない曲が多いんです。特に「LST/D」や「Aurora」はプレイ中に一瞬気を抜いたら倒れるような感じ。実際、Takaくんはドラムのレコーディングが終わってリスニングルームに帰ってきた時にヘロヘロになってましたから。
「LST/D」は本作のリード曲になっていますが、演奏力の高さや巧緻なアレンジで唸らせる、アーバンなジャズファンクに仕上がっていますね。
Oto
最初はもっと淡々とした曲を作ろうと思っていたんです。それで、《もう一回はない》と歌ってる今のサビのところだけをずっと同じグルーブ感で、温度も変わらずに延々と続くデモを作って。それをメンバーに提案したら“何が、《もう一回はない》の?”って言われて(笑)。自分の中では、人生は一度切りだからラストダンスを一緒に踊りたいっていう思いを歌いたかったんですけど、“だったら、それを歌ってよ”って言われて。“確かに(笑)”と思って、そこから作り替えたんです。
歌詞のテーマを端的に言うと“一期一会”ということですか?
Taka
そうですね。今日のこの瞬間は絶対返ってこない。だからこそ、ひとつひとつの出会い、一瞬一瞬の出来事を大事にしていきたいっていう気持ちで作りました。
今の4人が出会ってバンドを結成したことも一期一会を大切にした結果ですよね。
Gotti
そうですね。2012年のことですけど、梅田の歩道橋の上でミュージシャンを20名くらい集めてストリートジャムセッションをやるという企画があったんです。初めて会ったミュージシャン同士で、共通で知ってる曲をやるみたいな。そこにたまたまこの4人が顔を揃えていて、そこからバンド結成に向けて進んでいきましたから。
活動を始めた頃は大阪でストリートライヴをしていたそうですが、バンド名にはどんな由来があるんですか?
Oto
当時は4人各々に別のバンドのサポートメンバーなどをしてたんですけど、“そんな僕らの共通点ってなんだろう?”って考えた時に、やはりストリートだなと思って。
Taka
その頃は本当によく演奏を止められたりしてたんですよ。知らないおじさんに怒鳴られたりとか(笑)。で、“近所迷惑”っていう言葉を調べたら“Neighbors Complain”って出てきて、字面もいいなって。
Gotti
その頃よく外国人ともセッションしていたんで、英語をネイティブで話せる人に“Neighbors Complain”ってどう?って確認してみたら、“めちゃめちゃイケてる。洒落が効いてて面白い”と。それで、このバンド名にしました。
話を新作に戻すと、今回の“BRIDGE”というタイトルにはどんな想いを込めたんですか?
Kash
“いろんな人たちに僕らの音楽を届けていくための架け橋”という想いを込めました。僕らの地元の大阪には、目的の場所に行くとなったら何かの橋を越えていかないと行けないというくらい川が多くて。そんな僕たちが、これから全国のいろんな方たちに音楽のかけ橋をつないでいくんだという想いを込めたんです。
Oto
あと、“BRIDGE”という言葉には“乗り越える”という意味もあるんです。“この4人で夢に向かって、いろんな出来事を乗り越えていくんだ”っていう決意も込めて、このタイトルにしました。
そんなアルバムを引っ提げて、2月15日から全国ツアーが始まりますが、どんなライヴを観せたいと思っていますか?
Kash
ライヴはお客さんを楽しませるショーじゃないといけないと思ってるんです。じっくり聴かせる場面があったり、踊れる場面があったり、グッと持っていかれるタイトな場面があったり。そうやって緊張と緩和を大事にして、お客さんを釘付けにするショーを作りたいですね。
Taka
新作の曲はもちろん演奏しますけど、そこに前作の曲をどう入れていくのかっていう部分で、前作のツアーの時よりもお客さんの楽しませ方のバリエーションが増える。その意味で僕は単純に今度のツアーが楽しみです。
Gotti
会場にいる全員を楽しませることはもちろん、本当にすっごく濃いものでたったひとりのハートを撃ち抜き切る。そういうライヴにしたいですね。そういう意識で臨むことで全ての人の心に響くライヴができると思うんです。
Oto
ライヴに臨む時、以前は“謙虚に、遠慮なく”を自分の中でテーマにしてたんです。そこに最近“暴れる”っていうのが加わって。“謙虚に、遠慮なく、暴れる”。それをステージでどう表現しているのか観てほしいし、何より自分たちがわくわくするライヴにしたいですね。
取材:猪又 孝
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アルバム『BRIDGE』2019年1月23日発売
SPACE SHOWER MUSIC/Liquid Brain Inc.
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『NEIGHBORS COMPLAIN TOUR 2019「BRIDGE」』
2/15(金) 大阪・BIGCAT
2/16(土) 愛知・ell.FITS ALL
2/23(土) 福岡・DRUM Be-1
2/28(木) 東京・渋谷WWW
3/15(金) 広島・SECOND CRUTCH
3/20(水) 北海道・KRAPS HALL
NEIGHBORS COMPLAIN プロフィール
ネイバーズコンプレイン:大阪府出身のセルフコンテインドバンド。2014年に結成し、翌15年にミニアルバム『Decision』、シングル「Now Or Never」を発表。ニュークラシックソウル、ブラックコンテンポラリー、ニュージャックスウィング、レアグルーブなどを背景にしたサウンドメイクで注目され、17年に1stアルバム『NBCP』を発表。18年にはインドネシア・ジャカルタの世界的フェス『ジャワ・ジャズ』に日本人アーティスト代表として出演。19年に2ndアルバム『BRIDGE』をリリース。NEIGHBORS COMPLAIN オフィシャルHP
アルバム『BRIDGE』トレーラー