2・古舘佑太郎×ヤングオオハラ・ハ
ローユキトモ 列伝ツアーで相見える
2人が本音で語り合う

若手ロックバンドの登竜門『スペースシャワー列伝JAPANツアー』が、今年も2月21日(木)の福岡 BEAT STATION公演より幕を開ける。今回の顔ぶれは、tetoHump Back、2、ヤングオオハラの4組だ。

SPICEではその開催を前に、2の古舘佑太郎とヤングオオハラのハローユキトモというフロントマン2名の対談を行った。かつて古舘はThe SALOVERSで若くして同ツアーに参加したことがあり、今回最年少での参加となるユキトモは以前より2の楽曲を愛聴しているという。
そんな両者の、ロックミュージックやバンドというものへの向き合い方や、そこにどんな想いを抱きどんなロマンを描くのかを紐解くうちに見えてきた、それぞれの個性や共通点とは。ツアー本番を前に、ぜひ一読いただきたいテキストに仕上がった。
――以前から濃い交流があるお二人なんですか。
2・古舘佑太郎:仲良くなったのは結構最近ですね。対バンをしたことは前にもあったんですけど、ちゃんと喋ったのは、最近の列伝のイベントの時が初めてでしたね。
ヤングオオハラ・ハローユキトモ:そうですね。僕は前から2の曲を聴いてる身だったので、「あ、本物だ」って感じだったんですけど(笑)。
古舘:僕の前のバンド(The SALOVERS)のマネージャーが今はAwesome City Clubのマネージャーをやっていて。で、Awesomeがヤングオオハラと仲がいいと。そういう繋がりの中で、そのマネージャーさんから「古くんは絶対にヤングオオハラと仲よくなれるよ」、「昔の古くん達と似てる4人で凄く面白いよ」っていう話を聞いてたんですよ。だから会う前から仲よくなれるつもりでいたので、僕のほうこそ、ヤングオオハラと一緒になった時は「あ、本物だ」って感じでしたね(笑)。
ユキトモ:ははははは。
古舘:まあ、まだ会ってから日が浅いので真髄は見れてないと思いますけど、一瞬で仲良くなれたことを考えると通ずるものはあるのかなと思いましたね。ヤングオオハラの今の年齢がまさに、僕が初めて列伝ツアーに出た時の歳と一緒なんですよね。そういう意味でも、昔の自分達を見ているようでもありましたし。
ユキトモ:ああ、そうなんですね。僕はYouTubeでいろいろ漁るようになってから、古舘さんが一人でやってる頃(2015年~2016年)の曲を聴いたんですよ。その頃から、本当にいい音楽だなあと思ってて。「いつか一緒にやれたらいいな」ってなんとなく考えてるくらいだったんですけど、2018年のうちに対バンできる機会があって凄く嬉しくて。そこで『GO 2 THE NEW WORLD』の音源をもらってから、車検が切れて廃車になるまで、自分の車の中でずーっと聴いてました。
古舘:うわ、嬉しいなあ。
――お互いの音楽的な印象は、どういうものなんですか。
古舘:音源で聴くのとライブで観るのとで、ヤングオオハラに対する印象が凄く変わったんですよ。MVを観てる以上に、ライブで4人が鳴らしてる音に泥臭さを感じたんですね。それが凄く好きで。それに4人それぞれのキャラクターが立ってるし、話していても、誰ひとり地味な人がいないんですよ。あまり歌として聞いたことのない強烈な詞を繰り返す曲も面白いし、凄く上手いなと思いましたね。ライブってやっぱり、歌の一文字一文字まで聴きとるのは難しかったりするじゃないですか。だけどそれがスッと届くような歌を歌っていたので、そこが脅威だなと思って。
ユキトモ:嬉しいです。僕も、何も考えなくてもスッと入ってくる音楽が好きで、古舘さんの曲もいつも自然と口ずさんじゃう。だから2は新しい感覚をどんどん探すようにずっと聴いちゃうんですよね。僕にとって、やっぱり口ずさんじゃう感覚って結構大事だと思うんですよ。それがいい音楽だと思ってて。
ヤングオオハラ・ハローユキトモ / 2・古舘佑太郎 撮影=風間大洋
古舘:僕がヤングオオハラを観た時に……沖縄っていう島で育って一緒に生きてきた4人が、4人にしかわからない感覚を大事にして持ってきている感覚があったんだよね。僕は東京で育った人間だけど、10代から一貫校で一緒に育った幼馴染と前のバンドをやってたの。だから、それぞれが違う場所から違うピースを持ち寄ったというよりも、4人にしかわからない感覚を大事に育てていたのが前のバンドで。そういう感覚が、自分の若い頃とヤングオオハラに通ずる部分なんだろうなって。端から見たらわかりづらいものでも4人の中では成立してるっていう。
ユキトモ:まあ、僕らはまったく意識してないで、自由に好きなことをやってるだけなんですけど(笑)。
古舘:でもその天然から生まれてるのがいいんだよね。一緒に生きてきた時間で純粋培養された音楽だなって思うので。
――今おっしゃったように、バンドと一言で言っても、在り方はバンドそれぞれに違いますよね。バラバラの環境で育ってきた人が集うからこそ化学反応が生まれるっていう形もあるわけで。そういう意味でいうと、おふたりにとってのバンドってどういうものなんですか。
古舘:僕は前のバンドで、それこそ同じ環境で育ってきた仲間だけがわかる感覚を育てることをやってたわけで。でもそのバンドを23歳で辞めたから、その真逆のことをやってみようと思って、自分とはまったく違う人と一緒に作っていくバンドを始めたんです。ある種の天然から生まれるものとか、違う人とやるからこその化学反応とか、その両方を感じてきたとは思うんですよ。だからこそ、ヤングオオハラを見てると自分にとっての初心を思い返す感覚があって。
ユキトモ:僕にとってのバンドは、ただ楽しいことをやりたいっていうだけなんですよね。仲間と和気あいあいやれたらなっていう。このメンバーでなきゃ成り立たないし、もう家族に近い感覚でずっと一緒にいるので。飲むのも一緒だし、ずっと笑い合ってるし。
古舘:何歳から一緒なんだっけ?
ユキトモ:高校1年生から一緒に遊んだりしてた仲間ですね。大体何をやるにも一緒だったし、怒られることも全部一緒だったし――楽しいことをやるならこいつらしかいないなっていう感覚なんですよ。
古舘:ああ、そうなんだ。
ユキトモ:あと古舘さんに聞いてみたいことがあるんですけど。歌詞を書くときって、想像と現実をぐちゃぐちゃにしてるんですか?
古舘:あ、ちょうど二日前に他のミュージシャン仲間からも同じことを聞かれたんだよね(笑)。やっぱり歌詞の書き方って気になるのかな。俺の場合は、歌詞の中で盛るところはある。色をつけたり、膨らませたりするっていうか。基本的には自分の経験したことや本当のことを基にして書くし、本当のこと以外から書こうとすると大抵行き着けないの。そういえば、俺もこの前、ライブで一緒になったときユキトモくんに聞いたよね? 「あの姉ちゃんの曲って本当のことなの?」って。
ユキトモ:ありましたね。僕、答えましたっけ。
古舘:うん。「俺、姉ちゃん好きなんですよね」って言ってた。だからきっと、お互い本当のこととか現実を歌にするのは大事にしてるんだろうね。だけど現実だけじゃ面白くないし、そこに「こうだったらいいのに」っていう妄想が入ってきたりする。そのバランスなのかもしれないよね。
ヤングオオハラ・ハローユキトモ / 2・古舘佑太郎 撮影=風間大洋
――おふたりの歌を聴いていると、目に見えているものをストレートに綴りながら、その奥に何かロマンティックな気持ちを持とうとする気持ちが必ず入ってくると感じるんですね。
古舘:ああ、確かにそうかもしれないですね。現実を歌いたいと思って歌詞を書き始めるんですけど、でもそこにロマンティックなものを求めるというか。ただ、A型だからなのか神経質なところがあって、整合性とか辻褄はもの凄く気になっちゃうんですよ。たとえば「MY FRIEND IN NEW YORK」っていう曲で言えば、友達がニューヨークにいるっていうのは本当なんですよ。そこから「俺が朝起きるくらいの時間に向こうは寝てるな」っていうことがロマンティックだと思って歌詞を書き始めて、だけど厳密に時差を調べていくと、ちょうど寝る時間とちょうど起きる時間とが微妙にズレるんですよ(笑)。
ユキトモ:はははははは!
古舘:そういう細かいところが気になるし、本当のことでなくなるのは嫌なんだよね。ロマンティックに歌いたいのはあるけど、あまりに妄想過ぎることは歌いたいと思わないから。
ユキトモ:そうですよね。僕の場合は、基本的に「こうしたいのに、なんでできないんだ」っていうイラ立ちとかムカつきから、願望とかを歌にしてるだけなんですよ。ただ古舘さんとちょっと違うのは、ニュアンスさえ合っていれば面白い感じで歌えればいいかなって思うくらいで。通ずるところもあるとは思うんですけど、違う部分も結構あって面白いですよね。
――まさにこの『スペースシャワー列伝JAPANツアー』は音楽性やジャンルを共通項にした対バンツアーとはまったく違うし、毛色の異なるバンド達の真剣勝負だからこそ、毎年刺激を与え合えるツアーになってると思うんですね。その辺に関しては、どういう刺激を与え合えるとか、どういう成長ができそうとか、何かイメージはありますか。
古舘:やっぱり一夜限りの普通の対バンとは違って、同じ4バンドでずっと一緒に回れるツアーっていうのは大きいと思いますね。お互いに、「昨日はこうだったけど今日はこうだったな」っていう成長を見られる。一緒に続けていると隣のバンドの成長を見ながら自分達も刺激をもらえるから。
ユキトモ:僕らにとっては、沖縄から出てツアーを回ったこともないので、未知なんすよね(笑)。きっとツアーを回った後で変わってくるものはあるんだろうなと思うんですけど、あまりに未知過ぎて、最初のハコで一発目の音が鳴るまではこの緩いテンションのままな気がしますね。……古舘さんは前のバンドでも列伝ツアーに出てましたけど、その時とは違う感じイメージなんですか?
古舘:みんな列伝ツアーはバチバチしてるってよく言うけど、初めて出たときはそれを感じなかったんだよね(笑)。まあ、当時は僕らだけが子供ってくらい若かったから、何も感じてなかっただけなのかもしれないけど--でも別にコンテストじゃないから、バチバチする必要もないんじゃないかな?って気がしちゃう。これは性格的なものかもしれないけどね?
ユキトモ:僕もバチバチするのは好きじゃないですね(笑)。人のライブを観て悔しくなることは普通にありますけど、そこはそこで、後は人と仲良くやりたいっていう感じなんですよね。ライブハウスではバチバチやればいいですけど、喧嘩腰な感じが好きじゃないんですよ。
古舘:さっき、最初の日まではリラックスしてるって言ってたじゃない? でも僕は逆で、ライブ本番までの緊張が凄くて。絶対他のバンドが120%出してくるっていうのはわかってるから、そこで僕も120%出せるのか?っていう自分に対してのプレッシャーはあって。しかもこのツアーに二回選んでもらってる身としては、その感謝もあるし。7年前に初めて出た時の気持ちも全部背負ってやりたいと思ってて。それをただ吐き出すだけのライブじゃお客さんには関係のないことっていうのもわかってるし、それは難しいところなんだけど。ライブはもちろん楽しみたいと思ってる。
2・古舘佑太郎 撮影=風間大洋
ユキトモ:ライブって何なんですかね。基本的に楽しみたいからやりますけど、楽しいときもあれば楽しくないときもあるし……やっぱり僕らの表現することを観てもらう場所なのは間違いないんですけど。やっぱり今の僕らは2018年から県外に出たばっかりだし、ドベからのスタートなので。一生懸命やるだけだとは思うんですよね。
古舘:楽しいときと楽しくないときってどう違う?
ユキトモ:楽しいときは、何も考えないでずっと笑顔でいられるときで。で、楽しくないときは、お客さんの目が気になり過ぎて「この人は何を考えてるんだろ?」ってグルグル考えちゃうんですよ。素直にやれてるときは楽しくライブができるというか。
古舘:さっき、詞を書くときは自分のイライラを出してるって言ってたじゃない? 俺の場合はもうちょっと違ってて、「俺こんなスゲえことかけるんだ!」っていう作業なのね。もちろん書けないときは地獄なんだけど、基本的には自分に自信がついていくことが多い。でもその分、「なんでもっとできないんだ?」っていうイライラをぶつけるのが自分にとってのライブで。それはステージ上で生まれてくる気持ちではあるんだけど、自分にとってのいいライブやいい曲っていうのも、そのイライラをガソリンにして何か違うエネルギーに変えられたときだと思ってて。
ユキトモ:僕らの場合は、本当にジャンルとかも何も考えずに、本当に「これいいんじゃない?」ってだけで好きな曲をやってて。
古舘:でもそこがいいよね。ジャンルレスだし1曲ごとに全然違うんだけど、それがヤングオオハラっていう屋号の下でまとまってるのが凄い。
ユキトモ:「○○っぽい」っていうのを考えながら作ったことがないんですよ。だからこそ、そういうのって受け入れられづらいのかな?っていう気もしてるんです。
古舘:確かに日本って、○○っぽいって思われるものが受け入れられやすいところがあるよね。モノマネ文化があるのもそうだと思うんだけど。ただ、何年かの周期で必ず「○○っぽい」って言えないものが従来のものを引っくり返すと思うし、そういうものを作りたいと思ってて。たとえば2で言うと、ギターのピー助(加藤綾太)が凄く音楽的な男なので、それと僕で何を生み出せるかっていうのがテーマなんだよね。自分になかった理論とか要素が入ってくるから、そのパスを受けて自分がどうするかっていう。楽譜にしたら破綻しちゃうというか、理論や理屈じゃない部分で僕は曲を作ってしまうので、それを上手く昇華してくれる彼の存在が大きいんですよ。それが前のバンドとは全然違うところで。ヤングオオハラはどういう風に曲を作っていくの?
ヤングオオハラ・ハローユキトモ 撮影=風間大洋
ユキトモ:ギターのギマが自由にフレーズを作ってきて、それを僕が歌うっていうだけで曲ができます。でも、「こういう曲やろうぜ」っていうところから始まることは一切ないですね。スタジオの中でギマがいいフレーズを作って、それぞれが好きに合わせてジャカジャカやるんですけど。一人でやるっていうよりも、みんなでやるのが楽しいんですよ。
古舘:ああ、そうなんだ。俺も一回ソロでやってみて思ったのは、一人って本当に寂しいんだよね(笑)。音楽って得られる喜びもリスクも大きいんだけど、それはやっぱり一人じゃ背負い切れない臆病者だって自分のことを認識して。誰かと共有していないとこんな博打は打てないなって思ったから、結局バンドから逃れられないんですよね。きっと3ピースでも無理だと思う。歌いながら自分のギター1本っていうのもきっと背負い切れないから4ピースがベストで。
――ユキトモさんにとっては、バンドって何が素敵で楽しいからやっているんだと思います?
ユキトモ:僕は、仲間と一緒に人気者になれたら楽しいなっていう感じですね。なおさら、同じバンドにいい曲書いてくれるヤツがいるので。そいつと一緒に人気者になれたら最高じゃんって。……僕らが発信することで、お客さんそれぞれに違う意見が返ってくるじゃないですか。ある人は最高だと言ってくれたり、違う人は微妙だと言ってたり。それが楽しいし、それを4人で感じたいって思うんですよ。いろんな人がいるっていうのを感じられるのが楽しいし、だけどそれも一人じゃキツいから(笑)。そう考えると、僕も常日頃から一人が無理なんですよ。たとえば、自分の家に帰っても自分の部屋で一人で寝るのが無理。だからいつも使ってるスタジオに、先輩がゲーセンで取ってくれた寝袋を持ち込んで――
古舘:え、そこで寝てんの!?
ユキトモ:はい(笑)。ギリギリ眠気がくるまで誰かと喋ってたいし、誰かがいてくれたらいいじゃないですか。
古舘:確かになあ。たとえば本当に地球上で自分一人だったら逆に寂しさは感じないよね。周りに人がいるからこそ寂しさを感じる。だからある種、孤独とか寂しさって一番人と繋がりやすい感情なのかもなって。
ユキトモ:僕も基本的には寂しい気持ちがあるし、人と繋がりたいから歌ったり歌詞に書いたりっていうことをしてるのかな。話してて、そんな気がしてきましたね。
――「HANBUN」っていう曲はまさに、人と寄り添って生きていきたいという気持ちが出ていますよね。
ユキトモ:やっぱり自分一人じゃできないっていうことが大半なので。あの曲は、お金がないからベースのミッちゃん(ミツキング)とお金を折半するっていう歌なんですけど(笑)。だから僕だけじゃ成り立たないんだなって実感することばっかりですけどね。仲間がいてくれないとダメだなって。
――そういう意味でいうと、今回のツアーは今まで出会ったことのない仲間や人と多く出会える機会ではありますよね。
ユキトモ:他のバンドはみんなお兄ちゃんお姉ちゃんの世代ですけど、仲間が増えるって本当にいい機会だなって思います。しかもみんな音楽で繋がってるって、スゲえ幸せですよね。
ヤングオオハラ・ハローユキトモ / 2・古舘佑太郎 撮影=風間大洋
――音楽をやり続けるのは、出会ったことのない人や仲間と出会うためだったりもするんですか。
古舘:どうだろう……でも僕の場合は、自分の知らない自分に出会うためっていうのが大きいかもしれない。新しい自分を探すっていうのは、本当の自分を探すっていうのと一緒だと思うんですけど。それが見つからないからやり続けているのかなって。
ユキトモ:僕もそれに近いのかなって。自分が生きてきて20歳ですけど、一番わかりやすい形で自分を知れる手段が音楽だったと思うんですよ。漫画を読んでいるよりも、YouTubeを観ているよりも、自分のことがよくわかるのが音楽だし歌だったんですよ。
古舘:自分が一番多感な時期にギターと出会ったのが全てだと思うんだけど。それがスポーツなのか絵なのか文章なのかっていう可能性もあっただろうけど、それがたまたまギターで、ビビッときてしまったっていう。
ユキトモ:僕の場合はスポーツもなんでもできちゃうんですよ。そんなに練習しなくてもある程度のことはできる。だけど音楽はそうじゃなかったから、やり続けちゃってるんでしょうね。
――形を持たないし、数値化もできないし、生まれながらの運動神経でポンとできるようなものでもないから続けていくという。
古舘:やっぱり音楽って、形がないからこそ残りやすいっていう側面があると思うんですよ。手紙とか写真って、大昔のものだとしたらやっぱり失ってしまうことがある。でも音楽は、記憶にさえ残っていればいつでも聴けるんです。それをお客さんが一人でも覚えていてくれれば、残るんですよね。それは凄く便利だし、死ぬ間際にも自分の中に残せる。未来の自分に届けやすい一番の物だと思ってて。
ユキトモ:何かできるんじゃないかな?っていう根拠のない自信が中学時代からあって、その時に漫画のBECKがあったから。これだ!と思っちゃって、それで友達に無理矢理楽器を買わせて(笑)。
古舘:俺の前のバンドと完全に一緒じゃん……!
ユキトモ:ははははは。やっぱりバンドがカッコいいと思ったし、仲間とやるからいいんだと思いますね。で、そういう仲間と一緒に沖縄の県外に出ていくだけでも今は凄く刺激的なんですよ。さらに4バンドでツアーをして、行ったことがない場所に行って――今はまだ『自分はこうです』って言えるような芯がないけど、初めてのことを経験し続けることで、自分こうですって言えるように変わるんじゃないかなって気がしてます。古舘さんはやっぱりしっかりと自分の芯を持ってるし、喋れるじゃないですか。
古舘:そんなことないよ(笑)。
ユキトモ:そういうのを今回のツアーで知りたいっす。なんでこんなに喋れるのかっていうのを。
――上手く喋る方法を知るツアー!?(笑)
ユキトモ:……僕らみたいに、ここまで緩いバンドは過去にいなかったんじゃないかなって気がしますけど(笑)。でもこれが自分達の唯一の武器なのかなって気はしますね。仲の良さとか。
古舘:俺も、今のバンドは結成して2年くらいではあるけど仲は良くて。音楽で繋がるっていうコンセプトで組んだバンドな分、無駄にベタベタしないし関係性が凄くいいんだよね。だからこそ、2を知らないお客さんに対しても壁を作らないオープンなライブをしたいと思ってる。(以前は)そこで壁を作ってしまうようなところがあったし、それが前のバンドで列伝ツアーに出た時に残った悔いだったんだよね。それをぶち壊すツアーにしたいと思ってて。……あと、ヤングオオハラは4人とも色気があって、モテるオーラがあるんですよ。
ユキトモ:マジっすか……!!
――今日一番いい顔しましたね。
ユキトモ:ははははははは!
古舘:そのモテるオーラを見習うツアーにもしたいですね(笑)。

取材・文=矢島大地 撮影=風間大洋
ヤングオオハラ・ハローユキトモ / 2・古舘佑太郎 撮影=風間大洋

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